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検証:参院選07(3)
2007年 08月 05日
今回の比例区の結果を見てみよう.次表の通りである.同時に前回(04年)と前々回(01年)も併せて載せておく.04年と01年はともに小泉選挙である.01年は小泉初の国政選挙だったと思うが,フィーバーで圧勝したのだったか.しかし,04年は小泉不振であった.
布引さんのご指摘のように,すぐ忘れるが,小泉も冴えない顔をしていた選挙もあったのだ.04年はなぜ不振だったのか,そのわけは七十五日をとうに過ぎているので,よく思い出せない.イラクの厭戦気分と格差助長の危険を国民は嗅ぎ取っていたのだったかしら. 01年の時が異常だったのでその時自民は取り過ぎている.したがって今回は黙っていても減るのは避けられなかったのだが,不振だった04年と比べても自民は減っていることが注目される. ===07参院選 比例区結果==== 得票数 議席 1議席あたり票数 民 主 2325万余 20 116.28万 自 民 1654万余 14 118.17万 公 明 776万余 7 110.93万 共 産 440万余 3 146.93万 社 民 263万余 2 131.73万 日 本 177万余 1 177.06万 国 民 126万余 1 126.92万 9 条 27万余 0 =========== ===04参院選 比例区結果==== 得票数 議席 1議席あたり票数 04年 民 主 2113万余 19 111.25万 自 民 1679万余 15 111.96万 公 明 862万余 8 107.77万 共 産 436万余 4 109.06万 社 民 299万余 2 149.53万 =========== ===01参院選 比例区結果==== 得票数 議席 1議席あたり票数 自 民 2111万余 20 105.57万 民 主 899万余 8 112.38万 公 明 818万余 8 102.34万 共 産 432万余 4 108.23万 自 由 422万余 4 105.67万 民主と合流 社 民 362万余 3 120.95万 保 守 127万余 1 127.50万 自民と合流 =========== まず,今回07年の結果を見てみよう.不思議なことに気づくだろう.今回は議席が地すべり的に大きな変動を生じたのであるが,比例区は前回04年の結果から高々±1議席の微動に終わっている点だ.つまり,民主は+1,自公共は-1,社民は±0にすぎない.自公共の減った分は民主と新登場のミニ政党にひとつずつ廻っただけである.この結果は意外な感じを与えないだろうか. しかし,01年の得票と議席数からは大きく減らしているのはやむをえないところ.大体04年と07年の程度が自民の今の実力なんだろう. 議席の増減を得票数の増減と関連付けてみてみよう.まず民主党は得票数が約1割増えたのに応じて議席数が1だけ増えた(5.3%増).公明は1割減に対し,議席数は1議席減(12.5%).可哀想なのは,共産で,約1%増の得票数に対し,1議席減(25%減)であった.また自民もわずか1.5%の得票減に対し,議席は1議席減(6.7%減)で,少し割を食っている. 公明の大きな落ち込みは前の記事で”学会信者の反乱か!”と推慮したのだが,今回も最下位当選の幸運な役回りは公明に廻ってきた.マイナス2になる瀬戸際であったのだが辛うじて傷が最小失点にとどまった.(残念!) こうしてみると,今回の比例区では,これまでの惰性で投票行動が行われた,と言っていいのだろう.01年ほどのドラスティックな変動は無かったのだ.その中を,民主が+212万票(約1割増)を得たことは,かなり期待感が込められている.むしろ,01年と違って,静かな反乱であるだけに,却ってしっかりした行動がなされた,といえないだろうか. 今回はちょうど小泉郵政総選挙の時と逆の現象を見ることができる.あの総選挙では,得票率からするとあまり差が無かったにも関わらず,議席数では大差が付いた.いわずとしれた”小選挙区効果”である.今回でも選挙区の得票率は調べてないが,比例区の得票数がほとんど減ってないのに自民が大敗したということは,やはり小選挙区である一人区の勝敗で決まったわけである.だから,得票数で言えば,都市部を除いて自民はそれほど減ってない可能性もある.比例区の投票行動ががらっと変わる時,その時こそが本当の変動の始まりとなるはずである. とはいえ,民主党責任重大といってもになんでもかんでも期待しては,後でがっかりするのでやめておいたほうがいい.それでもテロ特措法とか領収書添付額の問題とか,早くも与野党逆転した”効果”は現れ始めている.現実にはこういうことが,権力者・霞ヶ関にとっては結構な痛手となるはずだと思う. ところで,表を見ると,1議席あたりの票数で,今回もっとも効率の悪いのが新党日本である.実に177万票余で1議席しか獲得できていない.公明は最後の滑り込みで110万票余で1議席獲得しているので,あと50万票あればそれを上回って2議席に手が届いたのだ.当選人数が少ないとこうなる確率が高くなるのがドント式の特徴である. そこで,次なる興味は,共社日国9条が一緒になったらどうであったか,という点.