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藤原氏のインタビュー記事より 後編
2006年 09月 08日
前編を書いている途中で次のような文が浮かんできて,末尾に忘れないように書いた.実はこの文が出てきたので私の藤原氏の戦術への違和感(何かずるい所がありそう)がはっきりと形を取ることができたと思う.(怪しげな奴の正体がつかめた,といっても良い).従って,この記事の役割はそれで十分果たしたと考える.後はその状況証拠を固めるに過ぎない.
『賛同の惰性(慣性)で,読者は(自分の)感性が(藤原氏と)似ていると錯覚するだろう.そうすると後で(藤原氏が)本音を漏らす時に,(彼は自分の)その意見に読者の賛同を勝ち取りやすくなるではないか.』 ==================== 【質問】 次の首相はまず何をなすべきですか,路線を変えるにしてもどう「国柄」を回復しますか. 【藤原氏】 小泉さんの路線を継承しないこと.まず特効薬はない.正しい方向に教育を変えること.時間はかかるが教育改革という正攻法しかない. 具体的には・・・初等教育における国語に尽きる.英語やパソコンでなく国語.徹底的に漢字を教え,自ら本に手を伸ばす子どもを育てる.先生や親が家族愛,郷土愛,祖国愛,それに惻隠やもののあわれが大切などと言っても何の効き目もない.小中学校のうちに物語や詩歌を読み,感動の涙とともに自ら吸収することです. 【感想】 うーん,これも面と向っては反論しにくいことばかりである.小泉路線を継承しない,特効薬はない,正しい方向に教育を変える,時間はかかるが教育改革という正攻法しかない,いちいち,ご尤も,と言いたい.ところだが,ここで違和感がむくむくと湧いてくる. 「国柄」を変えるのに,何で子どもの教育か!今「国柄」を悪くしているいのは大人,政治家ども,エコノミックアニマルどもではないのか?そりゃ,将来の「国柄」を背負う子どもたちの教育は大事なことは言わずとも明らかだ.しかし,今の国柄を変えるのが先決ではないのか.ひょっとしたらそれだけで子どもは自然とよくなるかもしれないではないか.今,国柄を元に戻す施策への提言は何もないのか.時間がかかる教育はそれはそれで大事なことはいわずと知れたこと.だが.今の状態にしたのは今の大人の責任だ. やるべきことは,儲けた所からはちゃんと税金を取り,政治家と金の癒着を断ち切り,不正な経済活動ができないように法を整備し,・・・・,等々,今やるべきことはいっぱいあるではないか! かれはこのように『教育』に持っていこうとする.その底意は何か.それは『戦後教育の否定』,『戦前の教育,教育勅語による教育への回帰』に話を持って行きたいのだ.それは後になって明らかになる.(何度目かな) しかし.国柄を破壊状態に導いた人間にしたのは『戦後教育』の責任ではない.『戦後教育』を否定したい人たちがやったことではないか.冗談ではない. さらに,なぜ漢字教育か,というのも説得力がない.そりゃ,本を読むのに漢字が判らなければ読めないので,それに必要なことはわかる.しかし.『徹底的に漢字を教える』というのな何だろう.きっと,彼は何かを目論んでいるはずだ.例えば『儒教』を読ませるのに必要だからなのではないか.漢字教育は別に否定しないが.動機が不純だ.漢字教育を否定しない人をここで引き付けておいて,『儒教の教育』に持っていきたいはずだ.きっと. ========================= 【質問】 情緒を育むのに基礎教育が最重要と言うことですね. 【藤原氏】 不幸な人への涙,貧困に対する同情心,正義感,勇気.活字文化を復興させないとそのような情緒は育まれない. 【感想】 うーん,ここには全く文句のつけようがない.こういう当たり前の部分にみんな感動するのだろう.ただし,この人のいう『情操』って何だ?そう,『儒教的情操』なのだよ.きっと. ========================= 【質問】 相当な時間がかかりますね. 【藤原氏】 何十年もかかる.戦後の教育は教育勅語への反動から,個の尊厳や個性尊重ばかりがうたわれ,子どもにおもねる状態を作ってしまった.それを改めないとどんな改革も失敗する.重要なのはバランスです. 【感想】 そろそろ本音が垣間見えてくる部分である.今,国柄を壊した責任は今の大人であって,それを子どもの責任に転嫁していること,壊してしまった人間は戦後教育を否定したい人たちであること.は上に述べたとおりである.最後に現れる『バランス』とは何だろうか.