だんご汁はジャズだ

　昨日は出張で親の住む町の近くに来たので，泊りを実家にして，久しぶりに手作りだんご汁を賞味した。うーむ，今日はちょっと団子が硬い気味に出来上がっているなぁ，という感じはしないでもなかったが，まあ，いつもと同じ範疇に入れてよい出来だった。



　しかし，これならいくらでも腹に入るのでそれが恐ろしい。パピヨンは炭水化物に過ぎない穀物類を団子や麺やパンにしたものが大好きなのである。インドのナンもそうだ。世界中の炭水化物性食品を食べあさりたいと願うほどである。（ただし，菓子パンとかクロワッサンとかの，お菓子のような甘くしたものはご遠慮申し上げる。）。

　だんご汁とはどういうものなのか。ダシの利いた味噌ベースの汁にだんごが入ったもの。だんごは千切っただけの場合もあれば，きしめんのようになるべく平たくする場合もある。いずれでもよい。
　絵画に喩えてみよう。汁の方が濃厚な彩色部分となる。すれば，一方のだんごは白色部分にあたる。そう，だんごは微かな味を滲みだすいわば白味（しろあじ，パピヨン造語）を与えてくれるのである。これらが口の中で交じり合うと，白味部分に彩色味部分が滲みこみ，高水準の旨味を産み出してくれる。
　ほかに似た例を挙げるとすればマーボ豆腐だろう。辛味たっぷりの具のなかに，繊細な微味の豆腐が交じって織り成す味。うーん，同じだ。こういうのをシナジー効果というのであろう。パピヨンはこのような味のハーモニーをこよなく愛するのである。
　これを音楽で言えば交響楽のようでもある。しかしそれほど高級感を以って表現する必要もないだろう。なんといってもたかがだんご汁。もっと下層人民のものだ。だんごは白味，すなわち楽器ではベース！すると・・・そう，それはジャズではないか！
　
　さて，焼酎とともにそれを味わいながら，普段見ないテレビ番組を見てしまった。『金すま』と『千と千尋の物語』である。いずれにも深く思うところがあって，記事のネタにさせて頂こうと思う。次の記事をお楽しみに。