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共産党による浅野批判の悪意性(7)
2009年 11月 22日
いよいよ,Bのカテゴリーに論点を移します。我ながらちょっとしつこいかなと思いつつも,乗りかかった船ですから,船がどこかの港へ着くまでは続けざるを得ません。しかもたんぽぽさんがこのシリーズ記事の紹介までして下さったので,益々やめるわけには行かなくなりました(^o^)^^^^^^^^^^。
ところで,Bの論点は複雑に見えて単純でした。しかし,枝葉がついて非常に見えにくいのです。それはこういうことです。まず,赤旗が攻撃した論拠は不正確なデータでした(県のみではなく市町村分も合計されたもの)。それで,それをおかしいと批判した東本さんは正当だったのですが,反論に用いた統計データもややズレた資料(一人当たりの支出費ではなく県財政支出総額に対する割合)だったのです。 東本さん自身もそのズレがわかっていて,それが一人当たりの額の目安になるという考察を以って何度も訂正を試みるのですが,それが大きな混乱を招いたように思われてしまいました。 しかし,その誠実な意図は僭越ながらこのパピヨンが代わりにお伝えしようと思います。それに対するmsqさんの反論はやはり的を射ていません。以下,このようなことを見ていきます。 9.”住民税は一番高い,ところが福祉は?” まず,論点Bを二つに分けます。結局,論点ツリーは次のように考える方がベターです。この節は太字の部分に関する議論です。 A.国保の取上げ数 (1)前県政がゼロだったこととの比較 (1)-1 浅野時代の推移(総数) (1)-2 浅野時代の推移(取上げ数比率) (2)国保取上げは県ではなくて市町村だ (3)2005年に1年間で26倍に増えた B.住民税と福祉関連財政支出について (1)住民税の高さとの関係 (2)一人当たりの支出と県財政に閉める支出割合 まず,赤旗が為した批判を見ましょう。 (3)「しんぶん赤旗」東北版、2003年3月8日付記事。 「総務省が出している『統計でみる県のすがた』という行政水準の比較があります。私は、東北六県の比較をしてみました。そうしますと、宮城県は一人当たりの住民税は、六県中一位です。みなさんは一番税金を払っていらっしゃる。これは、ぜひ覚えておきたいことです。ところが一人当たりの民生費、つまり福祉費は六位、最下位です。教育費も六位、衛生費も六位、つまり巨大開発病のしわ寄せがここにきているんです。」(志位委員長) ここで論点が二つ現れます。一つは住民税の高低と福祉費の高低を赤旗は関連付けようとしていて,それが適切なことかどうか,という問題です。もう一つは共産党の言う統計数字が,”浅野県政は福祉に冷たい”という仮説の証明となりうるのかどうか,という問題です。これら二つを区別するために,この記事ではBの論点を二つに分けたのです。この9節では一つ目の問題についての考証をやるわけです。 さて,下線部を読んだ人はどのように感じるでしょうか?なんか,浅野知事は住民税を他の県より沢山取っていたのか,という印象を受けますが,いかがでしょう?しかし,これは所得水準で決まることであって,浅野氏の責任とは無関係のことなのです。そのすぐ次に「ところが」という逆接の接続詞があるので,意図的な印象操作の疑いが非常に濃いです。でもまあ,あまり追求しないでおきましょう。(^o^) 東本氏はこの論点に関して,次のように書いています。 [AML 12526] 「赤旗」の浅野批判の誤謬について by 東本 ここにもまたまやかしがあります。志位氏は、「宮城県は一人当たりの住民税は、六県中一位です。みなさんは一番税金を払っていらっしゃる」と言います。 ほんとうにそうか? 下記は、『統計でみる県のすがた』に見る東北6県の住民税の1990年度から2000年度までの5年単位の推移です。上記の志位氏の発言は2003年3月のものですから、志位氏が参考にしたのは下記のうち2000年度の住民税の数字でしょう。 【人口1人当たり住民税(単位:千円)】 1990 1995 2000 青森 55.4 61.0 61.3 岩手 59.4 65.9 65.4 宮城 86.1 88.0 81.8 秋田 56.9 63.8 61.2 山形 64.0 68.9 67.3 福島 70.6 72.5 69.6 上記の表を見れば、確かに宮城県の住民税がダントツに高い。