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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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世界御用遺産(1)中川恵一さん
 急に思いついた企画をスタートします。社会的な地位を背景にした発言に責任を持ってもらうため,後世にその発言を遺しておく企画です。それは『世界御用遺産』として登録されることになります。
 『御用』という語句は当ブログ主・パピヨンの主観が反映されたものです。しかし,その発言が単に或る立場を主張するものであれば,たとえば『原発はこれこれの理由で推進すべきだ』というような,見解の相違に帰着するようなものであれば,登録はされないでしょう。



 登録されるのは,その発言に明らかな矛盾とか嘘とかが含まれる場合に限られるものとなるはずです。少なくとも,スタートに当たっては,そのようなポリシーで臨みます。このような形は決して個人攻撃とは思いません。例によって不定期かつ不安定な企画なのでいつまで続くかわかりませんが,取り敢えずスタートします。

 記念すべき第1号は中川恵一さんとなりました。ただしお断りしておきますが,この順番は『御用度』の大きい順という意味ではありません。たまたま眼についた順序という意味でしかありませんのでご承知置きください。
 さて,中川さんの遺産登録にふさわしい発言は以下で発見しました。

 ・プルトニウム汚染地図の衝撃
 ・東大病院放射線科准教授・中川恵一&日本原子力技術協会最高顧問・石川迪夫「プルトニウムは非常に重いので遠くへ飛散しない」

 これらで引用されている動画で,中川さんははっきりと次のように発言しています。

 アナウンサー「一般市民、私たちの生活にはどんな影響があるんでしょうか?」
 中川恵一「「はい、これはありません」「この物質は非常に重いんですね。ですから、ヨウ素のように飛散していくことがありません「わたしが生まれた50年前、プルトニウムの量は今の1000倍だったんですよ」
 アナウンサー「半分の威力になるまで2万4000年かかるということですね」
 中川恵一「繰り返しですけども、一般住民の方に影響が出るということは基本的にはない。ですからご安心いただいていいと思います」


 引用された院長先生と阿修羅投稿者さんは,『プルトニウムは遠くへ飛ばない』という嘘を問題視しておられる。確かにこれは嘘であって,その証拠に「福島県プルトニウム汚染分布図」が引用されている。その下になったデータは,ここにあって,確かに遠くまで汚染されていることがわかる。
 ・福島県 における土壌の放射線モニタリング (プルトニウム)調査結果(速報 )

 これだけでも登録は可能かもしれないが,パピヨンはさらに大きな嘘を発見した。上記,中川さん発言の赤字強調の部分である。読者のみなさんは何かお気づきになりませんか?

 ヒントは,その発言の前後に,『プルトニウムの威力が半分になるまで2万4000年かかる』と話していることです。
 そうです。半減期が2万4000年もあるプルトニウムの量が,50年間でどうして1千分の1に”激減”したのでしょうか?ということです。中川さんが生まれた50年前,今より1000倍も多かったプルトニウムは一体どこへ消えたのでしょう?いや,それよりも一体どこにあったと言いたいのでしょうか?

 もしかして「プルトニウムの総量は変わりないけど,どこかへ拡散して行ったので自分の周りでは1000分の1になった」と言いたいのでしょうか?しかし,50年前と言えば大気中の核実験時代です。もし日本のプルトニウムの量がそれだけ多かったのなら,プルトニウムは重くて遠くへ飛散しないという自分の発言と矛盾します。被爆地長崎のプルトニウムの所為だとしても,それが日本国中に飛散したことになり,これでも発言は救えません。
 この発言の意図を斟酌してみます。明らかに,「プルトニウムは1000倍も多かった時代(50年前)だってあったのですよ。それなのにみんなこーんなに元気!だーかーらぁ,プルトニウムなんて大したことないんですよ」という安全洗脳です。

 以上のように考えると,中川さんは安全洗脳のために適当な出まかせの嘘をついたという結論になります。残る問題は,果たしてこの矛盾に自分で気が付いていたのか,自分ではこの矛盾に気が付いていなかったのかです。どちらでも大した違いはないですが,どうもテレビでの真面目腐った顔つきを見ていると,自分ではこの矛盾に気が付いていなかったように思われます。
 でもこれで御用度が低くなるわけではありません。そこからわかるのは,「放射能安全の洗脳」のためなら,どんな嘘でも平気でつけるということです。自分で矛盾に気が付かずに,1000倍という根拠のない数字を口にすることができるという精神構造は,やはり世界御用遺産登録にふさわしい,堂々たる資格の持ち主というほかはありません。
 登録の理由は以上の如しです。
by papillon9999 | 2012-06-17 23:06 | Comments(0)