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坂本龍馬症候群
2010年 07月 20日
読者の皆さんは坂本龍馬はいかがお思いですか?NHK大河ドラマも旬に入ったようで,舞台となる長崎では大変な盛り上がりだという。そこで,復帰第一弾は坂本龍馬の話題をお届けします。
パピヨンは実は今回の大河ドラマは見ておらず【注1】,どのような出来になっているのか論評する立場にはない。ただ,これに抱いている印象は,福山雅治クンが慌ただしく走 り回っていること,そして声のトーンも常にシャウトしているようなキンキン感が充満していること,といったものだ。これはあまり良いイメージではなく,パピヨンが見ていないのもこれが災いしている。だって,そのような場面が予告編で繰り返し流れたのだから,そのイメージに囚われてしまうのも無理はないだろうと思っている。 ところが,見ない理由はそれだけではない。坂本龍馬自体にあまり興味を感じなくなったのである。日本人には龍馬が大好きな人が多い【注2】。政治家のアンケートでも多く挙げられる人物だ。そのイメージは司馬遼太郎が描き上げたのものだろうが,とにかく多いはずだ。(武田鉄也の海援隊を見よ)。 龍馬の最大かつ最良のイメージは,新しい日本の建設のために新旧勢力の対立を止揚し,一致して建国以来の難題に当たらせようとしたことだろう。 すると。もし龍馬があの時寺田屋で暗殺されなかったら,日本は,世界はどうなっていただろうか?と興味が湧かないわけではない。 龍馬は新政府でどんな役割を果たしただろうか?国民支配の道具として国家神道に基づく天皇教を作り上げただろうか?富国強兵の道を切り開きアジア侵略まで突っ走っただろうか?岩崎弥太郎を凌ぐ国際グローバル企業を作り上げただろうか? いやいや,日本とアジアの民衆,朝鮮と中国を含む世界の民衆が20世紀の悲惨な戦争に翻弄されない歴史を築いてくれただろうか? すでにお気づきのように,このような問い自体がきわめて無意味な行為である。それにパピヨン自身,龍馬本人の思想なり人物なりを研究したこともないのでコロンボ式推論もできない。ただ言えることは,龍馬本人の意識は知らず,我々が龍馬を語る時,それは常に国家の論理,国家の目線で語っていることである。ビルの屋上から見た論理である。 庶民が国家の論理で語ることは別に悪いことではない。しかし,問題は自らの論理で語れるかどうかである。標題の「症候群」とは,このあたりに陥穽を感じたからである。すなわち,我々は国家の論理で考えるのをかっこ良いと思うが,自らの頭で考えている論理でないとすれば実に虚しい。往々にしてお仕着せの論理,要するに借り物,真似,の類にすぎないものを得々として語っていることも多いのではないだろうか【注3】。 もしこの感じが当たっているとしたら,これは非常に怖いと思う。近くは小鼠-竹中の弱肉強食の論理に乗せられたこと,遠くはファシズムにまで通じるものがありそうである。いや,ごく最近においてさえ国家財政の健全化がある。健全化のためには思い切った増税が必要だ,の論理を自らのものと錯覚することがある。 そりゃ,ホントのホントに増税が必要なのかも知らんけど,それは軽々に乗ってしまってはいけない。ここは庶民の素朴な忌避感情丸出しで良いと思うのだ。地表からの目線論理である。 (消費税は実は高所得者ほど税金を多く払うことになる(だから庶民は歓迎すべきものだ),という考えも確かにある。しかし,金持ちは本質的にケチなのであり(失うものが大きいから),そういう場面になると期待したほどには払ってくれないのではないかな?) 消費税増税は,払った税金がすべて国民のために使われるということを確信できるようになるまでは,少なくとも推進するのはやめておいた方が良さそうである。(異見歓迎) (ところで,一般取引税に関して静かなる革命さんからその構想を書いた資料を戴いたが,まだ勉強していません。すみません。早く勉強したいです。) いや,税金の話ではなかった! もう一つ,龍馬症候群の他の症例を挙げておく。それは日本のいろんな組織の中に蔓延していると思っている。自らを龍馬に見立てているのかどうか知らないが,とにかく改革とやらを推進したがる病理である。 実はパピヨンは若いころからずっと革新派で通してきた。従って,改革・革新を求める側であったのだ。しかし,年取ったら新自由主義の世の中になって,改革が悪となることがあるのを目撃した。それで,今ではパピヨンは守旧派である。年取って守旧派に転じざるをえなくなるとは夢にも思わなかった。 民法改正などずっと以前から改正が必要だと叫ばれていることは遅々として進まず,単に上にある物を下に移すだけのような改革がどんどん進行する。いや,無害ならまだいいが,その多くは少数者の富の寡占を増進する作用をもたらす改革である。これを知ってか知らずか,龍馬気取りの壮者たちが組織の論理を振り回して改革を進めていく。残念なことに,そういう人の中にも知性と品格が欠けている人は多い。そういう人たちの確信は怖い。 【注1】 昨年の大河ドラマは何だったか覚えていますか?妻夫木君の直江兼続でしたよ。タイトルは「天地人」。兜になんと「愛」の文字を掲げて戦場を駆け巡ったという,あの武将です。このドラマは初めの頃は毛嫌いしてみていなかったのですが,途中から見始めたらとてもよい出来だと感じましたよ。最終回の最後の場面,静かに息を引き取る場面ではパピヨンはジンと来たのでありました。実は,この材料で書きかけの記事があるのですがどうやら陽の目は見ないかもしれません。とにかく,兼続はにっくき家康の配下に下ったのですが,その事情もよく理解できたドラマでした。 【注2】 パピヨンも実は多少は影響を受けた口だろうと思う。その原因は若いころに見たこれまたNHKの大河ドラマである。