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「言論の自由」とは何か(2)
2008年 11月 19日
初めに,シリーズ(1)の記事で簡単すぎた点について説明を補っておきたい.それは,田母神氏を更迭したのは素早い決断で,それについては敬意を表しておく,という件りである.これ自体については何も追加することは無いが,残ってしまった問題がある.それは後始末であり,その中で最も大事なのは再発防止に関することである.そしてそれを考えているうちに,軍部と保守というものの微妙な関係に改めて思い当たったのである.
保守と右翼のせめぎ合い 思想・信条の自由についてはもとより憲法に保障されている.従って,憲法批判の精神を持つこと自体に対しては,いくら公務員とはいえ「公言・広言」しない限りは誰にもその地位を脅かされることは無い.そして,そのことを以って仕事上の差別があってはならない.(その代わり,憲法擁護義務は厳密に守ってもらわなければならない.それが可能なことかどうかは今ここの問題ではない.) さて,再発防止の観点から見ると,今回の政府の対応の素早さに較べて言い訳の出来ない無様な状況があったことを指摘しなければならない.田母神さんは正直にもずっと下役の頃から憲法の精神に反する事柄を「広言」していたらしい.そのような人物を制服組のトップに据えたということは,強い批判を蒙るべきことである.再発防止とはそのような人物が重要なポストに付かないようなシステム作り・チェック体制である. 幸いなことに,防衛大学校の五百旗部校長やあの軍事オタクと自称する石破元防衛大臣さえも(それからあの読売新聞でさも),これに関しては賞讃すべき発言を為している.その趣旨は次のようなことであった.(発言そのものではない.出典はヤフー記事のいずれかであるが,特定できないことをお断りしておく).曰く, 「軍人が自身の思想に基づいた行動を取ってはいけない」 これは至極もっともであり,きわめて健全である.彼らがこのような考えを持っているということは今まで思っていなかった.とても意外であったのだが,考えてみればこれはある意味で当然のことなのかもしれない.こう考えてきて思い当たったのが,保守と右翼の違いなのである【注1】. つまり,五百頭部さんや石破さんらはいわゆる保守なのである.保守とは強い軍隊を持つことに憧れてはいるが,軍部の独走にはきわめて強い怖れを抱いている,そういう心性を有しているのだ.戦前の軍部の独走は,彼ら保守にとっても大いなる脅威だったのである.思い当たってみるとそれは当然のことではあった.独走軍部に対しては彼ら保守といえども安閑としては居られない.彼ら自身も粛清・暗殺の対象からは免れ得ないのだから. 従って,保守にとっての軍部とは,独走させてはならない,いつでも自分達の言うことだけを聞いてくれる軍隊であって,結局は自分達を守る道具にすぎないのである.そしてもう一つの理由は軍事産業,つまり金のなる木,ということである. ちなみに,新自由主義者どもの軍隊,小さな政府の小さな軍隊+民間の強大な軍事会社,も全く同じように考えることが出来る.そしてより安全だ.大きな軍隊より小さな軍隊の方がより安全なことは確かだし,民間軍事会社は金儲けそのものが目的だからだ.(ただし,民間軍事会社が金儲けのために世界征服の野望を抱いたらどうしよう!!これは大変だよ!皆さん!) 以上の「軍隊は道具」としたい考えに対し,軍部そのものはどう感じるだろう.絶対に主人公になれない,自分の意志を持ってはいけない集団に甘んじるだろうか?それはかなり難しいだろう.そのマインドは明らかに保守とは異なる.こういう,軍隊という実力集団を主人公に置きたい勢力が右翼なのであろう.今回の素早い更迭劇はこの保守と右翼のせめぎ合いであったに違いない.(保守政治(に限ったことではないが)があまりにも堕落すると,そのうち軍部が黙っちゃいないよ!) 今回の更迭理由を改めて吟味してみよう.その理由は,「我々(今の政府)は村山談話を踏襲(ここではフシューと読んでください)するから」というものであった.しかし,この時の言い方は,村山談話自体への評価を微妙に避けている感じがする.従って,田母神さんの歴史認識自体を否定しているわけではないのである.ここは留意しておくべき点である. それにしても,田母神さんを更迭するために不本意ながらも村山談話を持ち出さざるを得なかったわけで,保守陣営にとっては苦々しい思いだったかも知れない. 今回の記事は予想外の方向へ行きました.前報で予告した記事は次回までお楽しみに. 【注1】 保守と右翼の違いがどうやら言葉で表現できるようになったみたい.保守とは軍隊を道具として使いたい,つまり,軍隊は補助なのである.これに対し,右翼のマインドでは軍隊が主人公となるのである.石破さんはそして読売新聞も右翼ではなくて保守なのだろうと思う.
by papillon9999
| 2008-11-19 00:48
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