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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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『テロとの戦い』から遠ざかるべき理由(後藤健二さんを悼む)
 後藤健二さんがついに殺害されたそうだ。私はイスラム国といえども,直截敵対行動をとったわけではない後藤さんを殺害することまではないと予想していた。むしろ,イスラム国側は何とかして後藤さんを還す口実を探しているのだろうと思ったほどだ。




 そしてそれはある時点まではその通りだったような気がする。しかし,例の日没期限の前後,全く動きが止まってしまった頃から,ネット情報ではちらほらとイスラム国内でも路線対立か?のような記事が目につくようになった。
 私はこのあたりで,何らかの理由で初めの方針が狂ってしまったのだろうと思っている。誠に残念というしかない。後藤さんの数々の”業績”を知れば知るほど込み上げてくるものが強くなる。このようなテロ行為は『断固として許しがたい!

 だが,この『断固として許しがたい!』という言葉は,あの安倍首相と同じだ。私は安倍首相と同じ立場に立ったのであろうか?いいや,『断固として否!

 安倍首相がこの間,言葉だけはオウムのごとく力強く繰り返してきた,『テロには屈しない』,『断固として許さない』という言葉たち。私たちは今,この言葉の無意味性,偽善性をはっきりと認識しなければならない。

 安倍首相が無邪気にも強がった,『テロとの戦いのために2億ドルの人道支援を行う』(人道支援とは後付けの説明に過ぎないが,本当はどうでもよい。小さな問題だ【注1】)という言葉を支持した人たちは,この言葉の持つ本質を理解できていない。
 
 『テロとの戦い』から遠ざかるということは決してテロに屈することではない。確かにテロとは理不尽な非道な行為である。直接の戦闘行為ならまだしも,子供までも含めた無差別の殺戮行為が許されるはずがない。ナチスのガス室に勝るとも劣らないとも言ってよい。
 では,イスラエルのガザ空爆はどうだ?アメリカの原爆投下はどうだ?いや,原爆まで行かずともアフガンやイラクやシリアの空爆はどうだ?子供まで巻き添えにしているのは同じなんだが。
 いやいや,米国だけではない。世界初の空爆・重慶絨毯爆撃はどうだ?石井731部隊の仕業はどうだ?
 いやいやいや,そんなに昔に行く必要はない,福島放射能で放射能犠牲者をその他とまぜこぜにしてわからなくしている所業はどうだ?
 いやいやいやいや,そもそもわずか1%の止めども知らぬハゲタカどもの強欲さのために世の片隅で今この時にもひっそりと餓死している人がいるのを放っておく所業はどうなんだ?

 理不尽で非道なことは決してテロだけではない。テロ行為を批判するのなら,本当はこういうことも同じ目線で,同じレベルで捉えなければならないのだ。原爆被爆者の訴えが説得力を持たないのは,自分たちだけが特殊だと思い込んでいるからである。テロ行為のみの批判が無意味なのはこれに似ている。

 『テロとの戦いから遠ざかる』ということは,普遍的地点に戻って,その地点から理不尽なものすべてに公平な評価を下し,戦うこと,である。そういう立場を信頼感とともに確保すること,である。

 今回の安倍騒動は,安倍首相の死の商人役を引き受けたことから始まった。テロ行為を批判する一方で武器輸出を解禁し,武器企業の懐を肥やすことに貢献しようとした。あわよくば自衛隊派遣まで目論んだことだろうが,ガチの国際戦場はヤワではなかった。自衛隊派遣で邦人救出など,現状,夢のまた夢と思い知ったことだろう。(それとも,本気でそこまで強くしようと思いかねないところが怖いのだ)。

 それでも,ネットでちらほら見かけたのが,例によってヤラセ人質説。もちろん,それは100%あり得ない。後藤さんの,”湯川さんを救出に行く”という言辞は,”あわよくば,自分の伝手を頼って救出のお願いをしてみる”という程度の意味だったであろう。安倍の密命があったなら,そういうことをべらべらしゃべるものか。
 そして私はテレビで見ていて気が付いた。安倍首相はそれなりに本当に真剣だったんだなと。何とインタビューに応じて話し始めた時,ぐっと込み上げるのを抑え込んだ瞬間があったのだ。私はそれを見逃さなかった。演技ではあんなことはできない。必ずしも後藤さんの死を悼んだからとは限らないかもしれず,単に悔しかっただけなのかもしれないが,確かにその瞬間はあった。
 しかし,これを安倍擁護だと受け取るのは間違っている。むしろ危険なのだ。こういう人ほど。こういう人が真剣になればなるほど日本は危険になることを知らなくてはならない。

 それにしても,後藤さんのような日本人がいたことに誇りを持つ。いや,別に私は誇りを必要とする人間ではない。しかし,嬉しいではないか,このように世界中からその死を惜しんでもらえる人のいたことが
 他にもペシャワールの会,国境なき医師団で活動する人々,その他私が何も知らなくて黙々と恵まれない人間のために働き続けている人たち,どうか無事で。ブッシュのイラク進攻に小泉が荷担した際に,この人たちの中のどなたかが言われた。『我々は第三者でなくなってしまう。』 小泉元首相は脱原発のみでなく,このことからも名誉を取り戻してほしい。

【注1】 この2億ドルというお金が,消費税騒動で揺れる我が国の一体どこから出てくるんだ!という類の,”些細な”たくさんの怒りはここでは不問に付す。
 安倍首相のこの幼児的強がりを支持した人たちのメンタリティとは,『我が国も国際貢献しなければならないはずだから,その方向・程度なら首相の裁量権の範囲内だ』というような洗脳されたそれだろうと思う。そして,さらには『各国とも非道で野蛮なテロ組織と懸命に戦っている。それを遠くから見ているのはテロ組織への加担だ,卑怯だ』というものもあるかも知れない。

テロとの戦いとは何か-勝てない戦争- 2006年 09月 10日
フランス紙銃撃テロの悲劇と表現の自由 2015年 01月 11日
光市事件とイラク人質事件 2006年 04月 20日







by papillon9999 | 2015-02-01 12:18 | Comments(0)