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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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安倍首相の談話とやら
 全世界から注目された安倍首相の70年談話。いろいろな分析が為されるだろうが,ここではメモ程度にまとめておく。



 全体的評価でいえば,巧妙にキーワードがはめこまれた,平板な当事者意識の希薄な大苦心作である。いずれの立場の者にも肩透かしを食わせたことだろう。一言でいえば,安倍首相は官僚作文で巧妙に逃げたのである。
 もとより華麗な喩えを使って,深い人類愛に根差した哲学を語れる人物ではない。やれることは直接のクリティカルな言質を与えないよう多言を弄してけむに巻く文章の作成だ。その結果は・・・官僚的には大・名作,国民的には非常なる悪文となった。
 まあ,どうでも良い。気が付いた中で重大と思う3点ほど指摘しておく。

1.「新しい国際秩序」への「挑戦者」
無謀な戦争に突入していった件り,話の順序を逆転させている。かつてこのブログに巣食った或るネトウヨも恐る恐る主張していたことであるが,安倍談話には大日本帝国の世界をなめきった異常行動について,こわごわと次のようなストーリーが示唆されている。
 すなわち,大日本帝国の行動原理はそれまでに連合国が行ってきたことを遅れてやったのに過ぎない,そして彼らによって資源を断たれ,その打開のために軍事行動はやむを得なかったのだ,という『果敢な挑戦者物語』である。ただ,臆病者・安倍首相はほんのさわりしか言えなかったので,何を言いたいのかさっぱり伝わらなかったことだろう。安倍信奉の狂信者たちも不完全燃焼でもやもやとしたのではないだろうか。
 ところで話の順序は逆だ。ここを間違ってはいけない。連合国並みの帝国主義に憧れて侵略を続けていた所,それをやめさせるために連合国側によって制裁を科された,というのがこの手の話の正しい順序である。
 連合国の帝国主義は良くて大日本帝国の帝国主義は何でダメなのか!なんて情けないことを言うな!当然どちらもダメだ。その理屈で大日本帝国の植民地主義と侵略戦争が正当化される大義は無い。ここでの立場はただ一つ,大日本帝国のそれを深く謝罪し,普遍的人類平和主義者になった後で,初めて連合国側の帝国主義をも批判する資格を得ることができる。

2.謝罪を続ける宿命
安倍談話の次の部分,
『あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません』
パピヨンはこの部分が最も危険なトゲを隠している個所と思う。この個所だけは謝罪する気持ちを持っている国民にも一定の共感を呼び起こす言葉のマジックが存在しているからである。それは真理を衝いているように錯覚させるマジックである。
『何度も繰り返される日本側の謝罪』⇒『何度も繰り返される中国・韓国の謝罪要求』⇒『何度も繰り返される日本側の謝罪』⇒以下繰返し・・・
,というイメージをネトウヨどころか普通の国民でも持っているかもしれない。
しかし,残念ながら,このイメージは間違っている。正しくはこうだ。
『何度も繰り返される日本側の謝罪』⇒『何度も繰り返される,あれはウソでしたぁの否定発言』⇒『何度も繰り返される中国・韓国の謝罪要求』⇒『何度も繰り返される日本側の謝罪』⇒『またも繰り返される,あれはウソでしたぁの否定発言』⇒以下繰返し・・・
否定発言はもちろん,謝罪した人間によるものではない。しかし,外国からしたら,『日本国として』は一体どっちなのだ!?となるのは当たり前。
安倍首相が真にこのように思うのであれば,いやこれこそ真に我が子孫のためなのであるが,我々の世代で謝罪の決着をつけることである。ドイツはすでに決着をつけている。だが,残念ながら日本は全く問題にならない。大日本帝国の遺伝子を一掃していないからである。
安倍談話そのものが,多言を弄して逃げたことそのものが,大日本帝国の遺伝子に毒されている証明であることは皮肉である。

3.寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰
首相就任以来安倍首相がオウムのごとく繰り返していた,『戦後レジームの脱却』。その脱却すべき戦後レジームは,国際社会の,戦勝国の,迷惑をかけた国々の,寛容の心のおかげであったのだ。安倍首相自らそのことを認めざるを得なかった。
『寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います』
この言は良し!だが,国際社会に信用してもらえたのは,何であったのか?自衛隊があったからなのか?いいやちがう。まさに,日本国憲法体制で再出発したからでではないか。もう二度と大日本帝国のような国になろうとしてもなれません!その証が日本国憲法ではないか。その証があったからこそ,国際社会は寛容の心で復帰させてくれたのだろうが。
自らの信念,『戦後レジームからの脱却』と矛盾するこの言明をどう考えたらいいのか?これは安倍首相の責任ではない。そこまで気が付くようなお人ではないだろう。では何か?それは上手の手から水が漏れたの類いだろう。お上手な官僚作文にも瑕疵があったということだ。

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by papillon9999 | 2015-08-15 23:49 | Comments(0)