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個人の武装と国の武装
2006年 01月 16日
「外国が攻めてきたらどうする!」という反論不能な詰問.「だから憲法を改正してそれに備えなければ日本は危険ではないか!」という俗情に訴える理屈に今負けそうになっている.ほんとにこの詰問を粉砕しなければ憲法九条は短い生涯を終えることとなろう.みんなで粉砕のための理論を持ち寄り,九条の砦をより堅固に築き上げようではないか.前回の提案はささやかながらその一つのつもりなのである.ここではさらに第2弾を放とうと思う.
そう,「あなたの家に凶悪殺人犯が襲ってきたらどうする?」と静かに反問しよう.詰問者はどう答えるだろうか.きっと答えようがあるまい.口をもごもごさせながら,「110番・・・」,「裏口から逃げる・・・」,「セコムのセキュリティを完備する・・・」などが関の山だろう.決して「応戦できるよう,機関銃を用意しておく」とは答えないだろう.しかし,よく考えると,襲ってくる殺人犯に対抗するための個人の自衛権,すなわち武装権を主張してもいいはずだ. 武装権はなぜ認められないのか.一つは,市民が武装蜂起して権力者に反乱を起こす,ということのないようにするためだろう.これは刀狩,つまり暴力装置の権力者による独占を意味する.もう一つは,一般市民が機関銃を持つと却って危ない,と判断されるからだろう.確かに,米国では銃の乱射事件が時々起きる.また,殺人犯に対してではなく,単なる個人的対立を銃で解決しようとして死傷事件が起きることは,きっとニュースにもならないくらい日常茶飯事のはずだ.日本でも市民が自己防衛のために,といって武装していたら,今よりはるかに悲惨な事件が多発していることだろう.自衛装置が自己防衛だけに使われる,ということは決してあり得ないことをみんなわかっているのだ. そんなわけで,私の家に凶悪殺人犯が襲ってきたらどうする,と言われても,そんなことになったらどうしようがある?どうしようもないではないか.そういうのはトリビアルな(意味をなさない)質問なのだ.そういう状況にならないように,国がいい政治を行い,警察が本来の機能をきちんと果すこと,それ以外にはないではないか.同様に,いきなり「外国が攻めてきたらどうする!」と言われても答えようがないのは明らかだ.そういう状況にならないよう,最大限の平和外交を尽くすこと以外にない.それが政治家の仕事だ. 国と個人は違う? もちろん,個人レベルと国レベルでアナロジーが自明に成立しているわけではないだろう.しかし,上で述べた,個人が武装すると却って危険だ,という命題は国レベルでもまったく同じく成立する.我が国の遠くない過去にその実例がある. 例えば北朝鮮のような国があって脅威だとする.その脅威のためにやむなく軍隊を持ったとしよう.しかし,その後,北朝鮮が消滅したら,軍隊を解散するのか?いや,きっと解散しない.きっと,また北朝鮮のような国が出てきた時のために,という理屈で,安心できるまで軍備を増強するだろう.ところが安心はどこまでやってもきりがない.どこまでやればいいのだ?答えてみよ. 「外国が攻めてきたらどうする!」と言った時の外国とは恐らく特定の国を指してはいまい.ところが,一般的な話とすれば軍備増強に終わりはなくなる.従って,「外国が攻めてきたらどうする!」という詰問は,「外国は攻めてこなくても怖いぞ!」と言うのと同義なのだ.なんと情けない態度だろう!我々は「国際社会における名誉ある地位」を得ようではないか.武力ではなく叡智で以って. 以上が私の拙い第2弾である.勉強してないのでほとんど自己流の議論に過ぎない.頼りない部分が多かろうが,指摘して戴いて,より堅固な砦にして行ければと願う. ところで,ここでの主張に沿えば,市民生活を安全にするのに警察力は必要だった.すると,国レベルにおいても,国際社会を安全にするための国際的な警察力に相当するものが必要ということになる.これについてどう考えるか,この警察力はどのようなものであるべきか,が次の重要な課題であり,この課題にも我々は答える必要がある.次回はこのことについて提案したい.できればみんなも一緒に考えよう.あるいは誰か素晴らしい解答を与えているのかもしれないが,もしあればご教示をお願いします.
by papillon9999
| 2006-01-16 00:32
| 済み
|
Comments(6)
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以前私も「攻められたらどうする」論に、右往左往しつつ反論を考えたことがありますので、ちょっとTB送らせていただきました。「武装」についてご一緒に考えていければハッピーです。
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TBがうまくいきませんが,urlに書いたのがそれです.その記事からも参照していますが,「攻める」と「攻められる」の対称性についての議論もごらんいただければありがたいです.
http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Education/invasion.htm これは,ダイレクトな答えではないですが,「攻められたら」という問いかけそのものを問うています.
TBありがとうございました.記事,拝見しました.「攻める」側に廻る危険性を私も本ブログで考察しています.その「同胞と異邦人」もご覧いただければ幸いです,
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こちらにお邪魔します。
「外国が攻めてきたらどうする!」という問いにはやはり「万全の体制を整える」という答えしかありますまい。国家にはやはり「力」が必要不可欠です。外に向けての軍事力、内に向けての警察力。どちらもやはり万全であることが望ましい。ただ問題はその「力」には暴走する傾向があることです。 「力」が暴走するかといってそれを否定すると国家は成り立ちません。国家を解体せよ、と言うのなら話は別ですが、悪であれ国家は必要なものでしょう、少なくとも現時点では。 暴走する力には歯止めが必要です。軍事力であれ、警察力であれ。警察力の場合は国内法で歯止めはかかります。警察は人権を尊重しなければなりません。けれど軍事力の対象となる敵国には、罪のない市民といえども人権を認めません。ここがおかしい。敵国の市民といえど、人は人。どんな大義名分があろうとも、人を殺せば殺人。だから国内法と同じ刑法で裁かれる。一般刑法を軍にも適用すれば、歯止めはかかるのではないか? そんなことをすれば軍は機能しないという意見もありそうですが、指導者はそこを「愛国心」 で乗り越えるべき、でしょう。
愚樵さんへ コメントありがとうございます.私はやや異なる意見を持っています.ちょっと時間が取れませんのでしばらくのご猶予をお願いしますね.
愚樵さんへ <「力」が暴走するかといってそれを否定すると国家は成り立ちません>
日本国憲法では,「力の暴走」をいかに防ぐのか,ということに最大の重点,狙いを置いていると思います.しかも恐れているのは自国の「力」なのです.つまり,日本国憲法はそういう国家を想定しています. 「外国が攻めてきたらどうする!」という問い自体をなくすための理念に基づいたもの,といってもいいでしょう. 私の考えでは「国際的警察力」が必要ということになります.しかし,それは米国であってはならないと思います. あの北朝鮮のミサイル実験を基に,「外国が攻めてきたらどうする」という問を設定するとは,愚樵さんとも思えません. |