これらは決して一つになれないことはわかっているが,仮定のシミュレーションだ.その結果は次表. ===07参院選 ミニ政党統一シミュレーション==== 得票数 議席 1議席あたり票数 民 主 2325万余 20 116.28万 自 民 1654万余 14 118.17万 公 明 776万余 6 129.万 民自公以外 1008万余 8 126.03万 =========== なんと,意外や意外,民自公以外のトータル議席数は今回,わずか1議席しか増えないのであった.その増えた分は幸運だった公明の最後の議席を奪うことになるが,それでもわずか1議席である.そうは言っても,7議席から8議席になったということは1/7=14.3%の増にはなる.これはやはり大きい!と見るべきなのか.つまり貴重なる1議席というわけ. これからすると,ミニ政党はやはり連合して統一会派で戦うべきであるのは確かだ(注1).共産,社民,9条,その他各種護憲派市民団体,(できれば新党日本も)一緒になってやって欲しい. 【注1】 数の論理:良い悪いの問題ではなく,現実の力となる.右から左までの自民党がまさにそれだし,民主党だって考えの異なる者が一緒になって,今回,現実に動かす力を得たわけだ.少なくとも,ジリ貧の護憲勢力にとってはこれ以外の道はないのだから万異を捨てて連合せよ.社共の得票数の推移を見よ.希望があるか.真の危機感があれば運動の再構築とともに,連合を図ろうとしなければならない.護憲勢力の位置に安住すれば食うのには困らない,とはまさか思っていまい. 【注2】 後で気づいたが,01年の民主と自由党が結婚して04年と07年を闘った.この時,01年の合計票数1300万余から,合同した後は2000万を軽く越えて来た点に注目しよう.これは1+1=2ではなく,1+1=3以上となる相乗効果ではないだろうか.現実には自民党よりも右の議員が含まれてはいるが,結果的に大きな力を得ようとしている.これは善悪の問題とは別次元の話だ.護憲勢力も連合すれば相乗効果が期待できる.1000万票を超えることができる,きっと.
by papillon9999
| 2007-08-05 18:42
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Comments(9)
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布引洋
at 2007-08-06 11:35
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護憲派ブロガーは選挙の度に一喜一憂するよりも今回の記事のよう、にもっと長いスタンスで判断するべきですね。
数字は面白い、1時間は楽しめました。 大敗した今回と、記憶の薄い前回選挙の自民党得票数が同数。 前々回小泉フィーバー時も前回も今回も共産党の得票数は同数。 多少の票差は有りますが統計学上の誤差の範囲内と解釈できる。 自民党は1600万票、共産党は440万票の其々一定でコアな支持基盤を持っている。 其れに引き比べもう一つ護憲政党、社民党は危機的で選挙の度に其々二割づつ支持票を失っている。 自民党1600万票の解釈ですが,投票総数の3割で決して多数派ではない。戦後長い間6割近い得票していた事実を考えると半減しています。 01年おきて破りというか、常識はずれというか、ペテンというか自民党総裁が自民党をぶち壊すと公約して大勝した小泉フィーバーだけが例外。 ペテンは長続きしない、続く二回の選挙では勝てなかった。 ペテンの郵政選挙結果は振り込み詐欺の被害者がリフォーム詐欺に引っかかったようなものでしょう。
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papillon9999 at 2007-08-06 11:50
楽しんでいただけたようで,大変光栄かつ嬉しく思います.恐らく布引さんも選挙速報の数字の変動に血が踊る方ではないでしょうか?それはともかく,ご指摘のように,1.自民党は1600万票、共産党は440万票の固定基盤,2.社民党の危機的状況,の二つの特徴があらわに見れますね.
ほんとに社民党は危機的.かといって民主党に吸収されたら大海のインクにしかならないと思います.共産党と市民団体を連合させる接着剤になるべきかな,と思っています.望みは辻元清美かな.
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papillon9999 at 2007-08-06 12:00
一つだけ,やはり銘記しておかねばならないことを書き漏らしています.小選挙区効果で民主が大勝したとすれば,これは小沢代表の作戦が見事に当たった,ということですね.これから言っておかねばならないことは,
1.とりあえず小沢一郎の作戦をほめること, 2.小選挙区効果の危険性を新たに認識すべきこと, 3.これに味を占めて,小沢代表が比例区をなくすような動きをしないよう,警戒すべきこと, などでしょうか.
