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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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ノルウェー事件は神殿破壊(1)
 本記事はこのタイトルであるいは想像されるような、キリスト教原理主義の話ではない。
名古屋へ向かう新幹線の中で、pulinさんのこと言いすぎたかなとか、灰汁さんに笑いすぎたかな、とか反省しながら色々考えていた。そしてメインのテーマはノルウェー事件のことであった。



 たんぽぽさんの記事ノルウェー連続テロやそこでやり取りしたいくつかのコメントについて考えているうち、これは宗教に似ていると感じたのである。ただし、これは犯人を宗教的狂信者(キリスト教原理主義者)になぞらえてのことではない。ましてや『イスラム対キリスト教原理主義の闘い』では全くない。それでは一体なにが宗教的なんだろうか。

 たんぽぽさんはいみじくもおっしゃった。
 「ヨーロッパのどこで起きてもおかしくなかった」
正しくそのとおり、だからこそ、犯人の思想と毅然として対決する必要があるのである。だが、それはそれとしても新幹線の中で考えたことは、どうしてそのような行動となって現れたのか、という点であった。何かに似ているのだ。
 実は名古屋の安宿で見ていたテレビでやっていたので思い出したが、十年近く前だろうか、タリバンがバーミヤンの貴重な仏教遺跡である巨大仏像を爆破したことがあった。それを見て気がついたのである。ノルウェー事件はバーミヤンの大仏像破壊と同じではないか!
 しかし、これはイスラム対キリスト教原理主義の闘い、というのでは全くない。このような捉え方は完全に間違った対応を取らせてしまう。このことをもっと具体的に考えてみる。(関連記事:人類の限界が見えたのか?2011年 07月 25日

 ネオナチ系に限らず右派にとって民族や祖国の秩序は拠り処、これは宗教で言う仏像や神殿や経典に似たようなものではないだろうか。それを「寛容社会」なるものが壊しているのである。ということは、それは取りも直さず彼らにとって「寛容社会」なるものは自分たちの信じる仏像、神像を破壊する(宗教的)敵対者とみなされるのではなかろうか。つまり、『イスラム対キリスト教原理主義の闘い』ではなく、『右派的秩序対寛容社会との闘い』なのである
(犯人の言明からすれば、対イスラムと対寛容社会のいずれに重きがあるかわかりにくいが、このように捉えなければならない。”イスラム”は”ユダヤ”でもよいし”東洋人”であっても成り立つからである。)

 だとするならば、それには報復しなければならないが、その報復はどうなるだろう?寛容社会のシンボル、あるいはそのものの(一部でよい)の破壊に向かうのではないだろうか。犯人が自らを『無罪』と言ってるのはこのような意味からではないだろうか。銃乱射とはこのような意味があったのではないだろうか。
 エホバがカナン人を皆殺しにせよと命じる。その命令に従ってカナン人を皆殺しにした。これは当然、無罪ではないか。そういう意味なのではないだろうか。

 このように見てくると、この事件は秋葉原事件とはまた違っているし、また単に精神異常者の起こした特殊な事件で片付けるわけにはできないことがはっきりとわかる。秋葉原事件は犯罪を承知の上の無理心中事件というべきだ。、
 ノルウェー事件はいわゆるイスラム対キリスト教原理主義との宗教戦争ではないとすれば、タリバンのバーミヤン破壊はどうだろう?これはイスラム対仏教の宗教戦争のように見える。しかしこれも決して宗教戦争ではない。一般のムスリムが望んでいることではないからだ。
 これらは社会問題、貧困問題、政治問題、南北問題、搾取問題、国土問題、領土問題、なのである。ただ、相手のシンボル破壊へ向かう構造が宗教と全く同じであるということ。
 あのオウムが引き起こした霞が関サリン事件も、この文脈で語ることができよう。これも相手側のシンボル(=霞が関)の破壊である。

 だとすれば人間の闘いには終わりがなく絶望しそうであるが、続編ではそれについて考えたい。例えばなぜ道徳や倫理の基準を宗教で決めたらダメだめなのか、とか・・・

 出先で慌ただしいのでとりあえずここでアップする。
by papillon9999 | 2011-08-06 23:58 | Comments(16)
Commented by 灰汁狸菟簀 at 2011-08-08 11:46 x
http://www.j-cast.com/2011/08/07103785.html

未だこの程度で済んでる内が華でしょう。

最も、来年には人権擁護法成立で
ちょっとでも○○○様の批判をしたら差別主義者の
烙印を捺されて逮捕でしょうけど……(^o^)/
Commented by papillon9999 at 2011-08-08 19:11
そもそもフジテレビってフジーサンケイグループでっしゃろ?そこがなぜ韓流をやるのか理解でけへんでおました。
TBSとNHKならまだ考えられへんこともないけど・・・

しかし、ヒトッコトで言えばウヨも小粒になりはったなぁ・・・でおます・・・良い方向かも知れまへんけどな・・・
Commented by 灰汁狸菟簀 at 2011-08-08 20:34 x
>そもそもフジテレビってフジーサンケイグループでっしゃろ?

