随想や意見,俳句(もどき)
by papillon9999
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不思議だな,進化って
2007年 09月 28日
人類の歴史の中で大きな影響を与えた人物や,事件,思想,書物などから,影響度の大きいもの(善悪を問わず)を10個選ぶとしたら,どんなものが挙げられるだろうか.それこそ人それぞれによって百花繚乱たる様相を呈することだろう.投票で集計したらとても面白いと常々思っている.
私が真っ先に挙げるのはもちろん言語の獲得であるが,いつも言うようにこれにより人間が始まった,と解釈すれば別格であり,これは除いておこう.その上でざっと思いつくのは,コンピュータ,数学の発明,印刷技術,栽培技術,音楽,宗教・・・いやいや,いろいろあって絞り込むのはほぼ不可能であるなぁ.ただ,聖書を挙げる人はきっと多いに違いないが,今回の記事は聖書には関係ない. ところで,私がその中に挙げたいものは,ニュートンとダーウィンである.それで,今回はダーウィンの話.ダーウィンというより,遺伝子まで含めた生命体の成り立ちと「進化」の発見,と言った方がいいかもしれない.ここで「進化」と括弧書きにしているのは,「進化」とはたまたま「変化」の方向が都合が良かった,という結果論的な意味(完全なるランダムではないにしても)でしかない,と理解すべきものと思うからである.(都合の良い方向,というのはその時点でたまたま都合が良かった,と言う意味であり,別の時点では最悪の方向だったのかもしれないのである.「社会的ダーウィニズム」という噴飯物の似非科学があるようだが,これは「進化」と言う言葉を誤解した間抜けな議論である.) さて,ダーウィンを選んだ理由を書いておかねばならないだろう.ダーウィンの観察により始まった,「生命体は変化する」という物の見方は,大きな影響を当時の社会に与えた.これで人類は神の創造神話の頚木から解放されたわけで,その功績は甚大でないはずがない.これはニュートンの現代科学の基礎理論構築に関わる功績とほぼ匹敵するといえよう. このように進化論を(素人なりに)理解している私なのであるが,実は前々から非常に不思議に思うことがあった.その不思議さというものは,例えば保護色の獲得について考えれば示すことができる. 体の色の所為で目立つから,目立たない色になった方が食われる確率は減少するわけである.しかし不思議だなと思うのは,食われないためにどの色が良いとどのようにして子孫に伝わるのだろう?ということである.しかもそれが非常に速い進化速度で到達するのである.考えてみればとても不思議ではないか.何万年もかければ試行錯誤することでいつかはその色に到達することも可能だろうが,わずか数世代でその色に到達するのである.これは偶然的な突然変異を待つだけではとても実現することはできない話であろう.とすれば,ある何らかの「意志」が働かなければとても不可能だと思われるのである.しかし,「創造主」のようなものを考えずしてどうしてこのようなことが可能になるのだろうか.私にはこれがとても不思議だったのである. 私は素人として次のように考えた.「ストレスが遺伝子を変える」というべき理論?かな.ある個体が襲われたとして,その個体は緊急メッセージを発する.それは他の個体ではなく自己の遺伝子へ発するのである(だって,他の個体へどのようにして伝える術がある?) 信号自体は何かホルモン的なものでいいだろう,それを受け取った遺伝子は,「あっ,これじゃいかん!何か変わる必要がある!」というように反応するのだ.例えば,眠っていた冗長遺伝子が目覚めて,形や大きさや色などに関する遺伝子をとにかく変える作用を始める.幸い,攻撃された個体が生き残ったとしたら,子孫は親とは色の違う個体となれるわけである. しかし,これも多くの問題がある.これだと色の変化の方向は無定向だから,目指す色に簡単には到達できないだろう.しかも,多くの個体で同じ方向の色の変化を果たす,というのは確率的にきわめて低いありえない話である.こうして私の新理論は,部分的にはともかく(使える所もあるかも知れないが)全体としてあえなく埋もれたのである. 最近,この疑問が解けるような理論,(それを紹介したウェブ)を発見した.それはここである.こういうことに興味がある方はぜひご覧あれ.とてもわかりやすくまとめてある.これによれば,「進化論」といってもいろいろあることがわかる. さて,上の私の疑問を解決する理論とは,「水平遺伝」である.とすれば,親から子へと伝わる遺伝は「垂直遺伝」と呼んでいい.今までの私の考えは,すべて垂直遺伝で説明しようとしていたのにすぎなかったのだ.一つの種の多くの個体が比較的短時間で変化を果たす,というのはやはり水平遺伝のようなものでないと説明がつかないはずなのである. でも水平遺伝!?どうやって同時代の他の個体に遺伝子を伝えるの!?という非難が聞こえそうであるが,それを担う役目が「ウィルス」なのだそうだ(プラスミドもそうであるが複雑になるのでここではウィルスだけ話に上げる). 