これは,『戦前的教育』もバランスよく取り入れるべきだ,ということなんだろう. ========================= 【質問】 (総裁選における)教育をめぐる議論はどうでしょう. 【藤原氏】 ・・前略・・ 土曜日の授業を復活し子どもに厳しい教育を与えるとか,大学でも一見役に立たない学問も大切にすると言うことが必要です. 【感想】 これも反論の余地はないようであるが,もちろん,『厳しい教育とは何か』が具体的に示されない限り賛成するわけにはいかないだろう.それから.大学での『一見役に立たない学問も大切にする』というのは,諸手を挙げて賛成したいのだが,待て待て,『一見役に立たない学問』とは何を想定しているのか,を具体的に聴いてからにした方が賢明のようですぞ,ご同輩. 以上で記事は終わっている.このように,一語一語だけ見ていくと全然違和感のないことを言ってるにも拘らず,この人への無条件の賛同は注意が必要なようだ!心せよ心ある人々よ!
by papillon9999
| 2006-09-08 23:35
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Comments(17)
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こんにちは。TBありがとうございました。
私は本屋で藤原氏の本をパラパラとめくって、なんだ旧来右翼による小泉批判か、評価できるのは新自由主義批判の部分だけだな、と思ってそれ以上読まなかったんですが、朝日新聞の社説で肯定的に引用されたこともあったりして、最近の朝日は何やってるんだ、と腹が立ちました。 もちろん、こんな人に無条件で賛同しちゃいけない、というご主張には、全面的に賛成します。
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こんばんは。どうも、ご無沙汰しておりました。
藤原氏、相変わらず人気のようですねぇ。私が本屋に行くのは月に一度程度なのですが、幾たびいまだ「国家の品格」が大量に並べられているのをみて、その度、驚いています。まあ、私も「国家の品格」は読んだのですけれど。 藤原氏の主張は、papillon99のご指摘のとおり、パーツ一つ一つを見ていくと賛同できるところが多いのですけれど、そのパーツを組み上げた全体像となると、? です。 氏は「論理で全てを解決できない、問題は出発点だと」言っていて、これにはなるほどと思いますが、最大の問題点は藤原氏自身の出発点にあるようです。 この方、やたらとかつての日本は素晴らしいと強調し、「国家の品格」でも外国人の証言を様々に引用していましたが、外国人たちが賞賛の対象としたのは儒教精神を学んでいた武士ではなく、そんな精神とは無縁だった一般庶民なんですね。藤原氏はエリート主義者のようですが、その主張の根拠であるかつての日本の評価が庶民のものであるとは、大したエリート主義者です。 それにそもそも「武士道」なんてのは明治になってからキリスト教精神をも参考にして作り上げられたものです。
kojitaken さん こちらにもコメント,ありがとうございました.朝日もひどいですね.新聞もですがテレビの方も.腹が立ちますね.
うわあ愚樵さん,お久しぶりです.お帰りなさい,でいいでしょうか.私も(意に反して)長い夏休みになってしまって,復帰からまだ日が浅いのですよ.
>「論理で全てを解決できない、問題は出発点だ」 という点は華氏さんとのコメントにも出てきました.「出発点」は「感覚」のような言葉でしたが.なぜそういう「出発点」に立つのか,というのが「感覚」のようなもので決まる,と考えていいのでしょうか. >「そもそも「武士道」なんてのは明治になってからキリスト教精神をも参考にして作り上げられたものです」 について,そうですか.やはりそんなもんだとは予想していましたけど.すさまじいエリート主義者ですが,そのエリート意識の拠り所が庶民のものとはね. ![]()
この人達はかならず最後に教育、其れも高等教育ではなく善悪の区別がまだ自分では出来にくい子供達対象の初等教育を問題にする特徴があるようです。
右翼が教育論を論じるのは日本だけの特殊事情で世界的には極めて珍しい。 この辺を考えていくと日本の右翼運動の全貌が明かに為るのではないでしょうか。? 藤原氏は数学者、西尾幹二はドイツ文学、彼らが専門外の歴史や教育を、さも専門家顔で論じるのを解明する必要があります。
布引さん ほんとにこの種の人たちは専門外のくせに必ず初等教育を論じますね.
