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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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医師の需給緩和法
 患者が医師を攻撃し,医師が患者のことを放り出す,というような末期的状況が医療現場にすでに出現しているようだ.こういう状況は今のうちに解消を試みないと,あっという間にアメリカの医療体制社会になってしまう.



マイケルムーアの「シッコ」はまだ残念ながら見る機会がないが,それはそれはすさまじい社会らしい.要するに,金がないと医療を受ける資格がないらしい.医療現場そのものが金融資本家どもの格好の餌場となっているのだ.
 患者が医師の「高報酬」を攻撃し,医師は「医療行為」を単に義務的な最低限の「処理行為」に落としてそれに対抗する.一昔前まではまったく考えられなかった事態である.すなわち,庶民が医師の「高給」を攻撃したくなる心性は初めから持っていたわけではなく,直接的には昨今の社会状況を強く反映している結果だろう.すなわち,患者の医療費の負担が大きく増える現状があるからであり,それを少しでも緩和するために庶民は医師の「高報酬」に目をつけるのである.
 医師は医師で,病院という企業体の競争にさらされ,時間や報酬などをギリギリに切り詰められる.おまけに高報酬を謗られる.こういう企業原理下の状況では医療行為も単なる作業とみなしてしまうのは当然だろう.
 このような医師の不満は,副次的に医師不足を生んでしまう.なぜなら,医療行為も単なる作業と化したからには,なるべく簡単な方が良いに決まっている.それで,簡単な作業で高報酬を得られる分野に偏るのはこれまた必然である.

 とまあ,上のような事柄は今さら私がしゃしゃり出てしゃべる必要はないことは重々承知している.この記事の目的は以下のことを言いたいのであった.すなわち,医療問題の解決のためには以下の二点を何とか解決すればよいのではないだろうか.

 1.患者の負担が限りなく増えていくのは医療財政上の問題からであるので,医療財政を国民の手に取り戻すこと.
 2.医師の需給緩和を図ること.

 おこがましいけれども,この記事ではこれらの解決法を提示したいのである.
 とはいいながら,1の問題点について,医療財政を国民の手に取り戻す,ということは霞ヶ関官僚の主導権を取り上げる戦争になるので,実際は当面不可能である(すみません).ただ,この戦争は,医師の特権階級化を目指す(または温存したい)勢力との戦いでもある,ということを指摘しておく.言わずと知れた,医師会-大学-厚生省の鉄のトライアングルであるが,財政問題の解決は彼らの既得権(公益法人・補助金行政を筆頭に)を取り上げることになる.
 
 ということで,具体的には2の問題しか解決法として提示できない.これだって上述の特権階級化の話に帰着するのであるが,実現性はより大きいものと思う.すなわち,医師の需給緩和策の提案である.

 この解決策は簡単で,大学の募集定員を増やせば良いだけの話である.しかし,それが簡単にいかないのは.医師の特権階級たるべきを温存したいからである.医師の需給が逼迫しているのは温存には好都合であり,それが可能であるのは医師の絶対数を少なく維持している政策とともに,医師養成が徒弟制度に基づいているからである.医師仲間ほど,仲間内での上下の挨拶やしきたりが厳格なムラはない.
 医師を増やそうとすると,医師の品質低下を招くのではないか,とか定員増で国立に流れると私大経営が成り立たなくなる,等々の心配がある.しかし,国家試験をきちんとやれば質の確保は問題ないはずである.むしろ今でも医師の質が心もとない状況はあるだろう.私大経営は何とか工夫してもらわなければならない.国民のニーズが優先するのは明らかである.

 ところで,医師の需給緩和策として,医学部の単純な定員増のほかに,私は素晴らしい具体策をもう一つ持っているのである.ほんとはこの記事で言いたかったのはこのことである.需給が逼迫しているのは,特定の診療科であるようだ.現在ではそれは産科と小児科である.したがって,私の名案は以下のとおり.

 大学の医学部を改組して,医学部産婦人学科,医学部小児学科,というものを独立させることである.これは歯学部が独立したのと同じ理屈である.今は歯学部も多くは医学部歯学科に統合されようとしているので,ちょうどよい.医師免許も制度を大幅に刷新して,小児科,産婦人科などの専用免許とする.AT車の専用免許や歯科医師免許と同じ.すると,医学部本体(医学部医学科とする)は倍率が高くて,小児学科が倍率が低ければ,小児学科でいいから医学部に行きたい,となるだろう.ちょうど歯学部志望の心性と同じである.
 医学科の免許は当然,口腔外科や小児科や産婦人科の免許を兼ねる.しかし,逆には行けない.こういう状況に誘導すれば,小児科医や産科医はあっという間に増えるだろう.歯科医がたくさん誕生しているのと同じように.