今は悪名高いウィルスであるが,実は病原として働くのは単なる副作用(私の造語)であるらしい.神はウィルスでさえ無駄に作ってはいなかったのだ.ウィルスは生物が進化するために備えた一器官とみなすことができるという.実際,ウィルスは殻の中に宿主の遺伝子情報を蓄えているそうである. つまりこうだ.ある個体で強度のストレスにより遺伝子が変化したとする.すると,その遺伝子情報を持ってウィルスが飛び出すのだ.そして,まだストレスを受けてない個体に「感染」する.感染した個体はストレスを受けなくても,遺伝子が変化することができる.こうして,短時間にいっせいに一つの種がある属性の変化を遂げる,ということが可能となるのである(そうだ).ただし,変化する方向はランダムではなく,ある程度プラスになるような(有効な)方向を感知するものがあるらしい. 私はこの説明に心の底から納得した.ただし,このウェブ作者は,あまりにできすぎの感がして逆に落ち着かない,というようにも書いておられる.しかしまあ,理論の細かい部分はいろいろ変化する可能性はあるだろうが,大筋はこういう方向の理論でないと疑問は解決できないのではないだろうか.実際に遺伝子治療で遺伝子を運ぶベクターとしてウィルスが使われているのは有名であろう. この作者は次のような趣旨を述べている. 『水平遺伝を認めれば,子孫や血縁でなくても遺伝子を共有しうる』ことになる. ということはさらに, 『自分のコピーだけを死守する(つまり,他の個体からの水平遺伝を拒否する)ということは新しい進化ができない』 ということにもなる.フリーズは進化拒否,ということか.
by papillon9999
| 2007-09-28 21:55
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Comments(22)
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布引洋
at 2007-09-29 12:11
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昔「社会的ダーウィニズム」を初めて聞いたとき、私はてっきりマルクス主義のことを指している、と思っていました。
社会が固定した変化しないものではなく、必ず変化する(進化する)がマルクスの考えですから「社会的ダーウィニズム」とは「社会」同士が適者生存、自然淘汰することを指している、とすれば社会的ダーウィン主義とはマルクス主義と同義語。 思い込みとはオソロシイですね。
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布引洋
at 2007-09-29 12:33
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一昔前今西錦司がダーウィンを否定したと大騒ぎしていたが、ダーウィン学説の根幹部分は生命(種)は変化するで、変化する要因として自然淘汰や適者生存を指摘した。
今西学説はダーウィンの否定ではなく其の補強学説。 ウイルス説もダーウィン学説の補強学説の1つと考えられる。 進化論は日本では誰でも理解しているが世界的に見るとそうでもないらしい。 因みに、恐るべきことに唯一の超大国アメリカでは進化論は3割程度で7割は聖書の記述どうり人は神が創ったと信じられている。 日本の唯一の同盟国アメリカが、日本人が信じている先進国の仮面の下に政教一致の神聖国家が隠れている事実にどれだけの人が気付いているだろうか。? イラク戦争、アフガン戦争は『対テロ戦争』の名目で始められたが実態は限りなく宗教戦争の臭いがする。 『対テロ戦争』は『宗教戦争』の偽装の可能性が濃厚です。
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布引洋
at 2007-09-29 12:49
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進化論が反宗教だと考える日本人はいないが、欧米などの一神教世界ではそうではないらしい。
日本のどんな極右国粋主義者でも古事記の記述を其のまま事実であると信じている人物は一人もいない。 日本人に、高天原の場所を特定しようとしたり、最初オノコロ島を探しに行く物好きは一人もいないが、欧米では高等教育を受けた人々がノアの箱舟を探しに世界を彷徨する。 一神教徒にとっては「進化論」とは科学ではなく。自身の『神』を否定する反宗教活動に他ならない。
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papillon9999 at 2007-09-29 14:32
「社会的ダーウィニズム」って,確かにプラスイメージを与える言葉ですよね.換骨奪胎・我田引水もいいところ.
