反社会的団体とは何か

　どうやら終息はした模様であるが，ひところのヒステリックな報道にはあきれてしまった。貴乃花親方初め大相撲関係者に対する「反社会的団体」との付き合いに関するバッシングである。峠を越したとはいえ，またいつか繰り返されるのは目に見えているので，忘れないうちに書いておかねばならない。



　断わっておくが，反社会的団体＝暴力団やその関係者と契りを交わした義兄弟だったり，厚い友情関係にあったり，利益共同体を構成して付き合ったりすることは，即刻相撲界追放となる「重罪」であることは間違いない。しかし良く聞いてみると，少年相撲の指導の打ち上げ宴席にその方面の関係者がいた，というレベルの話ではないか。付き合い，なんてのには程遠いレベルだ。過剰反応にもほどがある。これでは道端で道を聞くにも，相手の身元を確認してからでないとできない。ばかげた話だ。

　そもそも，「反社会団体」という言葉を使って批判報道を繰り返していること自体に，大きな偽善と矛盾を含んでいる。そのことに気が付かない報道関係者は全くおめでたいというしかない。許されるのは今この瞬間にでも「反社会団体撲滅」を命を張って戦っている人だけだ。「反社会団体」がそれほど存在が許されないのなら，大相撲が付き合おうと付き合うまいと関係ない，大相撲との関係ではなく，反社会団体の存在そのものと日常的に戦い続けていなければならないはずだ。
　ただし，撲滅が可能かどうかはパピヨンは保証できない。報道姿勢の矛盾を指摘したいだけである。

　これと連動させるのは違和感を感じる人もいるかもしれないが，パピヨンは「政治と金」の問題追及にも同種の偽善と矛盾を感じている。しかし，ここでは強く主張するのは控えておく。