おめでとう！宇都宮健児！２位確保で目標達成！＋票の分析

　宇都宮健児，大健闘の末，能く２位争いを制す。目標達成，まことにおめでとう！しかも投票率が１６ポイントあまりも下がる中，前回の得票数をわずかとはいえ上回ったというのはホントに大偉業と言える。
　ともかく主な候補の得票数を見ておこう。



投票率46.1%
　舛添　要一　　2,112,979 票　得票率　43.4%
　宇都宮　健児　　982,594 票　得票率　20.2%
　細川　護熙　　　　956,063 票　得票率　19.6%
　田母神　俊雄　　 610,865 票　得票率　12.5%

　主要候補合計約４７０万票。これらの票は前回はどこにあったのだろうか？前回の猪瀬の大量票はどこへ分散していったのだろうか？細川の票はどこから湧いて出たのだろうか？これらについて考えてみよう。

　前回の得票は以下の通り。投票率62.6%

　猪瀬　直樹 　　　4,338,936　65.27%
　宇都宮　けんじ　 　968,960 14.58%
　松沢　しげふみ 　　621,278 　9.35%
　笹川　たかし 　　　179,180

　主要候補合計約６１０万票。これを現実的にありそうな（前回の宇都宮票はほぼ絶対に田母神票には化けないだろうというような）条件を加味して，最適配分を試みた。その結果が以下のようになる。

　舛添の獲得先：猪瀬から１８０万
　　　　　　　　　　松沢から３２万
　宇都宮の獲得先：宇都宮から８８万
　　　　　　　　　　　　猪瀬から１０万
　細川の獲得先：猪瀬から６２．５万
　　　　　　　　　　松沢から２５万
　　　　　　　　　　宇都宮から８万
　田母神の獲得先：猪瀬から４０万
　　　　　　　　　　　　笹川から１８万
　　　　　　　　　　　　松沢から　３万

　ここで注目点は宇都宮票である。前回の宇都宮票は共産票のほか，社民，みどり，生活などの票も入っているはずである。まともな立候補者が宇都宮しかいなかったからである。この分を，共産党基礎票６０万から多く見積もって７０万（前回参院選東京選挙区の吉良よしこの得票がこれを少し上回るが，個人的人気票も含んでいるはず）とすれば，これら以外はかなりの割合で細川へ行ったと思われる。この割合を３０％と見て，２６万票の３割，８万票が細川へ流れたとした。すると宇都宮得票の残りは猪瀬票が回ったことになる，として猪瀬票１０万を加えた。この票は，細川陣営の脱原発戦略が掘り起こした票とみることができよう。細川へ回った割合が基礎票以外の３割とは，少ない感じもするが，一本化圧力というものがあってそれに反発する形で宇都宮支持層の結束が固まったと考えられる。

　田母神票は国粋系の笹川票全部と舛添に反発する保守系票として猪瀬から４０万，松沢から３万とみた。

　ということで，細川票はほとんどが猪瀬と松沢票，旧宇都宮票からの鞍替えは８万程度に止まると推測される。

　このことは細川・宇都宮の一本化問題，共産党主導候補の問題などを考えるのに，いろいろな示唆を含んでいる。これについては次の記事で考察する。

　なお，猪瀬の大量票の消息は，上のやり取りをまとめて次のようになる。

　猪瀬４３０万票の消息：そっぽ　１４０万票
　　　　　　　　　　　　　　　舛添　　１８０万票
　　　　　　　　　　　　　　　細川　　　６２．５万票
　　　　　　　　　　　　　　　田母神　４０万票
　　　　　　　　　　　　　　　宇都宮へ　１０万票