>右翼が教育論を論じるのは日本だけの特殊事情で世界的には極めて珍しい。 なるほどね.戦前の教育勅語教育がよほど素敵だったのでしょうね.結局,彼らは小難しそうに教育論を論じている顔をして,実は『教育勅語に回帰せよ』と言ってるだけですよね. ![]()
右翼靖国文化人が何時でも言う『教育』が日本を悪くしたという説には賛成なんです。
ただし初等教育ではなくて高等教育。 今に日本のエリート官僚達の腐敗、堕落の酷さは凄まじい。 裏金作りに励む、官製談合を仕切る、天下りポスト作りに勤しむ、業界とのパイプ作り、国民を蔑ろにして政財官の利益を優先する高級官僚たち 日銀総裁や社会保険庁長官たちの責任感の無さ。 政権与党政治家の言葉の軽さ。知性の無さ。最高責任者の責任感の無さ。 目を被うばかりの酷さ。やはり高等教育に問題が有りそうです。
初等教育は,エリート官僚たちの言うままになる,従順とか純粋とかお上に逆らうとはとんでもない,と思うような国民に育てる目的なんでしょう.
一方,高等教育の目的は,国体をいかに護持していくか,自分の組織をいかに守り太らせていくか,いうことを心髄に叩き込むのではないでしょうか.日本のエリート官僚教育はこれに尽きると思うのです.だから,『日本の官僚は優秀だ』とよく言われますが,こういう教育に耐えられる精神の持ち主にしか勤まらないのではないでしょうか.その,優秀さとは何か,について記事を書きかけていたのですが,果たせませんでした. ところで,新たにきたTBの 『藤原正彦 from 気になる言葉』って一体なんでしょう?
もう少し直截的に言えば,エリート官僚たちの仕事は,『如何に国民を騙すか』というテクニカルな仕事が主眼であるのは明白です.どのようにして税金を自由に使えるシステムを作るか,などです.ですから,高等教育は,国民を騙す訓練やその知識・手段を得る場所と同時に,そういう性格(国民を騙せる)を持った人を選別する場所になっていると言えるのではないでしょうか.
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藤原正彦の本は立ち読みで済ましていますが、定価で買うべき本ではないでしょうね。105円以上の値打ちは有りませんから。
実は彼の父親の新田次郎の著作は大量に読んでいます。今でも探せば家の中に十冊ぐらいは見つかるでしょうか、読み易いんですよ。得に出だしが面白い、最初の方を立ち読みしてつい買ってしまう。 ただし講読感は不愉快です。エリート意識が鼻につくのと平均的人間に対する悪意が感じられる。特別に優れた力有る者と醜く卑劣な何の魅力も無い弱者との対比。美しい強者と醜い弱者。 この人達を見ていると思想や人生観も遺伝するのかと思ってしまいそうです。 ![]()
私も藤原正彦が新田次郎の息子だというのは気になっていました。
私は山が好きでしたから、新田次郎の山岳小説はさんざん読んだクチです。思い入れもあります。だから「購読感は不愉快」なんて、批評を見ると悲しい。 思い入れのあるものを自分の意に沿わぬ方向へ批判されたときの、このもやもやとした感じ、これがネトウヨなんかのわけのワカラン激発の発信源ではないでしょうか? >特別に優れた力有る者と醜く卑劣な何の魅力も無い弱者との対比。美しい強者と醜い弱者。 そう言われれば、そうかも。私なんかは主人公に感情移入して読んでいましたから、そんなことは気がつきませんでしたが、言われてみるとそうかも。 けれど、これも今でこそそうかも、と思えるけれど、もう少し若かったらどうたったか? 受け入れられたかどうか、ちょっと自信はありません。 翻って思うに、やはり若い頃に刷り込まれたものは、その人には重大な意味を持ちますよね。だから初等教育は重要。初等教育はそのまま情操教育という側面もありますしね。
布引さん,愚樵さん コメントありがとうございます.新田次郎は昔,学生時代に読んだ事があります(多分1冊).記憶は残っていません.その後に読んだ森村誠一や松本清張の『山岳「推理」小説』に蹂躙されてしまったからでしょう.(ただ,「新田次郎」に悪い記憶も残っていません.
