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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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宗教と人間の脳との関係(2) 内在する神と外来の神
 前回の記事では神の誕生について述べた.人間の脳は発達しすぎて,恐ろしい事実を認識できるようになった.死,病気,別れ,暗黒闇,宇宙や自然の不思議・・・そして,言葉を得たことにより,絶望,不安,恐怖,のような概念として確立してしまった.すると脳はそれに耐え切れなくなって自分自身を騙し始めたのだった.それは神や宗教のような超越概念の発明であった.



 以上が前稿のあらましである.今日はここから先へ進もう.個人の脳内に湧いた素朴な宗教的概念が,どのようにしてイスラム教やキリスト教や仏教のような世界的なものになるのであろうか.「神の神経学」は引き続き興味深い考察を続ける.(ただし,「神の神経学」の論理を私の言葉で翻訳した部分もあり,元来の趣旨と異なるかもしれないので原著を参照して欲しい.)
宗教と人間の脳との関係(2) 内在する神と外来の神_f0036720_13442024.jpg さて,神経回路は細かい部分では当然ながら一人一人皆異なる.従って,原始状態においては,一人一人が救いと恃む「神」のイメージは,恐らくさまざまに異なるものであったろう.これを著者の村本氏は「内なる神」と呼ぶ.つまり,前回の「神の誕生」とは「内なる神の誕生」であったのだ.
 ところが一方,原始時代,部族同士の様々な争いや軋轢において,部族の団結が強い所ほど勝ち残る確率は高かったであろう.すると,そういう社会では多種多様な「内なる神」ではちと具合が悪いはずだ.すなわち,裏切りの気持も生じさせないほどに団結を強固なものにする方が断然有利に決まっている.そこに,共通の神の認識が産まれ出る必然性が存在する.団結を強固にするための具体策として,宗教的儀式,風習,などがその部族特有なものとして整備されていったに違いない.このようになると,個人個人の内部に芽生えた素朴な「内なる神」は,いつの間にか部族全体の「外なる神」に押し出されることになる.このようにして,部族全体が共有する,ある「一つの神」が出来上がる.これが「外なる神」の誕生である.この時点で,神や宗教概念は個人の脳に生じた素朴な神経回路の生理作用ではなくなり,社会的なシステム,装置となる.

 しかし,話はここで終わらない.その部族内で共有された神,宗教概念は個人にとってどうだろうか.その部族に生まれたものは,生まれた時から両親を初め社会からそういう宗教概念を強要されるわけだ.大部分はそれを受け入れて平気かもしれない.しかし中には,生まれつき備わった神経回路がダウト信号を発する人も出てくる可能性は高い.例えば,なぜ我が子を生贄にささげなければならないのか!と嘆き,怒る人もいたに違いない.あるいは,不幸にして争いに敗れ,これまでと全く異なる神,宗教概念を押し付けられることもある.そういう「外なる神」の強制,刷り込みがなされる時,何が起こるか.「内なる神」と「外なる神」が個人の内部で葛藤を始めるのだ.
 こういうとき,その葛藤を全く許さないのが一神教,ユダヤ教やイスラム教である.これは団結の必要性が特に強かった民族に生まれているようだ.一神教の特徴は「偶像崇拝の絶対禁止」である.これはなぜかというと,実は今までの考察から必然的に出てくるのであるが,次稿で述べることにしよう.それから,多神教や宗教改革と話を進めていく.
by papillon9999 | 2006-02-25 22:42 | 済み | Comments(0)