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TPPは新自由主義の悪あがき?
2010年 11月 12日
最近,にわかに有名になったティーピーピー。何のことが分からなかったが,環太平洋パートナーシップの略なんだそうだ。未だにその中身は詳しくは理解できない。しかし,テレビでは誰もかれもが(当然,農業関係者は除くが)すぐに参加すべきである,と主張している。いや,正確にいえば,農業に対しても意を馳せる数少ない人が,慎重論を主張している。
さらに正確に言えば,積極的にTPP参加を主張する人にも農業へ配慮する人がいることはいるのだが,そういう人は百人とも農業の大規模企業化をイメージしており,それで農業へ配慮したつもりなのである。 パピヨンは正直言って,どうすべきか判断がつきかねていた。まあ,中身が理解できないから判断のしようがないのである。しかしながら,中身が正確には判断できなくとも,状況証拠というものがある。その状況証拠に基づいて,確かな推論によって導かれる処,それをコロンボ式推論と名付けているが,今回もそれをやってみた。その結果をここに報告する。 結論からいえば,TPP参加論は大いなる矛盾を内包している。 まず,よく理解できないままに掴んだことは,TPPは前近代的な保護主義的政策を捨て,自由な貿易と競争により経済を発展させていく,ということのようである。そのためには関税を設けてはいけないので,日本としては関税で守っている農業が壊滅的な打撃をうけることが予想される。そのことが,TPP開国反対論者の最も大きな理由のようである。 これはまあ,反対理由としては非常にまともであろう。少なくともこれからの日本の農業をどうすべきか,骨組みをしっかり作り上げてから開国に臨むべきである,と感じるのはパピヨンだけではないだろう。 とするならば,今すぐに開国しなくても,農業の骨組みがしっかりできる目処がついてからで良さそうに思われる。もちろん,開国論者にとっては早ければ早い方がいいに決まっているだろうが,ここ最近,降ってわいたような話だから,開国しなくったって急におかしくなることは考えにくい。一体何があるのだろうか? 実は,積極開国論者が急ぐ理屈として持ち出すのは,「今開国しないと,あとで参加しても不利益を蒙り,大変なこととなる」ということである。これは何度か聞いたことがある。しかし,この理屈はおかしい。よく考えてみよう。完全自由化するのに,早く入ろうが遅く入ろうが,文字通りであれば全く得失には関係ないはずではないか。だって後で入ったって自由なんだから活動は制限を受けず自由なはずである。 尤も,参加国数に限りがあるのであれば別であるが,経済活動にプラスとなるのであれば参加を制限するはずがない。もう一つ,早く入っている企業同士の取引関係が確立してしまうので後から入る余地は少なくなる,というのも考えられるが,これもおかしな理屈である。なぜなら,企業同士の取引は得になればだれとでも結びつくべきものだろう。過去のしがらみに囚われるはずはないのである。 そうすると,「今開国しないと,あとで参加しても不利益となる」というのはどういうことを意味するのか。考えられることは恐らく一つ,完全自由化ではない,ということだ。完全自由化とは謳っているものの,そこにはきっと国家の関与が何らかの形であるに違いない。 つまり,小さな政府とか自由競争原理などと言いながら,実際にはうまくいかなくなったら国家が最終的に助けてくれることを期待するシステムとよく似ているのではないだろうか。要するに,早く入った国同士が,自由貿易の結果うまくいかなくなった場合の救済システムとかなんかを,取り決めたりするのではないだろうか,自由とは名ばかりの「いざとなったら保護する」主義なのではないだろうか,ということなのである。 このように考えて,冒頭の結論に至ったのであった。このように,TPP参加論は大いなる矛盾を内包しているのである。 そもそもTPPの発想は,経済未発展国をも巻き込んだ,壮大な自由競争原理であり,力づくの勝負の原理であり。破綻したら国家の大いなる助けを受ける,何のことはない,新たな新自由主義の新型バージョンなのである。すぐには結び付かないが,新自由主義独特の椅子取りゲームでもある。貿易相手国の経済的パイは有限なのであるから。 最近唐突に叫ばれ出したのも,これは新自由主義が生き延びるために必要な変身,いや悪あがきの類というべきである。 日本はこれに巻き込まれることはない。日本は独特の感覚を活かす道を選ぶべきである。農業の自立とアニメやマンガの発想を活かした製造業,CO2削減やリサイクル等の資源枯渇時代に備えた特殊技術,などじっくり検討すべきである。 そんな悠長なことは言っておれないって?それはわからないが,少なくとも検討する時間は必要だ。農業の自立って夢物語だって?それもよくわからないが,コメを大量に作って政府がすべて買い取ることをやっても良い。その金はどこから来るかって?これまで現金や工業製品で海外援助していたカネをこちらに回すのだ。無理だって?ではその根拠を示してもらいたい。どの程度無理なのか,ぜひ知りたい。 しかし,何といっても,いかにコロンボ式推論といっても,推論の限界がある。そのために,タイトルに?を付した。これで一応の謙虚さを示したつもりである。
by papillon9999
| 2010-11-12 01:16
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Comments(4)
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TPP参加後には農業保護のために配慮すると
約束したこと等、綺麗に忘れ去られて 「個別保障反対」とか「農業だけ大事にするのは不公平だ」 とか情報操作して、TPP参加の条件として約束した事など 反故にされてしまいかねないような気がします。 本気で農業を守る気が有るのならそのための法案を 通した後でTPPに参加しても遅くないでしょう。 何か小泉改革の負の遺産部分ばかり目立って ますねえ。 「TPPというバスに乗り遅れるな!!」という雰囲気は 戦前同様に危険です。 これなら宜しいですかね…(^o^)/
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首相、国民皆保険は「断固守る」
http://mainichi.jp/select/seiji /news/20111116mog00m010006000c.html こういうことに話が行くのかとびっくり しました。 TPPがわからないという人は、農業対 製造業の綱引きと誤解しているから ではないかと。
そうなんですよ。私もこれには気が付いていました。たしか中野剛志?って人の所論をブログで見たことがあって,(ざまあみやがれさん),ああ,こういうことなんだって本質を見た気がしたんです。
野田首相のこれは,その指摘が的外れじゃないってことだって気がしました。 ほんとに,製造業か農業かってことじゃなかったんですね。 実は今記事にしている処です。記事の趣旨は,訴訟業とか教育業とか防衛業とか,自由に開放せよと迫られたらどうするの?って感じです。 日本だってどうして相手に迫らないの!っていうおバカな記事とコメントを最近見ましたが,なんで「迫りごっこ」せにゃあかんの!って感じ。 出張間近で時間がとれなくって(^o^)/^^^^^^^^^^ |