今西錦司理論にしても,ダーウィニズムのバージョンアップを試みたと考えるべきなんです.自然界の仕組みは複雑で新しい遺伝現象も次々と発見される.しかし,遺伝子は変化する,という基本は全く変わっていないわけですから,進化論の否定,ということでは全くないわけです.この類のことが良くありますね.センセーショナルに煽るためでしょう.
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papillon9999 at 2007-09-29 14:41
記事の中で,『人類は神の創造神話の頚木から解放された』と書きましたが,実はブッシュを初め,保守的米国人たちはまったく受け入れていません.これはもう,カルトといっていいでしょう.聴く耳を持っていませんから.逆にそれだけ,進化論の与えた衝撃は大きいはずですね.
米国はビルマの状況を今になって非難しているようですが,民主主義を押し付けるなら悪の枢軸三カ国ではなくて四カ国にすべきだったはずです.宗教とは無関係の政権だったからなんでしょう.今の態度は中国向けなんでしょうかね.
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papillon9999 at 2007-09-29 14:46
<ノアの箱舟を探し>
います,います.確かトルコのアララト山頂で箱舟の残骸を発見したとか,時々出ますね.聖書物語をそのまま事実としないと,自分たちの拠って立つ基盤が失われるように感じるのでしょうね.『自分達は選民でもなんでもなかった』,となるとわがままを正当化できる理由が失われます.
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布引洋
at 2007-09-29 17:49
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「悪の枢軸』に北朝鮮を入れたのは本来の目的を隠す為の、偽装工作のアリバイ作り。
最初はイラク、イランの二カ国だけで、此れでは反米で、イスラム国家で、産油国という共通項が有り過ぎてアメリカの目論見が幾らつくろっても見え見え。 それで目くらまし(煙幕)に北朝鮮を無理やり入れた。 此れに北朝鮮叩きをやって日本の右傾化を促進したい日本政府が乗って「悪の枢軸』を大々的に宣伝。 しかし日本政府の思惑とは違い、現在ミサイル技術を持ち核実験を成功させたと言っている北朝鮮とは国交正常化を含む全面的米朝和解が進んでいます。一年以内には朝鮮戦争終結と国交回復が行なわれる見込み。
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布引洋
at 2007-09-29 17:50
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たいしてイラン情勢は緊迫しています。
イランの核開発と言っても、数パーセント以内のウラン濃縮は原発燃料用でIAEAも認めている民生用で平和利用の範囲内。 それをアメリカは安保理を使って対イラン経済制裁を強硬に主張し軍事制裁の可能性も否定していない。 アメリカ自身がイランの核兵器開発には10年以上かかると言っているが10年の開発期間とは、現在は何もないと言っているのと同じ。 今、石油そのものは余っているのに石油価格が1バーレル80ドル以上の史上最高価格になっているが投機筋が買い占めているから。投機筋はもっと上がる可能性を考えている。 アメリカのイラク攻撃があれば今の倍にはなるはず。 現在インド洋とに派遣されているとされる自衛隊の補給艦はペルシャ湾口のホルムズ海峡付近のアラビア海で活動している。 インド洋とイラン沖のこと。 これからは我々庶民も千葉の外房に泳ぎに行くなどと言わず太平洋に遊びに行くと言へば、近所の住人はハワイに豪華海外旅行に行ったと勘違いしてくれそうですね。
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papillon9999 at 2007-09-29 20:08
アメリカのイラン攻撃はありうるのですか?すさまじいなぁ・・アメリカはつぶれてしまいますよ.早雲さんによれば国際金融資本の手の中で踊らされているのでしょうが,アメリカ国内は大丈夫なんでしょうかねぇ.
papillonさま,こんばんは.進化論についてです.参考にしてください.ちょっと長くなります.
