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共産党による浅野批判の悪意性(1)
2009年 11月 08日
0.前置き
この記事は事情を知らない人にとっては全然意味がわからないはずです。すみません。でもコトはあの二年前の悪夢の都知事選,最悪の石原三選を阻止できなかった原因にも遠く絡んできます。 最近パピヨンは日本共産党への嫌悪感がものすごく膨れ上がっていたところでした。そこへたまたま神戸市長選【注1】における共産党の信じられない所業【注2】を知って,怒りが倍加していたのでした。ところが,そこでの議論のやり取りに付随して,全く同様の構図であった,あの悪夢の石原三選が絡んできたのです。 当時,一本化できなかった反石原陣営同士で激しいバトルが繰り広げられたのですが,そこで行われた,共産党による浅野批判はすさまじいものでした。その共産党による浅野批判に対し,浅野支持派からの反発も大きなものだったと思います。その論争の一つといってよいと思いますが,次のような『歴史的資料』を紹介した人がおられたのです。 「AML保存書庫」 http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-March/thread.html#12325 (詳細は前記たんぽぽさんの記事における2009年11月04日 23:27のコメントをご覧ください。) その保存書庫は初めて見るものでしたが,そこではすさまじいバトルが繰り広げられていました。そこでのバトルは次のような対戦カードです。 『共産党による浅野批判は誤謬だ!』 対 『浅野批判を誤謬とする論理はトリックだ!』 本記事はこのバトルの検証です。さあ,一緒に二年前の歴史時代に遡ってみましょう。(本記事におけるパピヨンのリードに異論があればご指摘ください。) 1.問題の整理 まず,主演のお二人を紹介しておきます。『共産党による浅野批判は誤謬だ!』は東本氏,『浅野批判を誤謬とする論理はトリックだ!』はmsq氏の主張です。 このバトルではいろいろな要素がごった煮状態で重なり合っていて,論理の筋道は鬱蒼とした枝葉に覆われて非常に見えにくくなっています。そこで,最初に分析してみた所,次のようなカテゴリーから成り立っていることがわかりました。 1.共産党による浅野批判の妥当性 2.それを『誤謬』だとする東本氏の反論の妥当性 3.東本氏の反論を『トリック』だとするmsq氏の反・反論の妥当性 各種議論に関して,以上のカテゴリーとともに反石原陣営の候補一本化に対する価値観の相違が大きな影響を与えています。例えば, ・浅野氏は石原氏と同じ穴の狢なのか,自民党以上に自民党的,なのかどうか ・吉田氏(共産党の独自候補)の方が先に立候補を決めたのに,後から浅野氏を擁立したことは浅野派が分裂させた責任を負うべきことになるのかどうか ・一本化の場合,なぜ先に決めた吉田氏では駄目で浅野氏なのか というような点に関する価値判断が根本的に違っているのです。 これらが渾然一体となって議論がなされていますので,以下のパピヨンの議論でも分けて議論することはできないことをお断りしておきます。(保存書庫内の個別の議論は番号で明示します。面倒なのでリンクはしません。) 2.論争の発端 バトルは東本氏による保存書庫[AML12526]で着火されました。それまで共産党による浅野批判に動揺していた浅野支持派は,この論文によってようやく安堵を取り戻した気配を今保存書庫から読み取ることができます。しかし,その後,[AML12607]におけるmsq氏の強烈な反撃が加えられ,本格的なバトルの戦端が開かれたのです。(以下,事実関係に誤認があればご指摘ください。) そこで,まず,[AML12526]において,東本氏は共産党による批判の何に対して反論したのでしょうか。それをまとめておきます。これが結局最後までバトルの大幹となります。枝葉に惑わされないよう,しっかりと認識しておきたい所です。 [AML12526]:『「赤旗」の浅野批判の誤謬について』by 東本 以下の点について『誤謬』が例証(あくまでも例証で,その他にもあるというニュアンス)してあります。赤旗は浅野氏による宮城県知事時代の県政が,「自民党より自民党型だった」ということを,知事時代のいろいろな統計数字を用いて「証明」し批判につなげているわけです。