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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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神輿に載った晋三さんのソフトクーデター(2:安倍一派のトンデモな目的)
 本記事は副題を「保守とカルトの峻別」にしようと思った。同じタイトルの記事をはるか昔書いた覚えがあって,それとの比較をしながら考察を進めたかったからである。探してみたら,確かにあった。保守とカルトの峻別 2007年 08月 23日がそれである。



 懐かしく読み返してみたが,大筋では議論の修正は必要ではないものの,やはり今の安倍一派のトンデモ性は,そこでの議論の範囲をさらに超えていることに気が付いた。その違いをひと言で表現すれば,トンデモ性の方向が違っている,であろうか。
 以前は,召使の役目を引受ける貧乏人を必要とする世の中,召使の仕事ができなければ存在さえできない世の中,そういう社会を目指す新自由主義という思想そのものが持つトンデモ性,そこに向って突き進むトンデモ性,という感じであった。しからば,安倍一派のトンデモ性とは・・・

 本記事ではそのことについて考察するのである。その考察によれば標記の副題がふさわしかった。
 さて,そのトンデモ性,トンデモな目的とは・・・? それは,ニポンを万邦無比の国家に再生することである。

 万邦無比の国家とは何か?これについても以前,シリーズ記事を書いているのでそこを読んでもらいたいが,言い換えた方が理解が早いだろう。それは『神国・日本』の再来・再誕生のことにほかならない。
 そのシリーズは(1)~(7)に及ぶが,ここでは(1)と(7)についてリンクしておく。
 ・万邦無比の国家(1)予告編 2010年 11月 30日
 ・万邦無比の国家(7)神話の歴史化 2011年 01月 03日

 神国・日本を再生させると言ってもそれは容易ではない。安倍一派のいい加減な非論理的思考では手に負えるはずの無いものであるが,安倍一派による神国・日本の特徴を2つ挙げる。

① 天皇の位置づけ,役割等に関する考え方が,他の右翼思想を持つ集団(これをまともな右翼と呼ぶことにする)と大きく異なること。
 これが,『保守とカルトの峻別』が極めて重要な理由である。安倍一派による神国再生思想は,二次政権下で初めてカルトだと気が付いた。これに対する従来の『まともな右翼』は,これまた二次政権下で,決してカルトではないことが,これまた初めて判明した。【注1】
 安倍一派が保守ではなくカルトであることの特徴は,天皇との関係において露わになっている。天皇さえ,この仮想神国のイメージにそぐわなければ,黙殺,抹殺(思想的に,場合によっては肉体的にも)の類で遇される憂き目に遭うのである。ところが,その仮想神国の根拠が実にいい加減で,理屈もくそもあったものではない,という代物である。もし時代が許せば,そのような天皇(例えば平成天皇のように,象徴天皇が国民の総意に基づくという,自分が拠って立つ基盤,そしてその基盤を作り上げている現憲法そのものの有りがたさ,を真底理解しているような天皇)は,失脚,強制排除なども厭わないだろう。
 少なくとも,「まともな右翼」というものは,その論理性に至上価値を置く。普遍性への努力と言って良いだろうか。【注1】のような「まともな右翼」からすれば,安倍カルト集団は実にいい加減な論理を弄んで,このニポンと言う国を思想的に私物化しようとしているように見えるかもしれない。(実はパピヨンは右翼思想や論理に詳しいわけではなく,単に大胆な推理に過ぎないことを告白しておきます\(^o^)/。あまりにも都合の良い整理かもしれんとは懼れております,ハイ。)

② 米国を筆頭とする欧米諸国の市民的価値観との不整合
 安倍一派が直面する最大の難問が,カルト思想と欧米民主主義思想との整合である。実に理解不能な情景,

 『神国日本を奉ずるくせに,そういう輩は,なぜアメリカのぽち公なのか』

の謎を解く手がかりもここにある。それは一種の擬態,仮の姿,だろうと思う。何と言っても,今のアメリカ様にはかないっこない,それよりも取り敢えず今は,中国や韓国などに大きな口を利ける状態が欲しいのである。
 現在,すでに世界有数の軍事力を有しているが,何と言っても中国には負けている(いつの間にか追い抜かれた)。何より,核兵器が無いし,当面持てない。まずは軍事的な独立をぜがひとも果たしたい。それは,必ずしも,米国様にいつの日か見返してやろうと思ってのことではない。しかし,軍事的独立を果たした後の為政者が,安倍並のトンデモ人間となれば,飼い主の米国様に噛みつくその日が来ないとは言えない。米国の対日戦略は一貫してその警戒を怠らないのである。
 それは核兵器についても言える。いつの日かの核兵器のために,ニポンは原発を捨てられないのだが,しかし,核兵器転用に一番警戒しているのが米国であることは有名な事実である。
<br> もしこのまま,安倍一派の目論見通りに行けば,欧米との関係は恐らく内づらと外づらの使い分けとなるだろう。すでに,国連から共謀罪に関して寄せられた懸念への対応に,その片鱗が見えている。国連とは喧嘩しながらも,米国の機嫌を損ねないやり方だ。裏に廻って,こっそりと釈明に走り回っているに違いない。
 国内では,懸念が寄せられた事実は無いという大本営発表で済ませ,それに対する疑問を秘密保護法や共謀罪で完全に抑え込む,そのようなツールがほとんど揃ってしまうのももうすぐである。

【注1】従来の『まともな右翼』とは何だろうか?それは安倍一派と闘っている右翼の人たちである。リベラルは右翼と十把ひとからげにして認識していたが,実はそうではなかった!右翼にもまともな一群の人たちがいたのだ。すなわち,論理を大事にする一群の人たち,それは小林よしのりさん(さん付けしないではおられん(^o^)),小林節さん,西尾幹夫さん,鈴木邦夫さん,・・・,それに,なんとあの,週刊新潮文春もそうだったのだ!初めて知った。読売という名のごみ新聞と,新潮・文春は違っていたのだ。新鮮な驚きだった。新潮や文春さえ,安倍カルトと戦っていたのだ。
 これはこういうことだ。安倍カルトの攻撃に対し,対抗する武器を持たないリベラル側は防御ラインをじりじりと後退させざるを得なくなった。その下がった防御ラインの付近では,なんと今挙げたまともな右翼たちも安倍カルトと戦っていたのである。新潮・文春でさえも。生半可な民主主義的新聞,週刊誌が情けない沈黙を通す中,この反撃力は実にすごい。こうなったら,今は同志!し,天皇主権を論理的に作り上げようとするその努力は並大抵のものではない。ちっとやそっとの反論で崩れるような論理構造ではないのである。

by papillon9999 | 2017-05-30 11:02 | Comments(0)