 このような需給緩和策,いかがなもんでしょう?
by papillon9999 | 2007-09-18 22:21 | Comments(9)
Commented by 布引洋 at 2007-09-19 08:22 x
医師は国家試験までは文部省、其れからは厚生省が所轄官庁。

今の医師不足は厚生労働省と文部科学省の縄張り争いの結果、突然出現(表面化)した。
文部(大学医学部)が握っていた医師の人事権に厚生省が手を突っ込んだ結果、現場が大混乱。
とばっちりを妊婦や子供が被っている。いい迷惑。

医師を診療科ごとの専門医に認定する制度は、普通に考えれば極当たり前の制度です。
ただ普通の患者が直接専門医を訪ねるのではなく,何時も見てもらっている「かかりつけ医」の診断が必要でしょう。

医師の専門化が極度に進み総合的な診断が出来る『かかりつけ医』が少なくなった。
現在の混乱は、厚生省が全ての病気を診断する『かかりつけ医』養成のため、医師を全ての科目で研修させる目的で始めた。
Commented by 布引洋 at 2007-09-19 08:36 x
前の記事では、一人前の医師と半人前の研修医(インターン)を同時に論じるから混乱を生じた。
今回は専門医と総合医(町医者)を分けて論じるべきでしょう。

現在、医学の進歩で医療現場の専門化は極限まで進んでいます。
国家試験で分けるのもよし、医学界独自で専門医を認定するのもよし、いずれにしても一級建築士や二級整備士のように資格を看板に書き入れて商売(診療)して欲しい。
Commented by papillon9999 at 2007-09-19 09:22
布引さん なんかずれてますか?厚生省は医療財政の私物化を長期化させるため(自分達の既得権を壊さないで)医療現場のコスト削減の観点のみから医療現場を采配しようとしていますよね.
町医者も十分に細分化しているようですね.ただ,各診療科に分かれても,総合的な基礎医学の素養はすべての医師に備えてもらう必要があります.
医師の免許更新制度はぜひ必要ですね.
Commented by 布引洋 at 2007-09-19 11:03 x
郵政民営化に成功して次に狙っていたのは健康保険の民営化。
今の医療現場の大混乱を新自由主義者達は苦々しく思っていることでしょうね。
それで言い始めたのが医師の高給と高医療費。
医者と患者とを対決させて漁夫の利を占めようとしている。
郵政民営化時の公務員と一般市民を対決させた構図、古くは国鉄民営化時に鉄道員と一般利用客を対決させた成功例に味をしめて三尾目の泥鰌を狙っている。
そんな手に乗せられてはたまらない。
マイケル・ムーアのシッコは絶妙のタイミングで公開された。
安くなると評判の民営化が進めばアメリカのようになり、現在の何倍もの高額医療費と、非人道的劣悪な環境が待っている。
新自由主義が荒れ狂った中南米では「官から民へ」ではなく『民から官へ』が正しいと証明されようとしています。

Commented by papillon9999 at 2007-09-19 14:44
郵貯簡保の資金運用はなんとリーマンブラザーズだそうですよ(一部かもしれませんが) 郵便局では民営化の心積もりがだいぶできているようですが,今からでも遅くない,民主党に白紙撤回を求めましょう.まさか,運用失敗しても税金で穴埋め,ってことにはならないでしょうね.どういう契約なんだろう???
Commented by 布引洋 at 2007-09-20 12:45 x
税金を何兆円もつぎ込込んだ長期信用銀行では、損失が出れば税金で穴埋めし利益が出れば税金を免除する契約でどちらに転んでもハゲタカファンドが大儲けできる仕組み。
リーマンブラザーズが損する契約でないのは確実です。

日本人のお人好し度は呆れるばかり、情けなさに涙が出そう。
お人好しと言えば、例のBLOG BLUES をpapillonさん以外全員護憲左派と信じ込んでいます。luxemburg氏の8月22日の記事にコメントを送って注意したのですが結果は~~~
以来記事の更新が止まってしまいました。
可也困っているのでしょうか。?
Commented by papillon9999 at 2007-09-20 14:33
外資は陰に隠れてやるのだとばかり思っていましたが,こんなに堂々とやるとは,まったく絶句・・・
luxemburg氏の件,そうだろうと思います.土俵に乗っていませんから,今のところ証明は不能でしょう.
Commented by Ladybird at 2007-09-29 11:00 x
 英国では一般医(general practitioner, GP)と専門医とがあって,かかりつけ医であるGPを経由しないで専門医を受診することはできないそうです.医療費の患者負担ゼロというNHS(National Health Service でしたか?)も含め,批判は多々ありますが,良いシステムです.ただ,専門医になるには,一般医がさらに何年か勉強を続けないといけないらしく,一般医は専門医より低く見られがちとも聞きました.
 日本の医療については,何らかの方法で,産科(外科系)や小児科(内科系)への優遇策,誘導策は,検討せねばならないのではと思います.非専門家の単なる感想です.
Commented by papillon9999 at 2007-09-29 14:26
<一般医は専門医より低く見られがち>
それでもいいのではないかと思います.歯科医は医師より低く見られがちですが,それを承知で希望者は多いわけですよね.
<優遇策,誘導策は,検討・・・>
そうですよね.春野ことりさんによると,外科医の減り方も著しいようです.