「生物は変化する」という考え方はダーウィン以前からありました.旧ソ連の教科書では「進化」説以前には,「変遷」説があったとされています.つまり「生物が変化する」ことは,すでに多少とも承認されていた.ダーウィンはそういうのっぺらぼうな変化ではなく,進歩という概念を持ち込んだ.だからエンゲルスはダーウィンを高く評価した. エンゲルス流に言えば,進化とは単なる変化ではなく,進歩を含む変化である.社会が生産力の増加とともに進歩発展するように,生物も進歩発展する.これが進化.そう考えた.ただし現在では「進化とは変化である」と考えられています.進歩の概念は進化には含まれません.つまりエンゲルス流の進化概念は現在では受け入れられていません. 変遷説と進化説という対比が妥当かどうかは問題ですが,ダーウィンに至って初めて進化論が「ひと皮むけた」ことは確かです.ちなみに「あっ,これじゃいかん!何か変わる必要がある!」という要因によって進化が起こるというのは,ダーウィン以前のラマルクの説です.
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Ladybird
at 2007-09-30 21:25
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遺伝子の水平伝播は比較的新しい概念です.バクテリアではよくあるらしい.高等生物では,水平伝播もあるかもしれないけど,進化の大きな要因とは今のところ考えられてない(と思います).ストレスでウイルスが飛び出すことは,まああ色々な解釈が可能という程度の段階でしょう.
『自分のコピーだけを死守するということは新しい進化ができない』は水平遺伝に限ったことではなく,遺伝子の交流(ふつうは有性生殖)一般にあてはまります.生き残るためには進化をし続けねばならない.そのためにセックスがあるということです(参考:「赤の女王」説). ダーウィンの進化論で(たぶん最も)重要な視点は,「生物は実際に生き残るよりも多くの子供をつくる」ことです. 社会ダーウィニズムとは,適者生存という原理を強調することで,人間社会のたとえば貧富の差を肯定するという,セコい考え方です. 今西説は,もちろん進化を否定したわけではありません.今西さんは自分をラマルキストと評したことがあります.
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Ladybird
at 2007-09-30 21:46
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papillon9999 at 2007-10-01 08:16
Ladybirdさん 進化に関する興味深い知識を授けていただき,真にありがとうございます.どうも,素人ではなさそうですね.
ラマルクも重要な人物だったのですか.よく知りませんでした.「忘れられた人」なんですね. 「あっ,これじゃいかん!・・・」というのは図らずもラマルクが考えていたとは,私も素晴らしい発想ができるんですね^o^;) 交配自体が遺伝子の多様性をもたらす一方法ですね. <生物は実際に生き残るよりも多くの子供をつくる> 生き残った個体は適性度が高かった,ということですか. ブログ名から拝察すると,生態学を専門にしておられる方でしょう.
進化論(進化学)や生態学を専門にしているわけではありませんが,けっこう詳しい(自分で言うか?).
(1) <生物は実際に生き残るよりも多くの子供をつくる> (2) 生き残った個体は適性度が高かった,ということですか. そうです.ダーウィンはそう考えました.(1)は「事実」,(2) は「理論」です.当然この(2)をめぐって,いろいろ議論があったわけです. 遺伝子の多くは,それが生き残る(子孫に伝わる)かどうかは「適応」とは関係なくて,単なる偶然(運?)で決まっている,というのが木村資生さんの「中立説」です.中立説はダーウィンの自然淘汰説を,いわば否定したことになります.しかし広く受け入れられて,「分子系統樹」への道を開きました. ところで,いま蝶(papillon)とテントウムシ(ladybird)とがお話をしているわけですが,私の行きつけにはカワゲラ(stonefly)とか甲虫(これおぷてら)とか,昆虫が多いような気がします.昆虫ではありませんが,ぬえ(kimera,英語のつづりはchimera)もいます.ぬえはケモノか鳥でしょうね.