それに対する東本氏のここでの反論は次のように大きく二つに分けることができます。 A.国保取り上げ数【注3】について 赤旗は,前県政(浅野の一代前の本間県政)時代の国保証取上げがゼロだったのに対し,浅野県政では国保取上げが05年には二千三百三十世帯に上ったことを用いて,浅野氏は福祉切り捨ての際立った県政を行った,と批判したのです。これに対し,東本氏は浅野時代にも国保取上げがゼロだった時代もあった,従って,赤旗の批判は明らかに誤っている,というように反論したのです。 B.財政と住民税について 赤旗は,福祉に関係しそうな宮城県の一人当たりの財政支出と住民税を取上げ,住民税は東北6県の中で最も高いくせに,福祉に関する財政支出は最も少ないと批判しました。つまり,浅野氏は東北6県のうちでも最も福祉に冷たい政治を行ったと証明し,批判したわけです。 これに対し,東本氏は統計数字を探し出して,赤旗の指摘は間違っている,と反論したのです。しかし,赤旗での批判は「一人当たりの数字」だったのに対し,反論に用いた財政支出の統計数字は「全体予算での支出割合」の数字だったのです。従って,東本氏はその後何回かに亘って修正版を出すことになります。これらのこともあとの混乱に拍車をかけました。 以上のような東本氏の反論に対して,msq氏の強烈な反撃が為されたわけですが,それは正当なものだったでしょうか。以上の経緯を踏まえてこれら二点についてのバトルを検証していきます。しかし,一度に両方はできませんので,一つずつ行きたいと思います。 3.国保取り上げ数の問題 まず1番目の件について検証してみます。何はともあれ,東本さんが反論した赤旗の記事を見なくてはなりません。次を引用してあります。 (1)2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」 宮城県の“実績”は自民政治そのもの 前県政と比べ浅野県政の福祉切り捨てで際立ったものとして、前県政では国保証取り上げがゼロだったが、〇五年には二千三百三十世帯になったことを告発。「こうした政治は、石原都知事が革新都政時代につくられた福祉の施策を根こそぎ切り捨て、巨大開発に湯水のようにお金を注ぎ込んできたものと同じ中身だ」と批判しました。 (2)しんぶん赤旗」東北版2003年3月8日付記事 志位氏は上記でも同じようなことを述べています。すなわち、「それから国保証の取り上げも、ずいぶん冷たいやり方をやっています。(略)短期保険証が七千五百八世帯、資格証明書が九百四十七世帯。この一年間で資格証明書は二十六倍です」と。(東本氏による引用文) ところがこれらの記事には統計資料が明示されてありません(赤旗記事が不親切といえます)。そこで東本氏は,自分で探されたようです。そして『根拠となったと思われる数字』として「被保険者資格証明書交付世帯数(市町村国保)」による以下の統計資料を基にして反論しました。 【被保険者資格証明書交付世帯数(市町村国保)】 http://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/070223kokuho2.pdf 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 青森 0 0 1,981(1981倍) 2,938 3,491 3,787 4,316 岩手 3 29 714(24.6倍) 2,058 1,624 1,377 1,288 宮城 0 36 942(26倍) 1,205 1,879 2,330 2,932 秋田 40 22 887(40倍) 1,480 1,766 1,757 1,785 山形 19 113 589(5倍) 863 900 1,011 1,071 福島 424 443 2,046(4.6倍) 3,435 4,339 5,283 6,070 まず(1)について。 志位氏の言う「国保証取り上げ」とは上記資料の「被保険者資格証明書交付世帯数」のことを指しているでしょう。同資料の宮城県の05年「資格証明書交付世帯数」2330件と志位氏のいう「〇五年には二千三百三十世帯」は一致します。そうであれば、次のことがいえます。 宮城県の2000年度「資格証明書交付世帯数」0件は浅野県政の時代のものであり、「前県政」のものではありません。