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布引洋
at 2007-08-06 15:13
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小選挙区制のお陰で実力以上の大勝(大儲け)したのは小泉自民党が2回、小沢民主党が1回、土井社会党が1回それぞれ美味しい思いをしています。
博打などの賭け事(勝負事)で絶対に当てはまることですが分不相応の大儲けは本人の為になりません。 小選挙区制(参議院)で身の程知らずの良い思いをした社会党の土井は10年前、廃案になった小選挙区法案を議長裁定で復活させ、結果現在の社民党の地獄を造った。 小沢一郎が土井の轍を踏むかどうか興味深いところ。 民主党は対テロ法案賛成を公言する前原一派の動向一番危険か。? 期限が11月の時限立法の成り行きで、小沢民主党の此れからが予見できる。
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布引洋
at 2007-08-06 16:39
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護憲派にとっては今回の選挙結果の感想は華氏451度『めでたさも中くらいなり参院選』が一般的評価でしょう。
色々読み漁った結果感じたこと。 護憲派といえども客観的事実や客観的歴史認識から出発せず、自分の理想や主義、夢、願望から将来を予測してしまっている事実に気が付き愕然としています。 今回護憲派が負ける要素はありましたが、勝利する条件は全く在りませんでした。 今回護憲派の勝利を予想していたのであれば、現状認識に問題があったのか、判断力に問題があったのか、歴史感や主義主張に問題があったのか、いずれかに根本的問題点を抱えている証拠です。
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布引洋
at 2007-08-06 16:48
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選挙速報の数字の変動に血が踊たのは昔のことで、今では早々に寝て翌日にゆっくり点検しています。
こうあって欲しい、これでなければならないで将来を予想すれば当たり外れは当たり前。 しかし客観的事実から出発し正しい歴史認識、正しい世界観で自分の願望、希望を排除して判断すれば将来起こる結果は殆ど正確に予想できます。 トランプや賽の目は予想できませんが、政治は正確に歴史の上を流れるもので予想可能なのです。 自分の願望から出発する自民党支持者や右翼が将来を予測できなくても私たち護憲派はそうではない。 予測と現実に齟齬があるなら自分の中の何かに問題がある証拠。 自分の問題点を正確に把握できれば予知能力など無くても例えば社会党と自民党の大連立やその結果の社会党消滅。バブル経済の崩壊など日本の将来が正確に予測できます。
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papillon9999 at 2007-08-06 19:15
「現状認識に問題があったのか、判断力に問題があったのか、歴史感や主義主張に問題があったのか」
おっしゃることはよくわかります.日本の弱いサッカーが今にも世界優勝するかのごとき応援と似ていますね. 冷厳な眼で「客観的事実から出発し正しい歴史認識、正しい世界観で自分の願望、希望を排除して判断」しなければいつまでたっても正しい戦略は描けない,ということですね. 今回は,今後どうなろうともとにかく「安倍自公の国民を舐めきった政権運営」を大きく揺さぶった,というところに,ひとまずの評価を与えなければいけないと私も思いました. それにしても,共産党には440万票で体制内に安住してもらっては困りますね.社民党にはもはや展望はほとんど無いことも自覚して欲しい.
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布引洋
at 2007-08-07 14:57
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ドント式の問題点について。
単純比例代表なら今回の結果では公明は6議席になり一議席あたり129万票、共産は4議席で一議席あたり110万票。其の差は19万票でドント式の公明共産の不公平36万表差の半分位になる。 参議院のように全国一選挙区でもドント式で自公が一議席プラス野党側が一議席マイナスで上下二議席の議席差が出て来る。 衆議院のように比例区がブロック制だと最大8議席も与党側が特をする仕組み。 今のドント式でも2万票ほど共産が上積みしていれば最後の議席を共産党が取れたらしい。公明5議席減が実現していたのに残念至極。
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papillon9999 at 2007-08-07 16:23
いやあ,新党日本の177万票に目を奪われて,より微妙な点を見逃していました.確かに,共産党が最も議席に近い,と言えそうです.
計算してみました. 民主党が21議席になるためにはあと39,730票 自民党が15議席になるためにはあと95,284票 共産党が4議席になるためにはあと29,391票 社民党が3議席になるためにはあと693,280票 新党日本が2議席になるためにはあと447,967票 を超える票数が必要だった,という計算になります. しかし,不思議なことに,次点は民主,次は自民,次に共産,という順序で優先権があります.ゆえに,共産は定員50でも4議席にはなりません.このあたりを見ると,やはり,ドント式は少数政党には不利,というべきでしょうね. しかし,これを改善する合理的な方法,というのはどうすればいいのでしょうね.得票比と最も近い整数比で配分する,というのも,「最も近い」ということの実現の仕方で,いろんなバージョンがありそうです. ちょっと考えて見ましょうか. |