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papillon9999 at 2007-10-02 11:41
<蝶(papillon)とテントウムシ(ladybird)・・・>
はっはっは,面白い. ところで,中立説が自然淘汰説を否定したことになる,という部分,よく理解できません. <遺伝子の多くは,それが生き残る(子孫に伝わる)かどうか>というのは個体レベルが生き残るかどうか,ということですか? 中立説というのは遺伝子の変化が無定向ということではないのですか.もしそうなら自然淘汰説と両立しそうな気がするのですが. すみません.お勉強の時間のつもりです.
遺伝子の変化(突然変異)は無定向です.これは自然淘汰説でも中立説でも同じ.ご指摘の通りです.
個体の適応度を高める(より生き残りやすくする)遺伝子は,より高い確率で子孫に伝わる,というのが自然淘汰説. 遺伝子の多くは適応度と無関係(中立)で,だからその遺伝子が子孫に伝わるかどうかは単なる確率の問題,というのが中立説. 遺伝子の中には,それを持っている個体の生存確率を明らかに上げる(または下げる)遺伝子(つまり中立でない遺伝子)があります.また血液型の遺伝子のように,あまり生存率と関係なさそうな遺伝子(中立に近い遺伝子)もあります.だから自然淘汰説と中立説の論争は,遺伝子の多くが生存率と関係しているのか,それとも遺伝子の多くが中立なのか,という「量」の問題になります.現在では中立説のほうが,ひとまず勝利した雰囲気になっています.
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papillon9999 at 2007-10-03 10:13
Ladybird さん 無料でご説明戴きありがとうございます.
ところで,遺伝子自体はどのようにして自分の方が適している,あるいは適していない,とわかるのでしょうね.記事中に引用したウェブでは蛾の話がありました.森の木が白っぽくなるか黒っぽくなるかで,体色の白っぽいのと黒っぽいのと,どちらの遺伝子が適応度が高いかは一定しませんよね. すると,自然淘汰説では森の木が黒っぽい,ということを子孫に伝わる前に遺伝子は感知しておかねばならないわけですね. 空気が汚れて森の木が黒っぽくなる→体色が黒っぽくなる遺伝子を強める生化学反応が生じる,ちょっと無理があるような・・・ でも外野から見物するのはとても面白い.付き合っていただいてありがとうございます.
環境が白っぽいときは,「体を白くする」遺伝子が集団の大部分を占めていますが,黒の遺伝子も低頻度で生じます.それは白の遺伝子が突然変異をして生じるわけです.黒から白への突然変異も起きます.突然変異は環境と関係なく無定向に起きるわけです.
で,環境が黒ずんでくると,黒っぽい個体が生き残り易くなる.その結果,世代を追うごとに集団内に黒の遺伝子がふえて,白の遺伝子が減ります.これが自然淘汰説です. 環境が黒っぽくなったから黒の遺伝子が生じたのではなく,環境と無関係に黒の遺伝子は常に生じているわけです. 話はコロリと変ります.英国のリバプールに「労働の歴史博物館」というのがあって,昔のリバプールの町の景観が写真展示されています.煙突が林立し,黒い煙をもくもくと吐いていて,町は本当に真っ黒だったようです.資本主義の歴史そのものという町ですが,この環境の激変をみごと乗り切った昆虫の適応力には感銘をおぼえます.
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Ladybird
at 2007-10-07 04:06
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たびたびすみません.
このコメント欄でのやり取りに刺激されて,「ダーウィンの悪夢」について書いてみました.別のブログですがトラックバックさせて頂きました.
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Ladybird
at 2007-10-11 07:34
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お忙しいところすみません.
ひき続き「ダーウィニズム」を書いたのでトラックバックさせて頂きました.
ネオリベはネオ「社会ダーウィニズム」のようですね.
社会ダーウィニズムは遠い過去のものですが,こういう形で復活しているとは知りませんでした. http://www.news.janjan.jp/business/0310/0310127239/1.php 私のブログ「へなちょこ自然保護」で取り上げたいと考えています.
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papillon9999 at 2007-10-15 18:22
Ladybirdさん 新自由主義者どもはやはり優者意識でいましたか.あれだけの露骨なことができる,というのは社会ダーウィニズムの極致ですね.高額所得者の税金を下げ,低所得者から取り上げる,うーん,世界は優れた者のためにあるのでしょう・・・
まだ記事はよく読んでいません.近日中にじっくり読ませていただきます. |