浅野県政は1993年の初当選から3期目任期満了で退任した2005年11月20日まで続いているのですから。2000年度0件の当時は浅野県政2期目のことになります。「前県政では国保証取り上げがゼロだった」という志位氏の発言は明らかに誤りであり、その誤った前提でもって「福祉切り捨てではそれまで以上に冷酷さが際立った」とまで断罪する。あまりのことだといわなければなりません。 次に(2)について。志位氏は「この一年間で資格証明書(注:国保証の取り上げ)は二十六倍」。「ずいぶん冷たいやり方」です、とここでも浅野前県政を断罪します。しかし、東北6県のうち同じ時点で秋田県は40倍、岩手県は24.6倍、青森県にいたっては1981倍。表を見れば、 2002年度には、東北6県のすべてで「資格証明書交付世帯数」が前年度より急激に膨張していることがわかります。 また、前年度の実績との比較で膨張率も異なることがわかります。なぜ、ことさら浅野前県政のみが非難されなければならないのでしょう? 共産党の為に(下心があって)する「浅野県政」批判といわなければならないでしょう。 これに対し,上に書いたように[AML12607]におけるmsq氏の強烈な反撃が加えられたわけですが,その論文のタイトルは 『統計の”チラリズム”でトリック』 という衝撃的なものでした。東本氏のみでなく,浅野支持派の人々にとって,恐らくものすごいショックだったに違いありません。 果たして,msq氏のその反撃は正当なものだったでしょうか? 残念ながら長くなりすぎましたので,稿を改めて書き継ぐことにします。(前置きが長すぎたかな?(^o^)^^^^^^^^^^) 【注1】 神戸市長選における共産党の信じられない,笑い話のような行動をパピヨンはたんぽぽさんの記事で知った。 【注2】 二つの側面があって,一つは,当選を度外視して『立候補する権利を行使すること』の政治的意味や影響を全く一顧だにしないこと(その結果,倒すべき相手,東京で言えば石原,神戸のときは矢田市政だった,を利することとなる),もう一つは,倒すべき石原や矢田よりも,それに反対して立ったもう一人の候補者を激しく非難・罵倒すること,である。これは行動生理学的には単純に説明可能な行動であるが,もはや共産党は平和・リベラル勢力に対して敵対する勢力だと認識すべきことを示唆している。しかし,これについては本記事とは無関係である。別記事に書くので批判があればそちらにお願いしたい。 【注3】 国保取上げとは,国保滞納者対策として,国保証を回収し,その代わりに資格者証で受診させるようにすることです。滞納者は病院代を一旦全額払わないといけないので,滞納するほどの低所得者に対してずいぶん冷たい仕打ちだ,と判断できるそうです。すなわち,取上げ数が多いと福祉に冷たい,というように,福祉に冷たい人かどうかを見る尺度にしようというわけです。これが一般的な指標として考えられているのか,共産党独自の指標なのか,パピヨンはよく知りません。すみません。
by papillon9999
| 2009-11-08 10:45
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Comments(3)
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アルバイシンの丘さま
トラックバックでご連絡ありがとうございます。 この問題に興味を持っていただきありがとうございます。 本来ならわたしが読まなければならないので、 「丸投げ」しちゃったみたいで、恐縮です。 内容と関係ない雑感なんだけど、 すさまじいバトルだったんだなと、思いましたよ。 これにまともにかかわった人たちは、 かなり消耗したのではないかと、想像します。 「触らぬ神になんとやら」だなとも思ったけれど。
0
すさまじいバトルで,ものすごく錯綜しているように見えますが,大幹を見失わなければ,争点は数えるほどです。
しかし,枝葉に枝葉がついて,消耗戦だったでしょうね。 小さい頃はあや取りが得意で,それがもつれたときにほぐすのが大好きでした。でも今は眼が・・目が・・ ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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