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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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地震予知と原発の複雑な関係
 地震予知が原発推進にとってどのような役割を果たしてきたか,ちょっとだけ考えてみた。すると,まるで塞翁が馬のごとく,功罪が複雑に絡み合っていることに気が付いた。本記事はその報告である。

 地震予知を一手に引き受けて来た地震予知連なるものに対するパピヨンのイメージは,できもしない地震予知という幻想をふりまいて国から莫大な税金をせしめる”悪者”であった。【注1】



特に,今回の未曾有の大震災を予知できなかったことは,地震予知なるものがホントに幻想であったという思いをますます強くしたのである。(たいていの人がそうでしょう)。

 しかし,”地震予知”ということは幻想かもしれないが,『地震の危険性』そのものは幻想ではない。この警告は優れた業績であったのだ。これらを混同しては決してならない。

 すでに以前に書いた記事,『原発震災』を指摘していた反原発派2012年 01月 27日で,地震学者・石橋克彦の功績を確認したが,彼がどうやら地震予知のモチベーションを喚起したようである。
 ところが,これはもう一つの流れのイニシエーションともなったと思えるのである。その流れとは,国民の地震への怖れを喚起することと『予知』以外の地震そのものに対する数多くの知見をもたらしたことである。
 つまり,予知研究によって副産物的に?【注2】かどうかしらないが)地震学的な重要知見,観測体制の整備の充実がもたらされ,結果的に原発の危険性を確信を以って警告できるようになったとは言えないだろうか。これはちょうど錬金術の研究によって化学が発展したことに似ていると感じる。

 この二つ目の流れが原発推進の奔流をかなりの処弱めたと思われる。原発推進勢力にとって,それは”逆流”であったろう。確かに,浜岡原発は今なお難航しており,全国の原発も耐震設計の見直しということで多大の追加コストを払ったはずだ。

 そして,悪者のイメージしかなかった地震予知連のイメージが一変する事実も見つけた。地震予知連の前会長,茂木清夫氏である。『二〇〇一年まで十年間,地震予知連絡会の会長を務め,浜岡原発廃止を訴え続けた地震学者』とある。茂木氏関連のネット記事を集めた。

 「浜岡以外も見直しを」 元地震予知連会長が警鐘

 福島事故の影も形もなかった頃の記事もある。

 東海地震最高権威 元地震予知連会長が怒りの告発
 ●前地震予知連絡会会長、茂木 清夫さんの主張

 これは,予知連の(元)会長といえども,御用学者の正反対,癌抑制遺伝子を持った人がいたことの証明となる。

 このように,ホントに”意外な”予知連会長もおられる一方で,やはり地震学者の多くが『御用』に取り込まれていたのは事実であるようだ。
 実は,地震学のもう一人の権威,島村英紀氏を発見した。この方は地震予知連のメンバーではない。むしろ,ウィキにはこうある。【注3】
 『島村英紀は国策として1965年以来続けられてきていた地震予知計画に鋭い批判を浴びせてきた。』
 地震学者というよりは地球物理学者として,地震予知計画の無謀さを見通していたのだろう。

 この島村氏は自身のホームページで夥しい著作を開示しておられる。じっくり見たい意欲にそそられるが,ここでは次の記事を紹介したい。この中に,『御用』に取り込まれる地震学者の姿が少し描かれているのだ。

 「人はなぜ御用学者になるのか」(上)
 また,
 「人はなぜ御用学者になるのか」(下)

には,『日本地震学会は原発推進機関の一つになり下がっていた』との記述も見ることができる。
 そして,この『地震予知事業』で,予知以外の功績”は”あったことがどこかに書いてあったことを覚えているのだが,今はどうしてもその記事を発見できない(^o^)/。

 ということで,地震学者というのも原発に対するスタンスにはいろいろ違いがあるものだと確認できたわけである。ところがそれに輪をかけたことをもう一つ発見した。それは

 『日本人は知らない 「地震予知」の正体』

というブログ(藤田伸さん主宰),というより本(著者:ロバート・ゲラー(双葉社))の紹介である。読者には引用記事を読んでもらいたいが,『地震予知は不可能である』という強い主張は一見すると島村氏と同じ立場のものであるように見える。しかし,パピヨンは全く別の印象を持った。それというのは,

 『このように身も蓋もないように地震予知への努力を攻撃することは,その研究成果に基づく地震への警告そのものの信頼性を崩そうとしているように見える。』

 言い換えると,

 『地震があるので原発は危険だ,という警告の信頼性を損なうことが目的のように見える』

ということである。この,ロバート・ゲラーという人は,ひょっとしたら原発推進側の廻し者?いや,そうでないことを祈りたい。

 以上,地震予知に関わる複雑な流れを見て来たが,最後にその論理の使われ方をまとめてみる。

 1.『地震予知』は『原発は恐くない。なぜなら地震予知で安全に停止できるから』という原発推進論理として使おうと言う目的があった。
 2.地震予知研究の膨大な研究費によって,予知そのものは成功しないものの,予知以外の功績,たとえば精緻な観測網や地震学の新たな知見の獲得,に副次的に?つながった。
 3.そのため,地震が原発にとって非常に危険であることを自信を持って警告できるようになった(もちろん,良心的な学者が存在したことによる。)つまり,皮肉なことに,原発推進の逆流となって作用することになった。
 4.そのことに辟易した原発推進側は,今度は,今回地震予知ができなかったことを好機として,3の警告自体の信頼性まで崩そうとする(かもしれない)。


