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共産党は1議席かも・・・中選挙区制の恐怖
2011年 07月 05日
「小沢一郎と小選挙区制」シリーズで少し寄り道する。
小沢一郎が中選挙区制を廃棄し,代わりに小選挙区比例代表並立制を導入したことを眼の敵にしているリベサヨ陣営。しかし,彼らが理想とする中選挙区制のままであったら,今頃はどうなっているか,前記事で恐ろしい想像を披露した。それを再び書く。 『もし中選挙区制のままであったら共産党の議席はほぼゼロになっている可能性がある』 この仮説に関してコメントでやりとりするうち,とうとう自ら検証することにした。その方が話が早いからである。 そしてこの仮説を検証した所,共産党の議席は1議席と推測される結果を得た。仮説は成り立ったのである。 言うまでもないが,現状は選挙制度が変わったこと自体の影響を受けていると考えなければならない。よって,ホントに1議席に転落したかどうかはもちろんわからない。しかし,可能性としては決して低くないシナリオである。 本記事ではその検証の詳細を書く。小選挙区比例代表並立制の導入を以て蛇蝎のごとく嫌う小沢一郎は,共産党の恩人かも知れんのだ。そう思いたくなければ,以下の検証シミュレーションをしっかり検証して,この恐怖のシナリオが根拠のない戯言だと非難するがよい。 検証シミュレーションは以下のように行った。2009年の総選挙において,各小選挙区の得票を旧中選挙区ごとに集計し,各党が得た合計得票数でその中選挙区での当選人数を推計するという方法である。 もちろん,小選挙区制になってからは自公の選挙協力があったりして境界条件は変わっている。それから,旧中選挙区での候補擁立戦術や票割りの運・不運で獲得議席数は変化する。だから予測議席数が実際にその通りになるとは限らない。このことは強調しておく。しかし,可能性としては(それも決して低くない確率で),このようなこともあり得るという意味である。 それでは以下のシミュレーションをお楽しみください。 全選挙区をまじめにやろうと思ったが,ばかばかしいので,当選可能性のある選挙区だけを実際にやってみた。 中選挙区で共産党が当選者を出せそうなところは大体わかっている。京都一区,二区,大阪のいろいろ,東京のいろいろ,神奈川の一部,埼玉の一部などであろう。 この目安として,2009年の小選挙区得票率を見ても良い。共産党の得票率が9%を上回っている区だけを選び,その区が含まれる旧選挙区全体を集計の対象とした。中選挙区では定数が3~5(一部2)であり,定数5のところでも当選者の得票率が10%以下では当選は難しい(定数以内に入れない)と考えたからである。 共産党がかろうじて1議席を確保できるのは旧京都一区のみであった。そこから行ってみよう。(以下,旧中選挙区の区は漢数字で,小選挙区は算数字で表す)。まずそこから見よう。(得票数はここから,新旧選挙区対照表はここから使用させていただいた。) 2009年 旧京都一区(定数5) (現,京都1区,2区)合計 民主 206,969 自民 124,684 共産 80,461 社民 5,028 さすがは複数当選したことのある名門選挙区!共産党は立派に1議席確保できます。得票率が19.2%なのでほぼ絶対当選の域でした。(定数5の場合,得票率が20%あればどんなに悪条件を連ねても絶対当選可能である。) しかし,これ以外の選挙区はどうもだめみたいである。京都二区はおろか,金城湯池の大阪でも全滅の様相であり,東京はもう泡沫に近いところが多い。以下,具体的に示す。 2009年 旧京都二区(定数5) (現,京都3区~6区)合計 民主 488,687 自民 283,299 共産 111,256 無(野中広務後継) 89,257 11万ちょっと(11.4%)では1議席確保することはほぼ不可能である。 2009年 旧大阪一区(定数3) (現,大阪3区,1区の西区,港区,浪速区) 民主 162,621(109,518+20,232+21,691+11,280) 自民 133,960(97,121(公明)+12,114+16,590+8,135) 共産 41,135(32,432+2,606+2,038) ここは可能性ゼロ。 2009年 旧大阪二区(定数5) (現,大阪4区,5区,6区の旭区,鶴見区) 民主 305,113(135,411+121,210+48,462) 自民 238,433(98,576+97,604(公明)+42,253(公明)) 共産 75,490(28,432+35,405+11,653) ここも票割の運がよほどよければ別だが,ゼロと見るのが普通。 2009年 旧大阪三区(定数5) (現,大阪7区~10区) 民主 499,978 自民 339,702 共産 91,234 ほかにみんながあるが省略。ここも問題にならない。 2009年 旧大阪四区(定数4) (現,大阪13区~15区) 民主 350,902 自民 320,562 共産 99,705 大阪で最も可能性の高いのはこの区である。それは現13区の吉井英勝が得票率18.43%を獲得して健闘しているからである。しかし,一緒に旧四区を構成する他の選挙区が冴えず,全体としては得票率12.9%に沈む。これではまだ無理である。定数が5だったら実際には当選可能性もあるだろう。惜しい所。 ということで,大阪のシミュレーションはこれで打ち切り。ほかは可能性がもっと下がるので理論的には仮説に影響がないと判断する。 大阪はこうして打ち切って,最後の期待である東京については全選挙区を調べた。一部,新旧選挙区の対応が少しずれたりして面倒なのでざっとやったところもある。しかし,大体において大阪以下であり,最も良さそうな東京十一区などの三多摩地区でも大阪四区を超えることはありそうにない。 せっかくやった資料が埋もれるのは勿体ないが,記事にする方がばかばかしくなってきたし(^o^)/ 手書きの資料はいつでも示せるので,ここらでやめておく。