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構造改革と評価・評価・評価・・・
2007年 09月 29日
良いのか評価社会?という記事をTBして戴いた.社会のいろいろな分野において,評価至上社会になっており,そのために失われるものがあることを詳細に指摘しておられる.
たとえば,学校教員免許は10年毎の更新が必要で,その際,大学で講習を受けるのだそうだ.その講習において,受講者がその講習会の講師(多分,大学教員であろう)の評価を行うらしい.詳細は不明だが,それはどうやら大学の評価の材料に使われるようだ. このようなものを尺度にして大学を数値化するのはやめてもらいたい.なぜなら予算削減の資料にしかならないからだ.やる気と能力のない大学に消えてもらうのは世のためになることであるが,それは学生や受験生自身が決めること.予算配分権を持っている側が決めたのでは,社会的な存在意義ではなく財政的な事情で容赦なく切り捨てられるのだ. それから,子供の教育にも触れてあって,成績評価というものがどれほど児童から楽しさややる気や快楽を奪っているかを記してある.実は私も少なからず思う所がある.例えば小学校への英語導入である.英語教育の早期導入自体は私も悪いことではないと思う(英語帝国主義論はこの際置いておこう).恐らくやりようによっては,とても楽しい時間を児童たちは過ごすことができるはずなのである.しかし,問題は評価.必ず,英語に親しむためよりも,評価のために実施されるようになるのだ.こうなると,児童たちは地獄の評価があと1科目増えるだけに過ぎなくなる.これでは導入賛成,というわけには行かない. それに評価することを目的にすると,弊害が出るのである.それは内容自体が親しむよりも点数付けしやすいものに偏ってしまう,ということである. これについて,私の経験を書かせていただこう.私は地理という科目が大変好きだった.ただし,中学までであるが,そこまでは地理の内容は地名や産物,自然の名前(タクラマカン砂漠など)をいろいろ知る機会があって,それらを憶えるのは何の苦もなかった.だって,タクラマカン砂漠はどんなところか,授業中に空想に浸れるのだからなんと素晴らしいことだろう.おかげで地理の点数はほぼ毎回,100点近く.(別に評価がなくても良かったが,これはこれで嬉しいものだった.あれ,自己矛盾してるかな???) しかし,高校になって地理の内容は一変した.貿易量や産出量の推移で数字攻めになったのだ.数字自体は私は選挙速報や時刻表オタクだったから嫌いではないのだが,この地理に出てくる数字は嫌いだった.何の面白みもない数字なのだ.私は地理を捨てた. もう一つ,地学の中の天文学.これは中学の頃から多分面白くなかったと思う.星の世界の話とかブラックホールの話とか,楽しませてくれればいいものを,経度差で何時何分の差がある,とか日の出日の入りの時刻の計算とか(多分あった),そんなことばかりなのだ.そんなことは専門家になってからでいいではないか.まったく残念であった. それにしてもどうして評価したがるのだろう.少なくとも中学までは親しむだけでいいのだ.これはゆとり教育とかで内容を落とすこととはまったく違うことなのである.評価がなければむしろのびのびと高度なところまで伝えることができるはずなのだが. ところで,上に紹介した記事には最後に最も大事なことが書いてあった. 官僚を誰が評価するのだろう・・・ そう!これだけ評価・評価といいながら,それを押し付ける側はなんの評価もされないのだ.政権は選挙というものが一応その代替となるのであろうが,霞ヶ関の政策責任者たちは誰からも評価はなされない.せいぜい,どこかの密室で実力者からああだ,こうだ,と指図されるだけなのだ. これと似たものに,大学の学長を中心とした執行グループがある.彼らは学内のすべての人間達に評価を強いるのであるが,自分達への評価はシステム自体,まったくないというのである.それから会社における経営陣.決算数字という決定的な評価数字が存在するにも拘らず,たとえ赤字となっても自分達は責任を取らないのである.これでは評価はないのと同じではないか.ジリ貧の会社でも,リストラといえばトップの延命策のみ.現場の工場を削減してもトップ達は削減しない.何物も生み出さない連中が最後まで居残るのである. 評価社会とはそんなものである.これから大学ランキング,なんてあっても無視無視.くそくらえ! 追記:上に紹介した別の記事に,次のような趣旨の文章があった.なるほどと思ったので書かせていただく. 「相互評価の仕組みとは,国民が自動的に相互監視をやってくれるようなもの」
by papillon9999
| 2007-09-29 15:34
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Comments(11)
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Ladybird
at 2007-09-30 01:49
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当ブログをご紹介いただき,ありがとうございます.感じるところが非常によく似ているので,あえてコメントすることもないのですが...
