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原発作業員の白血病死(4)
2011年 09月 21日
6.御用系と非御用系の話
翌朝,資料を提示しようとしたら,別の方のコメが入っていた。nさんという方。このコメは大変丁寧で,会話が成り立つ感じである。それが以下に示すものである。 n 2011/09/09 04:06 ごく一般論を言うと、きょうも一般の病院で真面目に働いている放射線科医や診療放射線技師の間で、対立する学派があるだとか、放射線の危険性について大きな認識の別があるといったことは全くありません。少なくともここでの議論を左右するようなものはありません。 ICRP とECRRで世界が二分されて争ってるかのような印象をお持ちの方が時々いらっしゃるようですが、前者はほぼ世界中の放射線科医の判断と放射線防護関連法律の根拠となっている超重要機関であり、後者はウェブサイト等で自説を展開している海外の市民団体です。私も含めた普通の放射線科医は今回の事故前に ECRRの存在は知らなかったはずですし、実際どの教科書にもECRRの記載はありません。議論以前に存在認識すらしてないレベル。 ただし現状で、日本医学放射線学会の意見は完全無視してECRRに親和性を示す医師が(放射線科医でない人を中心に)稀にいるのは事実のようです。「あらゆる抗癌剤は効かない」とか「ホメオパシーは有効」とかいう意見の医師と同じくらいの数はいるかもしれませんが、個人的には普段の業務でリアルにそういう人にお目にかかったことはないです。 大変誠実なコメントだと思うが,二点,申し上げたい。一つは 『きょうも一般の病院で真面目に働いている放射線科医や診療放射線技師の間で、対立する学派があるだとか、放射線の危険性について大きな認識の別があるといったことは全くありません。』 の部分。この見解には全く異存はない。同級生や飲み屋であう医者に聞いても,見解の異なる二つの流れがあることなんか,ほとんど知らない。日々の業務で手一杯という感じだからだ。現実に放射線障害を疑われる患者に遭うことは全くないのだから,そういうことを知る機会がまずないのである。 しかし,一般の医師がほとんど知らないことと実際にあるかないか別問題であって,この世界標準の”定説”というのが,きわめて”政治的”な”学説”といわざるをえない状況がある。 nさんのように『ECRRに親和性を示すこと』が『「あらゆる抗癌剤は効かない」とか「ホメオパシーは有効」』と同レベルとみなすこと自体が,すでに政治的な立場の一方であることを指摘したい。『放射線防護関連法律の根拠となっている超重要機関』ということが何らその正当性を意味しないことは,原子力保安院とか何とか委員会とかのトンデモぶりを見れば明らかなはずである。たとえばこの記事を参考に。チェルノブイリ原発事故:国際原子力共同体の危機 彼ら(上掲ミハイル・V・マリコのいう国際原子力共同体)の『放射線被曝は安全であるキャンペーン』はそういう『超重要機関』の似非科学がよりどころとなっているのである。学習してもらいたい。 このことは逆説的に示すことができる。すなわち,山下俊一らを初めとする”御用調査”の結果に基づくICRPの公式結論を否定するデータは,事実として数多く報告されている。事実は御用調査報告を否定しているのだ。御用調査報告を否定する立場自体が政治的というのなら,御用調査の結果を疑いもなく受け入れることも政治的立場に過ぎないのである。以上のことが,nさんに対して申し上げたい二点目のことである。 それはともかく,このような率直な意見を頂戴することこそ,初めから期待していたことなのだ。これに対する返答は次のコメの中でまとめて行った。 7.チェルノブイリの白血病資料の話 papillon9999 2011/09/09 08:28 おはようございます。気品さま,資料をとりあえずお示しいたします。(専門外の者にとって論文の形で検証することは非常に難しいと思いますのでその点,ご容赦ください。私たちにとって,NATROMさんが示された放影研の原爆調査結果も,論文としてではなく公表資料としてみるほかありません。) http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65742567.html とても見にくいブログ(すみません(^o^)/)ですが,下から五分の一ぐらいの処に「ゴメリ州立病院」の「小児白血病の患者数」というグラフが示されています。そこには86年に,6名と書いてあります。尤も,この中には事故とは無関係の患者もいる可能性はあると思います。この資料を作られたのは日本人と思いますが,はっきりしません。でも初めに,広島大学原医研の佐藤幸男教授が出ておられますので,この方ではないのかなと思っていますが,定かではありません。 それから,論文として http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr139/pdf/malko-2.pdf を挙げておきます。ここには incidence of leukemia in children of Belarus (0 – 14 years at the time of diagnose) occurred in Belarus soon after the Chernobyl accident と書かれています。ただし,86年から白血病患者が出た,ということははっきりとは書かれてないと思います。これをご紹介するのは,山下さんが,甲状腺がん以外には目立った放射線被害がなかったと広言,公言しておられるのを否定するものではないか,と思ったからです。いかがでしょう,気品さま? それから,作業歴に関して新しい情報を教えて戴きありがとうございました。「3月,4月には福島での作業歴が無いことが確認された」ということですね。それなら私の論調もだいぶ変わります。しかし,本来はその情報が確認されてから東電は説明を行うべきだったと思います。診察した医者もです。 それからnさま,貴重なご返事ありがとうございます。医師にもいろいろおられることは私も十二分に承知しています。