「美しい強者と醜い弱者」という描き方になっているか,興味ありますね.読んでみようかな. 『初等教育』や『情操教育』の問題点は,原因を考える力を培おうとしていない点ではないかと思います.悲惨な戦争被害に対する涙だけでは,「憲法を変えてはいけない」になかなかなりません.クラシックで情操を非常に高めても『反戦主義者』になるわけではありませんね.この辺にもなんか面白いテーマがありそうに思うのです.以前の『クラシック音楽は情操を育むか』という記事ではこういうことも言いたかったのです.『情操を高める』といった時,それそのものは善なのか中立なのか?
気になる言葉さんは,藤原正彦氏の経歴と業績を教えて下さったのでしょうか.そうであればお礼を申し上げます.一応,私も大体の所は知っていました.感想は特にありません.
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松本清張の小説は動機を最優先していましたね。
森村誠一も可也読みましたが動機がもう一つで、あんな動機で殺されるのなら命が幾等有っても持ちません。 『主人公に感情移入』出来るかどうかで感想が大きく違ってくるでしょう、踏みつけられる脇役に感情移入すると不愉快そのものです。 映画の卒業のラストシーンが良いと言う友人がいますが、格好良い主人公ではなく教会から自分の花嫁をさらわれる間抜けな男の方に私は感情移入してしまうんですよ。 勝ち組負け組みと同じで、殆んどの人はその他大勢の負け組、みんなを出し抜いて勝ち抜くことの出来る人は少数です。 多くの普通の人々は誰かを踏みつけてまで勝ちたくないですから。 ネットウヨは自分は勝ち組だ負け組みではないと考えているようですよ。
「卒業」ですか.私は当時S&Gのファンで,「サウンド オブ サイレンス」に夢中になりましたが(この曲はこの映画で有名になったけど,それ以前からあって,ヒットチャートに乗っていました),
映画自体にも夢中になりましたが,考えてみればひどい話ですよね.願望が成就した勝者が喜ぶばかりで,敗者への想いがぽっかりと脱落している.ハリウッド映画の本質なんでしょうか. ![]()
papillon9999さん、布引さん、こんにちは。
「卒業」のダスティン・ホフマンには感情移入してないから、こちらは素直に理解できます(笑)。 まあしかし、「卒業」のケースは一人しかいない女性の奪い合いですから、勝者は一人だけで残りはマヌケな敗者となってしまうのは致し方ないところです。これは自然のルールですよね。 自然の法則に則った勝敗は避けえぬものですが、巷でいう「勝ち組」「負け組」は避けることができるはずです。「勝ち組」なんて、もうすでにたくさん持っているのに、それでもまだ「負け組」から奪い取ろうとします。不愉快です。 ただ、自らの足元を省みると、私たちはすでに「日本人」というだけで他の貧しい国々から奪い取っている存在なのですけれど。
おはようございます.なるほど,女性に関しては「椅子取りゲーム」ですね!誰かを踏みつけて勝ちたいかどうか,「女性の価値」で決まるのでしょうか,それともそこにも自分の性格が反映???真に残念なことに私は競い合ったことがありません.そういうシーンが私の人生劇場の中で現れなかったのです.今の妻は・・・ああ,これ以上言うのはやめておきましょう.
社会の仕組みを椅子取りゲームにしてしまったのは新自由主義,特に小泉・竹中連合ですね.バランスというものがあるでしょうに・・・こいつらはほんとに許せないかな. 「日本人というだけで他の貧しい国を収奪している」!なるほど,これは考えたことありませんでした.貴重な視点を教えて戴きありがとうございました. |