英語の苦手な日本人が多いのは,英語の能力を評価されることに対する防衛反応が起ってしまうからだと思います.その結果,しゃべることに対し臆病になるんですね.これも文部省による失敗教育の1例です.
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papillon9999 at 2007-09-30 08:53
え”-っ!?「良いのか評価社会? 」の作者はLadybirdさんだったのですか?いやー知りませんでした.だって,筆者名がどこにも書いてないのですから.いや,まだ発見できません.ですから,私の記事の中では苦心した書き方になっているのです.まあ,それはともか<防衛反応>ですね.よくわかります.
本当ですね.ブログの中にLadybirdという名が出ていません.どうもすみません.ブログを開くとき,Ladybirdというハンドル名は誰かが既に使っているということで,別のハンドル名で登録し,本人はそのことを忘れているというお粗末さです.
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通りすがり
at 2007-09-30 11:20
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基準が明確で公正に評価が行われれば成果主義でもいいのですが、実際は、お上が気分次第で決めているので最悪な状態になっています。最近は政府や財界に都合のいいことばかり並べる御用学者が本当に増えました。先日も、山形大学が文科省の天下り官僚を学長に据えて話題になりましたね。この大学の助成金がどこまで増えるか注目しましょうw。
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布引洋
at 2007-09-30 12:07
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最近世界の金融市場がアメリカ発のサブプライムローンで大混乱。
昨今は聞き慣れない『カタカナ語』を聞けば、言葉の裏に悪い仕掛けが隠されていると考えて大概は間違いない。 サブプライムローンとはアメリカの住宅バブルが生んだ仇花で、信用度の低い低所得者に高利で住宅ローンを組ませる遣り口。 日本のサラ金と同じ様な貧乏人を食い物にする弱肉強食の剥き出しの資本主義(新自由主義)です。 バブルが永久に続かない限り、最初から破綻が約束されている。 住宅ローンを破綻させないためには、貧乏人には高利ではなく逆に低利で貸し付けるしかないのは誰でもわかるはず。 構造改革と評価も全く同じ。 破綻させない為には、評価の低い個人や学校により手厚い保護や助成をすればよい。 今の政府の遣り口はアメリカの悪質金融業者と同程度で結果も同じようになるはずです。
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papillon9999 at 2007-10-01 07:58
通りすがりさん
山形大学ではとうとうそうなったのですか.やはり大学改革とは官僚の焼け太りのためであったことが確実になりました.これまで学長を決めていた学長選挙というものは,今は参考にしかされないそうです.最終決定権は理事会にあるそうです. <この大学の助成金がどこまで増えるか>注目しましょう・・・
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papillon9999 at 2007-10-01 08:02
布引さん 今の評価至上主義は切り捨てる対象をあぶりだすためですね.そして互いに評価をし合って,敵対関係,相互監視体制を築くのです.
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死ねい虎
at 2007-10-06 17:29
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>官僚を誰が評価するのだろう
憲法15条第1項では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」のですが、この項は事実上空文です。この項を政府・国会に具体化することを求めるのは、泥棒に縄をなえというに等しい。
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布引洋
at 2007-10-09 11:31
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毎日新聞10月9日で福田内閣の二人しかいない新任閣僚の一人渡海紀三郎文科相の『過度の競争は疑問』の表題の記事中で
「基本的に義務教育には競争原理を持ち込むべきではない」 「教育のある部分は、医療と同じように市場原理がなじまない」 「市場原理はひずみと格差をうみだす」 「憲法で保障された義務教育では(過度な競争にならないよう)配慮する」 リップサービスかもしれませんが前任の伊吹文明氏よりマトモでありことだけは確か。 構造改革と評価主義と競争原理は新自由主義の謳い文句(スローガン)で、今までは誰も怖がって反論しない。マトモに論じる保守政治家は久しぶりのような気がする
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papillon9999 at 2007-10-15 18:16
ご無沙汰してすみません.
死ねい虎さん ほんとにそうですね.憲法15条第1項ですか.この条文を実現できる法律が策定されていないのですね.これは重大な怠慢ですね. 「首長リコール」制度はありますが「公務員リコール法」がない!これはとっても大事なことだと思いますね. 官尊民卑の打破,公務員は国民の下僕,というのを担保すること.いつか記事に書きたいものです.
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papillon9999 at 2007-10-15 18:18
布引さん ご指摘の視点,大変重要に感じます.「マトモに論じる保守政治家」こういう人を峻別して評価してあげないといけないでしょうね.何でも一緒くたにして批判してもいい方には進まない.
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