【注1】 地震予知連はそうやってせしめた研究費を,その中の有力者が自分の仲間だけに恣意的に(えこひいき的に)配分していた,という心証をずっと持っていたが,今回ネットを探してみてもその証拠は発見できなかった。よってその心証はいったん捨て去ることにする。

【注2】 副次的にかどうかは門外漢ではよくわからない。中には,予知は無理と見切りをつけて,より実質的な知見の獲得を目指した研究者も多数いたことだろう。

【注3】 実はウィキをよく読むと,無実の罪で2007年に執行猶予付きの懲役判決を受けたとある。これも地震予知という国策を強く批判したからだとされている。これを逆に考えると,地震予知の幻想が原発推進にとって非常に重要なカギを持っていたということになると思う。時間があれば改めて記事にしたいのだが。
by papillon9999 | 2012-04-14 22:05 | Comments(11)
Commented by 磐梯朝日国立公園 at 2012-04-15 11:01
ロバートゲラーは、反原発学者リストに
載っています!
http://www47.atwiki.jp/goyo-
gakusha/pages/732.html
Commented by 眠れぬ人 at 2012-04-15 11:03
http://blog.goo.ne.jp/saruyamataro/e/e650682d4d821da2ec612ebfe03d6206
ロバートゲラーへの反論
(場所間違ってました)
Commented by papillon9999 at 2012-04-15 14:24
皆さん,どうも。
ロバートゲラーは反原発リストですか?うーん,そうかなあ。
ちょっと見てみたら結構ネットにありますね。『原発は日本には無理だ』などの言質は微妙に避けている。
『想定外に備えよ』とあるのまで見ました。それ自体は文句はないけど,どうやって備えるの?って感じ。原発も想定外に備えるとなると,一体どうしたらいいんでしょ?微妙な諸刃の剣だなあ・・・と感じるのはパピヨンだけ???パピヨンは7割以上の確率で,原発推進側の廻し者と見ます。

もう一つご紹介の猿山政治論さんのブログ。反論はなかなか的を射たものだと思います。しかし,『地震兵器』の話が出て来るんですねえ・・・
惜しい・・・
Commented by 眠れぬ人 at 2012-04-15 14:56
言われてみると、ロバートゲラーの作戦はガラガラポン作戦?
予知だけではなく、地震を理由にした危険警告の信頼性まで道連れにして引きずり落とす作戦。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20609820110414
では結局、これまでの記録上最大の津波対策ををすればよかったとしか言ってないようです。
福島が事故ったのは津波ではなくて、地震そのものだったことからも目をそらせている。
Commented by papillon9999 at 2012-04-16 22:57
あいまいな根拠で断定するこつは避けんばいかんが・・なにしろ名前がいかんなあ。詐欺師・ユリゲラーを思い出してしまうバイ・・・
しかし皆さん,彼の発言は微妙でしょ???
もしロバートゲラーがまともな人だったら,心の底から謝りますけん・・・
Commented by 磐梯朝日国立公園 at 2012-04-17 14:29
島村博士のHPでゲラーさんを発見!
地震予知の公開バトルロイアルhttp://shima3.fc2web.com/sisusin1814.htm
(注)正確に言えば、日本から一人だけは参加した。Robert Geller氏(ボブ・ゲラー。東京大学教授・大学院理学研究科)である。よく知られているように、氏は日本の地震予知体制、とくに研究体制への強い批判者である。
とのこと。
どう思って書かれたか微妙です。
皮肉なのか敬意を込めた紹介なのか。
万一のため謝った方がよいかも(笑)
Commented by D at 2012-04-19 22:34
福島の事故の根本的な要因は地震でも津波でもなく、ただの人災(民主や管のせいだという意味ではない)でないかな?
正直、想定震度が100だろうが高さ1万メートル級津波に耐えられる仕様だったとしても事故はおこっちゃったんだと思いますよ。
「事故は起こらないから事故に備える必要はない」と言う考えにのっとり、事実上何にもしていない状態だったんですから。
Commented by papillon9999 at 2012-04-19 23:57
いやあ,こういうDさんの考え方,大好きです!

この論理は,『原発事故は起こってもいいじゃん!』とならん限り,『原発稼働は事実上,無理じゃん!』っちゅうことを意味しますけんネ。

今や,原発に異議をはさむ政治家で最も信頼できるのは橋下はんやんけ!!!
しがらみのない強さというか,正義感がとても良い方にでてる。
Commented by at 2012-04-20 00:10
ただし、橋下さんは今でも「本当にどうしようもなければ再稼動させる」と言いきってますけどね。
Commented by papillon9999 at 2012-04-20 00:31
「本当にどうしようもなければ」仕方なかです・・・だが我らの橋下はん!きっと『原発事故は起こってもいいじゃん!』とはならんでしょ。
Commented by D at 2012-04-20 05:12
あいかわらず長いですが、暇な時にでもどうぞ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm17565392