東北6県のうち宮城県の住民が「一番税金を払って」いるということはいえます。しかし、ご承知のとおり、住民税は均等割と所得割とからなっており、そのうち均等割の税率は全国一律です。宮城県が特別高いというものではありません。また、所得割の標準税率も全国一律であり、これも宮城県が特別高いということはできません。 ではどうして宮城県の住民税がダントツに高いのか? いうまでもなく、東北6県の中で宮城県の個人所得水準が一番高いからです。所得割の税率が全国一律であるならば、個人所得水準の高い県の住民税が高くなるのは道理です。それを志位氏は、「みなさんは一番税金を払っていらっしゃる」と、あたかも宮城県の税率が他の東北6県に比して一番高いかのように言う。これも為にする「浅野県政」批判というべきです。 東本氏は,赤旗記事の下線部分が,『浅野氏の所為で住民税が高いのだ』,という印象を与えかねないので,そうではない(浅野県政の責任ではない)ことを一生懸命主張しています。内容は同意できるものでしょう。 それから,下線部の「ほんとうにそうか?」の部分を考えて見ます。これは,一人当たりの住民税が宮城県では一番高い,という主張への疑問でしょうか?そうでないことは明らかです。なぜなら,後の方で,「ではどうして宮城県の住民税がダントツに高いのか?」という文章があるからです。一人当たりの住民税が高いことは争う余地はありません。 実は,この疑問は,赤旗が用いた「一人当たりの民生費」のデータが,県だけではなく市町村が支出した分も含めた額のデータだったので,それに対する疑問(=県だけの責任かどうかはわからない)をぶつけたものです。それについては次回の記事で考察します。 ここ,9節では,「一人当たりの住民税が高い」,「ところが」,「一人当たりの民生費は最も安い」というように,逆接の関係で関連付ける赤旗の論理への疑問を考えます。つまり,『住民税を高く取っておきながら福祉費には少ししか廻さない』という福祉に冷たい印象を与える論理への疑問です。 この東本氏の反論に対し,msq氏はずっと触れないでいますが,初めて現れるのは次の論文で,しかも「さるのつぶやき」という他人の論文の引用で反論します【注1】。 [AML 12763] 東本氏のトリックを批判する(その2) by msq 東本氏の、"[AML 12666] 「赤旗」の浅野批判の誤謬について(再訂正版)" について、「さるのつぶやき」というブログが次のような批判をしています。 "2007年3月15日 (木) 「浅野批判の誤謬」という誤謬(補充・追加)" "民生費・教育費・衛生費に関する批判は、批判された方が引用している統計表の見誤りです。" 、"住民税の話も、その税率が高い低いの話をしているのではありません。住民税はたくさん取っておきながら、福祉の費用には最低の支出しかしてないとは何事かということなのです。" など書いています。是非一読を。 では,「さるのつぶやき」の「住民税はたくさん取っておきながら、福祉の費用には最低の支出しかしてないとは何事かということなのです」という論理を吟味してみましょう。実はこの論理には致命的な欠陥が存在します。それを指摘するためにパピヨンはわざわざ一項目を立てたのです。 「住民税が高い」のは結局は「所得水準が高い」ということです。これはさる氏も認めています。そうすると,さる氏の論理, A「宮城県は一人当たりの住民税が最も高いのです」。「ところが」,「一人当たりの福祉費は最も安いのです」 は次の言明と同値です。 B「宮城県は一人当たりの所得水準が最も高いのです」。「ところが」,「一人当たりの福祉費は最も安いのです」 どうでしょう?Aのように言えばなんとなく通じるような感じがしますが,それと同値なBでは,「ところが」の逆接接続詞が全くおかしいことが明らかになります。つまり,所得水準が高ければ福祉費はそれだけ少なくて済むかもしれないと言う合理的な根拠が存在するので,Aの言い方は全くおかしいことがわかるでしょう。(Bを介してわかりやすくなった)。これはかつさんがたんぽぽさんの記事のコメント(2009年11月06日 04:52)で書かれた趣旨の論拠と同じものです。 このように,赤旗の主張する「ところが」という逆接論理はとても不自然なこととなります。それは例えば次のような例文で考えてみればさらに明らかでしょう。 