随想や意見,俳句(もどき)
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日本は多神教か?
2008年 07月 10日
この記事は前記事,『キリスト教は一神教か?』と対になる記事である.人間や社会に関する物事を考える際に,西洋対東洋という対置法を採用する人は多い.そして,西洋が物質文明であるのに対し東洋は精神文明であり,西洋は個人主義であるのに対し東洋は集団主義であり,西洋は合理的であるのに対し東洋は非合理的であり,西洋は言語的であるのに対し東洋は非言語的であり,西洋は理性的であるのに対し東洋は感覚的であり,・・・ということなどが切り口・道具となって利用される.
そして,そういう対置関係を生じる基盤を作ったものとして,西洋キリスト教文明は一神教,東洋は多神教である,というような根拠付けがなされるのだ. こういう傾向は大まかに言えばそれほど的外れではないのかもしれない.しかし,それほどはっきりと言えるのだろうか.私ははなはだ疑問に思っている.こういうことで人間や社会に関することが判ったような気になるのは安易過ぎるのではないだろうか. 思うに,これは少し怖いことである.なぜなら,こういうものの見方をして主張したいことは,現代文明のマイナス面が主に西洋思想の席巻に起因する,という主張の根拠とされることが多いからである. つまり,西洋と東洋を過度に対置したい心性とは,西洋文明に対して違和感,ないしは反感といったマイナスイメージが根底にあり,それへのアンチテーゼとして東洋を”過度に”素晴らしいものと祭り上げたい態度に他ならない,と思うのである. これは単なる精神文明論,多神教論を通り越して,汎的な『反西洋思想』といったものに陥る可能性が高く,いや既にそういう段階に達していると思う. これの弊害は次のように言うことができる. 『西洋起源という理由で,科学と民主主義に対する軽視,反乱,反感,不信を振り撒くこと』 私は『民主主義』の限界をわきまえているつもりである.誰かの言葉に,『民主主義は史上最悪のシステムである.ただし,これまで現れた他の政治体制を除けば』とあったが,この意味を私は深く理解しているつもりである. そういうものに過ぎない民主主義ではあるが,それを導き出した『西洋』というものに私は深い敬意を表したい. 考えてもみるがいい.あのがちがちのキリスト教社会の中で,物すごい宗教のくびきというものがあった中から,それに全く囚われない自由なる精神を母胎とした『民主主義』と『科学』なるものを 創造したのである. 私が思うこの困難性を次のような喩えで表現してみるが,伝わるだろうか. ・人を殺すように催眠術をかけられながら,心の奥底の何かでそれを拒否した ・判断力の十分でない子供が人さらいの甘言を見破って,助けを求めた ・・まあ,拙い例ではあるが,私は宗教のくびきの中から『民主主義』と『科学』を見出した人間の知性に限りない賞讃を贈りたい.ただし,人間全体として賞讃に値するといっているわけではない.人間にはそういう面もあった,従ってこれからも困難なことを解決できるかも知れない,そういう可能性を信じられる,ということなのである. このように,西洋にはいろんな人がいたしまた今もいるはずである.キリスト教のくびきを物ともせぬ多様性が存在しているのである. 翻って日本はどうか?日本人は無宗教だといいながら,実は日本(人)こそ宗教的なくびきに最も囚われているのではないか,そういう気がしてならないのである. とここまで書いたところで時間が無くなった.本題まで到達しない所で中断するのは心残りだが,次はいつ時間が取れるか分からないので,一応ここまでをアップしておく. 続編では,日本における多神教なるものはスピノザ【注】の汎神論に似ているのではないか,という話を主体に進めていきます.それから,仏教とヒンズー教の違いなど,東洋と一括りにできないのではないか,という話です. いやぁ,それにしても原始仏典の内容はとても深いですね!宗教ではなくて哲学です.空とは虚無ではありません.そういう話です.興味ある方はお楽しみに.(いつになるか分かりません.今仕事が・・・) 【注】 スピノザについては,高校倫理の教科書でかすかに見た覚えがある.倫理の授業は開設されなかったけど,教科書は買わされたような気がする.その教科書をちらちら垣間見た時の記憶だろうと思う.そこで「汎神論」という言葉だけが脳内に残ることとなった.次に邂逅したのは,多胡輝の「頭の体操」の第何巻かである.天才の知能指数を勝手に付けてあるクイズの巻だ.そこでスピノザのIQが非常に高く設定してあり,印象が強くなった想い出がある.しかし,それっきり,現在でもWikiに書いてある程度しか,スピノザのことはよく知らないのである.
by papillon9999
| 2008-07-10 00:34
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Comments(2)
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by
naoko
at 2008-07-14 06:03
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お久しぶりです!
いつぞやはお世話になりました。 ところで、汎神論ですか。しかも、スピノザ…。 わたしも『汎神論』という言葉に魅かれて(この点では珍しくちょちょんまげさんと意見が一致!)調べたことがあるのですが、西洋哲学も、ライプニッツ・スピノザあたりになると、一筋縄ではいきません。 わたしはすぐにギブアップしました。 なにかこう、とっかかりがつかめなかったんです。 たぶんかつさんあたりはお詳しいのでしょうね。 それはともかく、アルバイシンさんの論考を楽しみに待ちます。 では。
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by
papillon9999 at 2008-07-14 11:47
naokoさん,お久しぶり.その節はどうも.こちらこそ.
ところで,スピノザ,ああ,恥ずかしい!半知半解どころか無知無解のレベルなんですよ.実は. そんなんでよくこんなことが書けるなぁなんて自分でも呆れます.かつさんなんかが見たら「とんでもない的外れジャンか!」と怒られそうです. スピノザの汎神論は唯一神の立場に立ちながら,あらゆるものに神の意志や神の精神,果ては神そのものを見る,というものだと思っているのです.(ここが違うと全部崩れます(^o^)/^^^^^^^) そうすると,多神教と言われている日本にも”天皇教”というものがあり,それは ”一木一草に天皇制が宿っている”というかの名言(竹内好でしたか?)の通り,まさに日本人の精神そのものではないか,と思ったわけです. それは汎神論を一神教の範疇とする考え方によれば,日本だって一神教となるではないか,とまあ,こんな理屈を書こうと思っただけなんです. これのおかしいところがあればぜひご指摘お願いします.もうすぐアップできると思います. |