ただ,上にも書きました山下さんのチェルノブイリ報告,これが世界標準でしょうが,全面的に信頼してよろしいのでしょうか?いかがお考えですか? またここで再確認しておきたいが,こちらは『作業員を死に導いた白血病は福島原発の作業の所為である,ということを立証しようというのではない』。 『3月,4月の作業でも因果関係がないと断定できるのか?断定できないと思えるデータがあるが,どうなんですか?』と考えをお伺いしているのである。 実はNATROMさんに質問したくなったのはこのコメの初めのリンクにある,次の図を見た記憶があったからである。【注1】 ![]() NATROMさんの記事をみるまでは,8月被曝で8月発病,死去,もあり得るのかと思っていたが,すでに書いたようにこれはNATROMさんの記事を読んで,あり得ないことを納得した。しかし,3月の作業がもしあれば灰色ではないか(NATROMさんの記事には明言されていなかった),というのが質問の動機であったことも初めに書いた。だから,この図についての議論はぜひ聞きたい処なのである。 すなわち,この図に拠れば,ベラルーシのゴメリ州立病院ではチェルノブイリの事故のあったその年に小児白血病が6件と記録されている。この6件のすべてが原発事故と関係があるとは思わないが,すくなくともそういう記録が報告されているからには吟味の俎上に載せるべきであろうということである。 この図の報告者はリンク先の最初の方を見れば分かるが,広島大学原医研・佐藤幸男教授(現・名誉教授)ほか2名の学者と思われる。というのはそのシリーズ記事の1の終わり近くにある【検診結果】の図の説明に『広島の医師達がまとめた検診結果です。』と書いてあるからだ。 その報告では20年後の今,白血病の早期発症例があるかないかの議論が為されることなど想定していないわけだから,ことさら早く発症したというデータをでっち上げる必要も動機もない。つまり,白血病患者数が85年ゼロ,86年は6となっていることにことさら不純な意図を含ませる動機は少ないと思う(この点については後で議論になる)。 ただし,6名の中には原発事故には無関係の症例もあることだろう。しかし,皆無かどうか,慎重に見極めるべきことである。それを否定する根拠としてNATROMさんが示した放影研の『原爆データ』の知見を適用するしかないのならば堂々巡り,無限ループに陥るのである。 それから,英語の論文を引用したのは,一つは 『occurred in Belarus soon after the Chernobyl accident』 の部分。”soon after"が何年を意味するのか不明であるが,やはり想定よりは早かったと解釈できる余地はあるかも知れないという理由である。 もう一つの理由は,山下たち(国際原子力共同体の走狗)のチェルノブイリ被害報告が如何に過小評価であるかを示すためである。 結局,この白血病の問題も,御用系の公式結論の信頼性に帰着する可能性があるわけであり,それらが如何に信頼性に欠けるものかを突き付けたわけである。 気品さまは山下のことをどのようにお考えなのだろうかと興味津々であったが(答えにくいだろうなあと同情しながら(^o^)/),結局は明確な回答はすっぽかされた。最後に頓珍漢な珍回答が現れるのでぜひお楽しみに。 同様なことはnさんにも聞いたわけだが,こちらも最後までお答えは戴けなかった。こういうことで,そのブログの擁護側コメンテーター(門人たち)の大体の雰囲気と程度がわかり,質問の目的はほぼ達せられたのである(既存の原爆データしか根拠はなさそうだ)。 さてコメントの検証を続けよう。一つ,人の陰に隠れて野次を飛ばす役目の輩を飛ばして,こちらが示した資料について,まずe10goさんが再登場。ところがこの方の言い分が,パピヨンにはよく理解できなかったのである。 e10go 2011/09/09 10:32 >papillon9999 2011/09/09 08:28>とても見にくいブログ(すみません(^o^)/)ですが,下から五分の一ぐらいの処に「ゴメリ州立病院」の「小児白血病の患者数」というグラフが示されています。そこには86年に,6名と書いてあります。 その数字では根拠にならないでしょう。 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No102/imanaka060414.pdf 上のリンクの8頁を見れば判るように、ゴメリ州立病院のあるベラルーシでの1986-1992の発生率は1980-1985の1割増し、86年の6名がチェルノブイリ事故で発生したとは言えないですね。 パピヨンはこの反論の意味が未だによく理解できない。だからわかるまでこき下ろすのはやめておくが,一体何を言ってるんだろ? 『上のリンクの8頁』とは次のグラフだと思われる。 ![]() この図から,『ゴメリ州立病院のあるベラルーシでの1986-1992の発生率は1980-1985の1割増し』というのは言えそうである(10万人あたり4.0付近(実は4.030)から4.4付近(実は4.355)へ増加したことでしょ?),しかしそれがどうして,『86年の6名がチェルノブイリ事故で発生したとは言えないですね。』となるんだろ? ベラルーシは何百万もいたはずだし,ゴメリ州は他の地域に比べても汚染がひときわ高かった地域である。10万人あたり0.4人増えたんだから,6人じゃ多すぎるというのか?少なすぎるというのか? と言う謎を残して,長くなったので次に続ける。このシリーズ記事は副産物として低線量被曝の安全キャンペーンを批判する記事にもなりそうだ(^o^)/ 【注1】 これは元々は『ドキュメンタリ「チェルノブイリ小児病棟〜5年目の報告〜」』の書き起こしで,5つに分割されている。チェルノ事故から5年目の91年に,広島大学原医研・佐藤幸男教授(現・名誉教授),木村昭郎講師,小熊信夫助教授の学者3人がチェルノ事故の調査を行った報告である。これらの方々が現在どのように活動しておられるかは調べていない。
by papillon9999
| 2011-09-21 23:41
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