「長嶋は優れたバッターでした」。「ところが」,「彼はとても人気があったのです。」 こういう逆接が成立するためには,優れたバッターは嫌われる,と言う常識が必要ですが,普通の世界ではあり得ません。(阪神ファンからは嫌われたでしょうね(^o^)。でも何の前提も無ければ住民税の話とともに順接の世界です。)つまり,次の論理が普通なのです。 「長嶋は優れたバッターでした」。「従って」,「彼はとても人気があったのです。」 「宮城県は一人当たりの所得水準が最も高いのです」。「従って」,「一人当たりの福祉費は最も安くて済んでいるのです」(本当かどうかは知りませんよ。論理の話です。) または「長嶋は優れたバッターでした」。「ところが」,「彼はとても嫌われたのです。」(24日追記) それから,一人当たりの福祉費ではもう一つ理由が考えられます。宮城県は東北で最も人口が多い県です。人口が多ければ共通部分(オーバーヘッド)がかなり効率化でき,一人当たりの費用は少なくて済む可能性も高いのです。 そして,東本氏も指摘しなかった重大な恣意性がさらにあるので,この節の最後にそれを指摘しておきます。上記の一人当たりの住民税の表をもう一度見てください。その中の1990年のデータ,そこでも宮城県がダントツに一位ですね。これは本間県政時代の話です。すると,本間県政時代には一人当たりの福祉費は多かったのでしょうか?実は赤旗が浅野攻撃に用いた同じ表の1990年のデータは以下のようになっています。 http://www.pref.akita.jp/tokei/xls/001404508200210000004.xlsより 【人口1人当たり民生費(単位:千円)】(県・市町村財政合計) 1990 1995 2000 青森 84.0 115.9 140.9 岩手 72.7 100.4 113.6 宮城 49.8 72.9 87.1 秋田 81.5 117.7 131.1 山形 57.4 91.8 96.8 福島 49.2 80.1 94.9 確かに1990年の本間県政下ではわずかの差で最下位を免れています。しかし,住民税を見てください。ダントツに高いのです。すると赤旗の論理で行けば本間県政も決して褒められたものではありません。浅野時代は住民税が少なくなっても福祉費は増えている,ということもできます(いずれも一人当たり)。こういう場合は,赤旗は前県政との比較はやりません。国保取り上げ数に関しては,前県政との比較をしつこく行いましたが,ここでは皆無なのです。 要するに,どのように組み合わせるかでいかような結論らしきものでもその気になれば導けるのです。しかも,このデータは県と市町村財政の合計での話であることをお忘れなく。 少なくとも,このような委細を構わずに浅野攻撃を行う,これは悪意なくしてできないことだと思います。シリーズ記事のタイトルに,”悪意性”とつけたのも納得していただけるのではないでしょうか。 【注1】 この論文の後の方でmsq氏は東本氏に不可解な非難をつづっています。つまり,東本氏が住民税の均等割りや所得税率の話に言及している事に関して,『「浅野知事が特別悪いわけじゃない」という印象付けのためでしょう』と書いています。でもパピヨンにはこの論理が全く理解できません。
by papillon9999
| 2009-11-22 00:21
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Comments(14)
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このシリーズ、まだまだ続きそうですね。
枝葉末節に拘り過ぎて、本質を見失い「声の大きい方が勝ち」理論で仲間の足を引っ張りまくる様は 民主党の馬鹿パフォーマンスの極みである、事業仕分け人共 の傲岸不遜、無知蒙昧さを彷彿とさせます。 いかん、いかん又関係無い事を書いてしまいました(笑 引き続きこのシリーズ愉しみにしております。
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続編の再開がんばってくださいね。
>しかもたんぽぽさんがこのシリーズ記事の紹介までして下さったので わたしがプレッシャーをかけたみたいですね。 なんだか恐縮です。 無理をなさらないよう気を付けてくださいね。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
