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死刑考
2006年 03月 22日
インド北部の村で悲惨な事件が起こったらしい.ヤフーでは確認できないが,中国系のサイトで発見した.その村のある男が誰かを呪い殺そうとしたらしい.既遂か未遂かわからない.するとその罰として,その男の家族五人(子供も含まれていた)が,広場で公開処刑されたというのである.その方法は首を刎ねることであった.
こういうのは,犯罪抑止力としての罰則を厳格に実行したと考えてよいのだろう,関係のない子供まで,家族の一員という理由で処刑される,というのはどう考えても身震いがする.イスラム教や旧約聖書に見られる,「目には目を」,「歯には歯を」というのも,因果応報の規則で以て民衆の犯罪に対する抑止力を持たせたかったのだと思う.(これがイスラム教徒=テロリスト,という謝った公式を産み出す原因と思われる). 翻って世界を見ると,なんと,世界の3分の2が死刑廃止となっている.アムネスティ・インターナショナルの最新の情報によれば, ・あらゆる犯罪に対して死刑を廃止している国:86カ国 ・通常の犯罪に対してのみ死刑を廃止している国:11カ国 ・事実上の死刑廃止国:25カ国 ・死刑存置国:74カ国 と書いてある.そして,国連などによる調査データでは,死刑を廃止したことによる悪影響,つまり凶悪犯罪の増加傾向は見られない,という.もしそれが本当であれば,犯罪抑止を目的とした死刑制度は意味を失うことになる. 一方,被害者自身(遺族がいればそれも含めて)の復讐への配慮はどうか.初めのインドや旧約聖書などの例でも,抑止力のほかに,この「復讐」を本人に代わって行う,という意味も存在するに違いない.この「復讐代行機能」は,死刑廃止によればなくなってしまう.しかし,それでいいのだろうか.「人の人権を踏みにじって凶悪犯罪を犯した者,その者の人権ばかり考慮して,踏みにじられた者の感情は無視する」という素朴な不公平感情は決して無視できないと思う. というのも,「復讐心」が満たされない場合は,被害者遺族のその後の人生に多大な悪影響を及ぼすことが想像されるからだ.つまり,殺された被害者本人のみではなく,死刑を廃止すればその周りの者にも2次被害が及ぶのだ.これまでの死刑廃止論はこのような点までしっかりと考えてあるのだろうか. アムネスティ・インターナショナルには不思議なことにそのような被害者へのケアの個所は見当たらないのであるが,そうだろうか.万一そうであれば,片手落ちも甚だしいと言わざるを得ない.あの亀井静香議員も死刑廃止の先頭に立っておられる.しかし,そのメッセージを見ても, 被害者の報復感情を満足させるという考えは大昔からあります。 人間ですから。しかし、報復感情を個人としてもっているということと、 国家としてそれを認めるということは別の問題です。私たちは、国家が 否応なしに、被害者に代わって報復するということと決別すべきです。 としか書いてない.国による「復讐代行機能」を否定するのはいいとして,個人の「報復感情」は否定しておられない.それをどう処理するのかも考えて欲しいのだ.確かに,「被告が死刑になっても生き返る」わけではない.しかし,遺族の多くにとってはその死刑が,被害を乗り越えて再出発する原動力となることが十分考えられる.一般人は宗教家ではないのだから.このように,私の人格の(低い)レベルでは,どうしても死刑による復讐の機能をなくす勇気を持ち得ない. 問題は「冤罪」にある,ということは私もよく承知している.多くの死刑廃止論者も,冤罪の危険性を理由としていることだろう.「冤罪は不可避について廻る」,「冤罪は絶対になくならないのが自然の法則なのだ」,ということであれば死刑廃止でもしょうがないとは思う. おそらく大きな視点では死刑廃止が正しいのだろう.しかし,死刑廃止を主張するなら,「復讐心」を満たされない,従って人生の再出発もできない遺族への配慮も真剣に考えてもらいたいのだ. この項続く. ![]()
by papillon9999
| 2006-03-22 01:25
| 済み
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