堀江がライブドアに飽きたらず新たなコンテンツを
開拓しようという身の程知らずの野望を抱いたのが発端。
奴がフジTVの株を買い占めようとした時に
恐怖した経営陣がソフトバンクに泣きついて
本来外資系が20%以上株を保有した場合、法律違反
なのを切り抜けたは良いが完全に韓国系資本の
支配下に置かれた、というもっぱらの噂です。

フジ系列のみチャンネルが選択出来ません!!
というTV、発売すりゃバカ売れしそう(藁

>ウヨも小粒になりはったなぁ

それだけ世間全体が(リベサヨ基準では)右傾化しちゃった!!
という危機感は感じられませんか?…(^o^)/
Commented by pulin at 2011-08-08 20:48 x
近代日本というのは、それ以前の1500年にわたる仏教信仰の国民伝統を否定したいわばタリバン、あるいは文革期の中国と同等の国なので、明治的復古主義者が伝統がどうこういうのが笑止なのです。明治タリバン国家は国家神道という奇怪な新興宗教を打ち立て国教となしそれを皇室にまで強制し、皇室からも伝統信仰である仏教さえ奪ってしまったのですよ。
奈良時代に聖武天皇が勅願で国分寺を建立した歴史を考えても皇室の信仰を国家神道にさせる異様さと傲慢さが分るでしょう。
現代日本も明治国家の延長線上にあるから現代日本の政治家がしきりに明治維新に己を重ね合わせるのです。
Commented by 灰汁狸菟簀 at 2011-08-08 21:41 x
pulin様

>現代日本の政治家がしきりに明治維新に己を
>重ね合わせるのです。

民主党の塵屑共の事ですね、良く分かります。
彼らが「江戸幕府」的官僚制度を打倒し
「既成秩序の破壊」と「新秩序の確立」を唱える
様は明治維新を起こした連中と重複しますね。

まあ、能力、才能、人材、どれをとっても雲泥の差
ですけど…(^o^)/
Commented by papillon9999 at 2011-08-08 22:53
フジテレビの話はホンマでおまっか?
そうか,堀江の詐欺師が発端でおましたか.そのためにフジはSBに泣きついた,その線から韓流が・・・・

なるほどねぇ・・・・そうだったのか! と思うのはちょっと待て!

あまりにも話が出来すぎとるなぁ・・・ちょっと判断保留やな.一応,用心しとかんばネ
Commented by たんぽぽ at 2011-08-08 22:57 x
TBはありがとうございます。

>『右派的秩序対寛容社会との闘い』なのである

ようはそういうことですよね。
移民にイスラム系の人が多いから、イスラム憎悪に
なったのであって、たとえば日本人が移民に多かったら、
日本が憎悪の対象になっていたと思います。

くだんのテロ実行犯にとっては、
首相府や労働党が、寛容社会のシンボルに見えたのでしょう。
それでこれらが標的にされたんだと思います。

>この事件は秋葉原事件とはまた違っているし

わたしも、秋葉原事件を引き合いに出されたときは、
違和感がありました。
ヨーロッパの排外主義に対して、いささかナイーブな
見かただろうと思います。
Commented by papillon9999 at 2011-08-08 23:05
pulinさん!見直したですバイ!

元々,我が国は仏教系と土着系との強烈な主導権争いが繰り返されてきましたね.
仏教の方が新参で,蘇我氏から聖徳太子の流れで,それまでの土着信仰の棟梁,物部氏を打ち破ってからですね.
でもすぐその後,聖徳太子の子供一族が絶滅させられ,大化の改新で再び土着側に移ったんでしたな.
まあ,いろいろあって,光明皇后あたりになると聖徳太子の呪いを恐れて仏教が確固たる地位を占めるようになるわけです.
なあんて,別に偉そうに講義してるわけじゃなくて,面白かけん,つい書き続けております(^o^)/^^^^^^^^^^
しかし,実権が天皇家から有力臣民の手に移るようになると,神皇正統記や賀茂真淵など国学への回帰が時々起きます.明治維新はその集大成でしょね.
室町時代が意外なカギを握っておりますぞ.ああ,あの記事も早く完成したかねえ
Commented by papillon9999 at 2011-08-08 23:21
政治家の尊敬する人物って,たいていは坂本龍馬か吉田松陰じゃなかでしょか?司馬史観にだいぶ影響されとると思うが,三分の一ぐらいはいそうな直感がするけどネ.(尤も,最近の若い連中は何考えとるかよくわからんが)

坂本龍馬が生きとったらどうなったかちゅう興味はあるが,それは,みんなが思っているほどの大人物だったのかいな?という斜見(皮肉を込めた目で見る,という意味のパピヨン造語)の裏返しであります.
Commented by papillon9999 at 2011-08-08 23:34
たんぽぽさん,コメントありがとう.