>わたしがプレッシャーをかけたみたいですね
>無理をなさらないよう気を付けてくださいね いえいえ,何か皆さんに誤解があるようですが,このシリーズ記事は全然苦痛とか苦心作とかではないんです。むしろ,イエスの死因の謎を解くとか,911陰謀論を暴くとか,それらと似た楽しさがあるんですよ。 だけど,これまで革新のシンボルであった共産党が,これほどまでとは思わなかった,という意味で残念というのは事実ですねえ。それを突付かねばならないのは非常に心苦しいのですが,記事自体は結論を悩むことなく書くことができて,楽なんです! 他のコメもご参照ください。
Looperさんとやら,わずらわしいからTBなんかするんじゃないよね。あなたが言いたいことがあれば自分の所で書いていればいいでしょう。
こちらは失笑系の記事なんか見るヒマはないんですっ。 ↑ のTBされた記事の頭の文だけ見ても,「必死」とか「逃げに入ったようです」とか,主観的文満載のようだから見に行っても時間の無駄だってことは容易にわかるの。 自分の所で精一杯主張しなさい。 何かパピヨンと語り合いたいのであればコメントにください。謝絶はしないから。その内容によっては相手をしてあげます。
補充ね。
>その内容によっては というのは例えば,パピヨンは共産党についてこんなこと言ってるけど,実はこうだから全く間違っている,とかね。 このくらいのことを言ってくれたら見直しますよ,Looperさんとやら。 ![]()
Looper氏など失笑系共産党支持者にとっては、自分の考えが絶対であり、他人の見解など知った事ではないんですよ。
困った事に、Looper氏みたいな共産党支持者は、結構いるんですよ。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
>困った事に、Looper氏みたいな共産党支持者は、結構いるんですよ
そうなんですよね。そういう妄信者でない方も多数おられるけどね。AML保存書庫を見ても,吉田さんを早々と擁立して済ました顔している態度に賛成してない支持者もおられましたよね。 このコメントは大変うれしいです。ありがとうございます。
匿名さま
状況わかりました。パピヨンが察するに,以下のようなことではないかと想像します。 現場でどうしても付き合わざるを得ないのですよね。 その時にかの人たちの態度とか指導者ヅラとか,そのようなことが一緒にやれる人たちとはとうてい思えなくなるのですよね(きっと)。 そうであればパピヨンも経験があるのです。 このコメントを戴いたことは,パピヨンの一生に残る名誉に感じます。ありがとうございます。簡単ですがこれで万感の想いをお察しください。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
はいはい,Looperさんとやら,あんたは相手にされてないんだって,
ちゃんと記録しておいてあげるから目障りなTBはよこしなさんな。 Looper's Log at 2009-11-26 08:21 x タイトル : 「でまかせ」の証明は? Tracked from Looper's Log at 2009-11-25 09:36 x タイトル : 逃走? どうやら、たんぽぽさんもアルバイシンの丘さんも、必死の逃げに入ったようです。 たんぽぽさんにはTBを何度も打っていますが、全然反映されませんのでSeesaaさんに問い合わせましたところ、システム的には問......more という二つの記事をTBしてきましたが,失笑系の記事は相手にしないので消しました。はい,終わり。 パピヨンと話をしたかったら,上に書いとるけん,よく見てね。 ![]()
Looper氏へは、「ttp://blog.goo.ne.jp/urmt/e/2ef5667b058ce0d6446d0972e0360890での結果を出してから語りなさい。」と返して、後はスルーしておくのが上策でしょうね。
あっという間に時間がなくなり,大変困りました。(^o^)
Lさんともうおひとかたがとても痛々しくて見てはいられません・・・ 共産党は名誉職に退いたら,党への寄付はしなくてよいのですねえ あとは「個人献金」の上がりで「老後は安泰」と行けるんでしょうか・・・ |