大河ドラマ一覧で確認するとそれは「龍馬が行く」。多感な時季でこれには感動したことを覚えている。主演は北大路欣也。龍馬の姉役は水谷良重ではなかったか? この所為で北大路欣也という役者のイメージは常に龍馬がつきまとって離れなかったが,感動したことは間違いない。最終場面で未だに覚えていることは,たとえ死ぬ時でも前向きに倒れたい,という趣旨のセリフだ。確かにそれはあった。そしてこのドラマでは龍馬はあくまでも”武士”であった。今回のはどうか? 【注3】 借り物の論理でなければよいか,というとそうとも言えないのがもどかしい。自らの独自論理をまた客観的に見ることができない確信はこれまた怖いのである。これを担保するのは知性と品格であろうか?品格とはパピヨンの記事ではいつも悪役だった。ホントは重要で価値の高い概念なのであるが,使う人の“品格”が悪かった。「国家の品格」だの「横綱の品格」だの。
by papillon9999
| 2010-07-20 20:14
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Comments(8)
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私も大河ドラマがつまらないので見る気がしませんね。
全盛期はやはり60年代後半~80年代前半だったと思います。私の場合、幼児期から青年期にあたります。 役者の演技力が今のチンピラタレントとは大違いでした。 第一作の「花の生涯」なんて尾上松緑、佐田啓二、 嵐寛寿郎、淡島千景等という大作映画ばりの豪華キャスト。 音楽も富田勲が手がけた作品が多く、壮大な世界観を 構築していたと思います。 坂本龍馬は北大路欣也より、「勝海舟」の藤岡弘が印象に 残っています。人斬り伊造を演じた萩原健一も良かった。 おじん回想モード全開…(^o^)
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>自らを龍馬に見立てているのかどうか知らないが,
>とにかく改革とやらを推進したがる病理である 自分のやっている(やろうとしている)ことを、 とにかく「改革」と称したがる、というのが、 より正確かもしれないです。 反動への退行現象だったり、叩きやすいところを、 叩いているだけだったりで、ふつうそういうのは 「改革」と言わないでしょ?というのが多いですからね。 (いや、やってる本人たちは、 「改革」のつもりなのかもしれないけど。) エントリの主旨と、直接関係ないけれど、 わたしは、坂本竜馬を、あまり知らないのでした。 政治家が竜馬を引き合いに出していても、 ぴんと来なかったりします。(苦笑) こういうふうに、たんぽぽは、人がだれでも 知っていることを知らないから、 世間知らずなんでしょうけど。 でもって、そういう「おぼこ娘視点」で批判するから、 地雷を踏んで、痛い目にもあうんでしょうけど。 でも、「おぼこ娘視点」であるかぎり、 「借り物の視点」にはならないと思うのでいいかな? なんて思ったりもするけれど。 (ああ、エントリの主旨のお話になった。)
>第一作の「花の生涯」・・・
若き時代の大河ドラマを良く覚えておいでですね。私は赤穂浪士からからです。長谷川一夫の大石に,舟木一夫の矢頭エモシチ(漢字が出らん!)義経の尾上菊ノ助,藤純子,緒方拳の弁慶,炎立つの渡辺謙もじっくり見たドラマでした。 勝海舟は藤岡弘だったんですか,完全に忘れとる。萩原健一は思い出しました。すごい。
たんぽぽさん
私のこの記事は読む人によって,自分が遭遇している「改革とやら」の中身次第で印象が変わるでしょうね。 すでに改革という言葉に陳腐な響きを感じて,以前の記事(確か前回冬眠から醒めた時)で「改革より変革だ!」を書いたような気がします。 でも言葉はどうであれ,真に必要な変革は霞が関支配の打破を筆頭に大量に残っています。 でも今身近にある「改革とやら」は,我々市民同士が競争しあい,監視しあうようにならざるを得ない方向性を持っています。会社や学校,大学,みなその方向です。 ところで,たんぽぽさんは世間知らず?いやあ,とんでもない。そうではないと思いますが,それより世間は知らなくてもよいのではないでしょうか。たんぽぽさんの感性があれば。借り物の感性ではなくみずみずしい感性です\^_^/ 世間とはしばしば日本社会の負の側面として作用します。民法改正のブレーキ役ともなっているかも。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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>たんぽぽさんは世間知らず?いやあ,とんでもない。
>借り物の感性ではなくみずみずしい感性です ああ、いや、かいかぶりですよ。 持ち合わせている知識や常識が、 わたしは、まわりの人たちと違うなと思うことはあります。 おぼこ娘でないとしたら、異邦人なのかもしれないです。 (あらあら、やはりわたしは、ユダヤ娘のようね。(苦笑)) ![]()
いやいや、たんぽぽさんが世間知らずだと言うのは、ある意味正しいでしょう。
水伝騒動の時なんかもそうですが、世間知らずでないと、あんなに真面目に論争はしないでしょうからね。世間ずれした人間なら、自分の立場がまずくなるような意見は最初から言わないでしょうからね。
>ユダヤ娘
お―そういえば,たんぽぽさんもパピヨンもユダヤの手先なんでしたねえ!懐かしい!! Dマゴギーさま 「世間知らず」というよりは仰るように「世間ずれしていない」,「世間に巻かれない」,ということでしょうかね。恐らく世間のシキタリをお知りになっても同じことでしょう。 水伝では世事に疎いまま孤軍奮闘されていたのを瑞々しく感じたものです。 |