壮大な陰謀が進行中：朝日がん大賞（４）

　本記事では最後に残された謎，『福島県民モルモット作戦の結果，モルモットたちのデータは一体どうなっていくのか，どのように使われるのか』について考える。
　この作戦の進め方には次のように書いてある。

　『新たに設立する基金が福島県に健康調査を委託』



　つまり，このプロジェクトは不思議なことに国ではなくて福島県に委託するのである【注１】。なぜ福島県だけなのだろうか？福島県の西端，檜枝岐などよりはむしろ近い茨城県や宮城県の場所もあるだろうに。これは要するに県をまたいだ仕事をしないという意味であるが，どうしてそうなんだろう？

　答えは，『福島県にある大学の医学部は県立大学にしかないから』，である。その県立医大の副学長が山下センセであり，この未曾有の人体実験プロジェクトはこの山下を鉄砲玉に使ってなされるからである。他の学者でもいいのかも知れないが（東大にもたくさんの御用学者がいる），立場上被曝医療に詳しくて，鉄砲玉に使えるのはこの山下センセを措いてさすがにいなかったのだろう。

　しかし，ホントはこれもとても不自然なことである。茨城県や宮城県の被曝者もいればたまたま福島を訪れていた他都道府県住民もいるだろうに，さらには福島県民が避難で全国に散っていく可能性もあったはずだから，国レベルでやるのがホントだろう。
　いや，それもまたこのプロジェクトが人体実験の陰謀ではないかという傍証になる。なぜなら，他県の住民はどうでも良いというこの姿勢こそ，国民の健康を気遣ってのものではないということを示しているではないか。サンプルは福島県民のみで十分な数がある。たまたま医大が県立大学であったことの裏返しなのである。

　そして，福島県に委託したことの重大な意味がもう一つある。このプロジェクトの肝といってもいい。それは

　『すべてのデータが山下の下に集まる』

ということだ。山下の下に集まったモルモットたちの個人データはどうなるだろうか？言わずと知れたこと。門外不出の極秘データとなるのだ。将来確実に起きる裁判に生のデータは不利になるからだ。裁判には恣意的なデータのみが白々しく提出されることだろう。
　この非公開の言い訳理由は，おそらく『個人情報保護』だろう。そもそも，原爆被爆の詳細なデータは全国民の共有財産となるべきなのにそうはなっていない。すべては米軍に提供されたであろうが，国民には真相は知らされていないはずである。
　福島県民の不幸な，不条理な，せめてもの被曝データも山下側，原発利権側が独占し，しかも国民に不利なように裁判で恣意的に使われるのである。（手を打てるのなら今のうちに情報公開請求権を確立しておいた方が良い）。

　実際，すでに福島県民をモルモットにし，裁判を想定したとしか考えられない数々の不自然な動きも生じている。状況証拠として掲げておこう。（ソースは省略）

　・「あなたたちが将来ガンになった場合は、今回の原発事故に原因があるのではなく、日頃の不摂生だと思ってください」と発言。これはまさに将来の裁判の一場面と同じセリフであろう。
　・学校に子供がマスクしていくと外させられる。これは安全の刷り込みである。モルモットが逃げたら大変だから。
　・住民が放射線のことを口にできない雰囲気になった（相馬町）。これも住み続けて大丈夫という刷り込みが狙いで，福島県から逃げないようにするモルモット囲い込み作戦の一環。
　・急性白血病：福島第１原発作業員が死亡　東電が発表
　東京電力は３０日、福島第１原発で作業に携わっていた４０代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が０．５ミリシーベルト、内部被ばく量は０ミリシーベルトで、松本純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」と説明した。
・・・
　事前の健康診断で白血球数の異常はなく、今回以外の原発での作業歴は不明という。
毎日新聞　2011年8月30日　13時00分（最終更新　8月30日　16時21分）

　これは裁判というより，福島県内の医療関係者が，すでにこのような言動を示し始めているという証左として引用した。そもそも，作業歴が不明でどうして「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」などと医師は言えるのか。

　・【追加】KamiMasahiro　福島県って本当に凄い。南相馬市立病院が、住民の甲状腺検診体制整備のため、有名な甲状腺専門病院から講師を招き講演会を企画したら、横やりをいれたらしい。招聘された病院に「県で一本化しようとしている。南相馬市は勝手なことをしてこまる」という趣旨の連絡を入れたとか。 via HootSuite　2011.09.15 14:03

　以上，この３０年に亘る山下プロジェクトは３０年に亘る人体実験でしかないということの状況証拠を示して考察してきた。そしてその最終目標は被曝データを裁判に有利になるように恣意的に活用するためである，という推論結果も得た。
　ということがホントなら，今，我々下層国民にとって，このプロジェクトが最大の災いである。

【注１】　福島県（知事）や福島県内の大学関係者は，多くの福島県民が，初期の頃は知らず今では山下のことをトンデモ，ないしは敵と感じていることは十分承知のはず。それでもとうとう山下と縁が切れなかった。
おそらく，山下を断れない事情，圧力が福島県知事と大学にはある。原発利権マネーと大学法人化ぐらいしか私には考えつかないが。
放射線医療マネーにまつわる新たな利権集団の誕生である。もちろん，福島県内の医療機関もすべて付いた。口を出せば患者を廻してもらえない。
これからは山下は一般住民の前に姿を現すことはないだろう。県内のすべての医療機関が送ってくれるデータを恣意的に整理するだけでよい。