この,右派的秩序を考えていた時に思い当たったのが,たんぽぽさんの一番大事な民法改正問題でして,根っこは結局これなのではないか,ということでした.
以前の私の表現では,一木一草に宿る天皇制の問題,と言ったこともありましたが,「右派的秩序の問題」という方が分かりやすいように感じました(私の中では同じですが).反対派の抵抗が異様さを帯びている理由も,このあたりにありそうな気がしますが・・・すでに想定内なら失礼しました.

灰汁さん,どう思われますかな?
Commented by pulin at 2011-08-09 07:52 x
神道は土俗的な祭り・祀りだったのが仏教の影響を受けて次第に宗教的装いを整えていったわけです。
そうして平安時代からの神仏習合の状態が日本の伝統的宗教形態として定着し1000年ほど続くことになりました。
その最後の徳川時代には仏教も神道も幕府に統制され活力を殺がれていましたが、幕府の重しがとれても、明治国家により強引な神仏分離が行われた上に、神道は国家神道により歪められ、仏教も徳川時代に受けた統制の遺制(檀家制度など)をひきずり、現代に到るわけです。
Commented by papillon9999 at 2011-08-09 08:52
pulinさんの仰るとおりと思います.
明治維新で作られた国家神道はそれまでの土着神道とは違うものです.ただし,それがその時点で突然体系化されるのは無理で,細々と続いてきた体系化の整備・集大成であるはずです.
Commented by 灰汁狸菟簀 at 2011-08-09 17:49 x
うーむ、新エントリー建てるまでも無く、結論が出てしまった…

異様さを帯びる理由は「戦争によらない大規模静的侵略」
という、人類の歴史始まって以来の珍現象の故でしょう。

火と剣で蹂躙された挙げ句の民族浄化&混交であれば
未だ諦めがつくのですが、そうではないところに
苛立ちを感じる人が居ても仕方無いのでは?

「ウエルカム!エイリアンご一行様!!」を地球規模で行った挙げ句
まんま侵略され、人類がレジスタンスに立ち上がる80年代のSF,TVシリーズ「V」(リメイクされましたね、80年代当時は
ナチスドイツがモデルでしたが…)
もはや洒落にならない位、切実な現実感を感じる今日
この頃です…(^o^)/
Commented by papillon9999 at 2011-08-09 21:57
>「戦争によらない大規模静的侵略」

なるほど,うまい表現を見つけたもんじゃ.
やはりこのメンタリティは宗教原理主義と同じようじゃな.
自分たちの信奉する”神”の王国を蹂躙されることかな.静かにしかし大規模に.その恐怖感は何となくわかるですたいネ.

道徳的規範を宗教が決めてはならぬ,人間自らが決めなくてはならぬ,これは人間には重すぎるこつかもしれん.

「人間はみな平等で,どの国のどの文化の人も同じ人間だから,寛容社会の方が正しいのじゃよ」

と決めてくれる神様はいやしねえ.灰汁さんにとっては,このような言葉は異教の神の押し付けにしか聞こえぬわけだ.強烈な反発しか引き起こさんじゃろうのう・・・・ふう・・

新エントリーのテーマはこういうこつですじゃ・・・もう要らぬかの・・・ふっふっふ・・・

Vではエイリアンと地球人は混交したじゃろう?最後は(V2じゃったかな?)人類社会で生きて行くようになったように覚えとるが・・・
Commented by たんぽぽ at 2011-08-09 22:14 x
>「右派的秩序の問題」

前に、アメリカの同性愛反対は、世界観の問題になっていて、
日本の選択別姓も反対派にとっては、世界観の問題なのではないか、
と考えたことがあったんだけど、
http://taraxacum.seesaa.net/article/214867231.html
「右派的秩序」も、これらの「世界観」と同様かもしれないです。

>すでに想定内なら失礼しました

いや、そうではないです、はい。
Commented by papillon9999 at 2011-08-09 22:31
>世界観の問題

そうですね.世界観と言い換えてもよさそうですが,厳密にいえば自分たちの秩序ががっちり守られた「世界」を維持したい,ということであって,それを世界観と言ってもよいのでしょうが,もっと実感的,即物的なものだと思うのです.私は使い分けたい気がします.