また,神奈川と埼玉もちょっと覗いたが,とてもレベルに達していない。 ということはつまり,共産党の議席の可能性は京都一区以外にはないということである。(ひょっこりと穴場があるかも知れないことはここでお断りしておく。過去に議員を送り出したことのある長野,高知,宮城,秋田,千葉,その他,もし気がつかれた方はお知らせください。しかし,2009年は小沢旋風が吹いたのでまずあり得ないでしょう。) 以上が検証シミュレーションの全過程である。共産党が1議席という恐ろしい結果を生み出す中選挙区制が,それでも良いのでしょうか?あなたは。 この事実は,すでに共産,社民は中選挙区制にも堪えられないじり貧状態になっているということである。小異を捨てて影響力を行使できる数の力を構成しようとする努力がなかったのだから,これは必然の結果である。 小沢の小選挙区比例代表並立制導入は,以上からわかるように,社共潰しなんて小さなものではなかったのである。自分が絶頂の権力を振るえたその自民党を,本当に壊そうとしたのが小沢一郎である。その行動の謎を考えるべきだ。社共なんかすでに眼中になかったのである。 そこに見えてくるのは,怠惰な55年体制,そしてそれが支える霞ヶ関天国,の打破である。そしてもう一つ,見えてくるものは脱アメリカ。こうして次の記事に続きます。
by papillon9999
| 2011-07-05 17:50
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Comments(10)
↑ この妄想は煩わしかけん消すけんね
0
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このシミュレーションだとそうなりますよね。
しかし、小選挙区制だと候補者を当選させたくて投票する人は自民か民主かに入れるしかありませんよね。共産党に入れる人は当選度外視のコアな支持者だけでしょう。 複数の候補者が当選する中選挙区だともう少し票が割れていく可能性があります。 アメリカ型の保守二大政党で政権を交替し合っている二大政党制が日本にふさわしいのかよく分からないです。
pulinさん,鋭いご指摘!仰るとおりです。共産党への投票は文字通り死票となるのでそれを避けた投票行動は必ずあったはず。
ただそういう行動をとる人はどのくらいなのかは比例代表の得票率が目安になるのではないかなと思われます。 それを見ると,共産が3議席とった近畿比例での得票率が9.56%です。 すると選挙区とそれほど変わらないような気がするんですけどね。特に小沢旋風が吹いた時ですから。 でもとにかく仰るとおり,記事にも書いたとおり,1議席に転落するかどうかはホントにやってみないとわからないと言うことは確かです。
>アメリカ型の保守二大政党で政権を交替し合っている二大政党制
必ずしも必ずしもそうなるとは限らず,第三極の構成とか福祉型の方に影響力を行使しようと努力するとか,要はやり方ですね。 中選挙区であれば民主はたがが外れて,リベサヨ系が分立するようになるでしょう。残りは何となく保守が固まって,3分の2近く,サヨ系は3分の1程度を死守するのが関の山,そういう構図に舞い戻る可能性が大。霞ヶ関は保守が大好きだから。 保守では,福祉型と保守反動型で再び保守党内の勢力争いが激化するでしょう。
そもそも多様な民意を反映すると言ったって,わずか数政党に民意を集約できるはずはないわけで,民意を厳密に掬い取るには国民の数だけ政党が必要です。
政党とはいかに小異を捨てて重要事項を一緒に実現するかを志向した努力の結晶であって,すべてが一致した血盟団ではないのです。 民主党は考え方が多岐に亘る人間を集約することによって力を得ているわけです。 血盟団みたいな存在の共産党は,リベサヨの小異を捨てた合意形成を志向する時,邪魔になるだけなんですよね。 実際の社会運動でも,自分の商売道具を取られそうになると邪魔する側に廻ります。よく経験したり聞いたりすることでしょう。
みなさん,気がついておられましたか?
共産党はさすがにこの恐怖に気が付いていた節があります。 今の選挙制度の不満を訴える際に,決して中選挙区へ戻せ,なんて言っていないようですぞ。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-06/2010090602_02_1.html 中選挙区制理想論者はよく再検討のほどを。 今や,中選挙区制に戻したがっているのは保守反動勢力なんですよ。 だって,霞が関と共同で天国を作れるんだから。サヨなんて三分の一程度でぎゃあぎゃあわめかせておけばよいのだから。 ![]()
自民党自体もかなり幅が広くて自民党一党支配の頃でも派閥間で政権が移動していた疑似政権交替だったとよく指摘されますよね。
アメリカの共和党と民主党が自民党の中で一つになっているようなものでしょう。 そこに民主党(日本)ができてより拡散したわけです。 もう少しきちんと政界再編して政党のカラーをはっきりした方がいいかもしれません。 日本の全ての政党は未だに新自由主義志向というか、新自由主義的な言い方で訴えないと社会にウケないとの強迫観念にとらわれているのは、共産党も社民党すら同じなんですよね。 まずそこを改めるべきでしょう。
そうですね。疑似政権交代。私が今適当に振り分けると,池田,田中,大平,宮澤(よく覚えとらん),などは経済優先,岸,佐藤,中曽根,なんてのは国家理念,大義優先主義,というのかな。
もっと適切に解説している人がいるでしょうが,まあ,そのような感じだったですモンね。
小選挙区と比例代表の並立を導入した理由、
わたしのブログでも、一度まとめて書いてみようかなと 思い始めてきました。 (「政治改革」のことは、意外とわかってないかたが 多いみたいなんですよね。) それと、定数5のときは、16.67%の得票で絶対当選ですね。 (1/5以上じゃなくて、1/6以上なのね。) なので、19.2%は絶対当選になります。 |