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グローバル化とは基準の一元化
2007年 07月 27日
この記事は愚樵さんのコメントに端を発した瓢箪から駒のテーマである.思えば20世紀もあと少しを残すのみ,という頃だったと思うが,私の職場でも「グローバル化」の風が沸き起こり始めた.その当初は私も意味がわからず,新自由主義なる悪魔の手先が忍び寄って来たものだとは夢にも想像できなかった.
中曽根民活からバブルの崩壊.社会主義諸国の相次ぐ崩壊,世界的不況,といった暗い世紀末世相の中でそれはやってきた.しかも誰も反対できないような普遍的価値を持った思想を装って,一般名詞として登場したのだ.だって,ある特殊な集団のみに通用する(ローカル)価値観よりは,広い集団に共通して通じる(グローバル)価値観の方がより普遍的だと誰しもが思うだろう.ところが,今でこそわかったが,「グローバル化」というのはそういう一般名詞の形を装いながら,実は新自由主義社会の建設に都合のよい思想に基づく特殊な意味を持たされた“固有”名詞だったのである. その特殊な意味とは,それこそ「単一基準へのスリ替え,強要」=「基準の一元化」に他ならなかった.この「基準の一元化」が日本中のあらゆる所で起こっている.まるで,ベートーベンとピカソを比べて序列化する(数値化)たぐいのハチャメチャな(恥ずべきというべきか)ことを通して,あらゆる職場,大学,役所,政治の現場,・・・に傲慢な思想=グローバリズムが入り込んだ.それはあっという間に国民をその価値観で洗脳し,ニポン全体を癌細胞のように蝕んだのだ. 実際,今では国民の大多数が精神的に疲弊してしまい,やる気を失ってしまった.症状的には,あらゆる組織で,真に優秀な人ではなく二流・三流の人が上になっていく,そういう現象が起きていないだろうか.皆さんの周りではどうだろうか.真に優秀な人は競争から降り,責任を取れない,取る意志も能力も無い人がトップか準トップにはびこっているのではないだろうか.ちょうど戦前のわが軍隊がそうだったように. ところで議論の出発点であった「格差」とは,新自由主義社会で必要不可欠な「差別」である.格差の存在が社会システムの前提としてあるのだ.ゆえに,この意味の格差は非常に政治的・人工的な意味で存在している.これは単純に社会悪であるといえる.しかし,新自由主義とはまったく関係ない話として,「そもそも,自然界または社会には”格差”なるものが存在していないだろうか」という問いは重要ではないだろうか.というのは,しばしば政治的・人工的な格差との混同があるように感じるからだ.この問いをしっかり吟味することが必要だと思う.平等・不平等とは何か,を考える際に,このことが重要になって来そうな気がするのである. つくづく米国というのは“すごい”国だと思う.良いも悪いも離れて,ただ“すごい“.だって,あの頃すでに,IT革命の最中で,それを基に世界戦略を描き,わが国には「年次改革要望書」を突きつけ,着々と世界を新自由主義化しようと企んでいたのだから.私などはそんな時代の変化に疎く,「なんか変な方に向かっているなぁ・・」と漠然と思っていただけだった.しかも,当時は「外圧」といっていたが,大蔵省と銀行や保険業界の癒着を切り崩す効果を私は歓迎していた(その思いは今でも不変かな).しかし,そういう思想がこんな時代に導くなんて,想像もできなかった. グローバル化は資本主義の終わりの始まり,だと思われてならない.自己増殖を続けない限り倒れてしまう自転車的経済活動は,先進国だけでは経済システムが成り立たず,世界の未開国へも触手を伸ばし始めた.そうせざるを得ないのだ.しかし,地球には限りがある.環境的キャパシティ,有限な資源量,物理的な広さと人口数.だから,壊しては作る,を繰り返して延命を図るしかないのだ.戦争は従ってなくならない.それどころか,むしろ必要性が増していく宿命にある.人類の叡智で戦争はなくなる方向かと思ったらそうではなかった!悪化スパイラルだ. こうやって延命を企てても,地球の限りと共に資本主義の崩壊が来る.いくら延命を企てても時間の問題に過ぎない.ならば人類は再び共産主義社会を夢見るようになるのだろうか.そうかもしれない.しかし,私は共産主義社会にも悲観的だ.人類のレベルがこの程度だったら,新たな共産主義社会でも必ず新たな特権階級が生まれるだけだろう.そうそう,このことはずっと昔,全共闘の闘士と熱い議論を戦わせたテーマだった.彼は共産主義社会に期待をかけ,階級闘争が終焉すると主張した.私はそれを新たな特権階級の出現にすぎないと言い張った.この私の思いはますます強くなっている.
by papillon9999
| 2007-07-27 18:46
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Comments(5)
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国際基準や地球規格や世界世論などなど、本当に全世界的で国際的で地球全体の話だと思わせていますが、其の生身たるや実質アメリカ一国又は其の衛星国。
日本でグローバル化とは単にアメリカ化のこと。 湾岸戦争時、金を出しても人を出さなかったと言ったのもアメリカ一国。 マスコミでは国際社会や世界の世論が日本を評価していないと偽装、善良な年寄りを騙す振り込め詐欺やリホーム詐欺、統一協会の霊感商法並の悪質さ。 近年すべての日本の報道機関が悪徳商法や詐欺的カルトに乗っ取られたのか?と疑う程のひどさ。 其れでもアメリカが普通の国ならグローバル化=アメリカ化でも被害は少ない。しかしそうではない。 アメリカが先進国中唯一の政教一致の神聖国家である事実にほとんどの人は気が付いていない。 世界最大の軍事力と経済力と情報と宣伝、文化の発信力を持った超大国が宗教国家である恐ろしい事実に気が付けば、アメリカの不思議のほとんどが理解できる。
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”自分たちが子羊たちを導いている”,この選民意識は自分たちが特権的地位を占めることを正当化させます.しかも,”それは神の御心に沿った正しいことだ”,と自らの宗教を基に心の底から信じているのです.なんとも恐ろしいことです.
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布引さんはアメリカを神聖国家と呼びましたが、私が最近読んだ『歴史とは何か』(岡田英弘著)によると、アメリカとは憲法だけで作られた人工国家なんだそうです。かといって、布引さんの指摘が間違えているというわけではない。むしろ両方正しくて、人工国家が神聖国家。この姿は、貨幣なる人工的な概念が世界を支配する「神」となるというアメリカ化ローカルと重なってしまいます。
これと対極にあるのが多様な自然の姿です。自然界においては格差は存在するというのは厳然たる事実ですが、いわゆるサヨクは、この事実に対して「人間は平等」というフィクションを持ち出して(これもキリスト教から派生した人工概念ですが)、対抗しようとします。確かにこの概念は民主主意の基本理念であるわけですが、所詮は人工概念です。新自由主義とサヨクの議論は人工概念同士の戦いで、最終決着はつかないのではないかと私は感じています。 行くべき道は、自然界にそもそもある格差を人工的なフィクションでなく、解消していく方法を模索することではないかと思います。問題はそんなことが可能か、ということですが...。 ![]()
差異と言ってもいいのですが,見方を変えて,明らかに生存に有利不利,というものとして差異が存在するとすれば,それは「格差」と言うこともできます.それが自然界のものなのか,社会的・人工的なものなのかで大きく意味が異なってきます.そのあたりを混同しないように考えてみたい,と思った次第です.
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