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変革・革命は誰のため
2009年 03月 03日
多分,今年になってから見たテレビによって,私・パピヨンが抱いていた宿題の一つでますます強く刺激されたものがある.それは次のような問いかけである.
『変革や革命は一体誰のためなのか』 『誰のためなのか』という問いかけは『誰のために行うのか』という意味でもあるし,『誰のためになるのか』という意味でもある.この二つの意味は微妙に違って来る場合がある. そしてその宿題を刺激したテレビの番組は南アフリカ共和国の『変革のその後』を描いたものである.(以下の書く内容の詳細は不確かであることをお断りしておく.) 番組では,最近の世界的な金融破綻により南アフリカ共和国(以下,南アと略す)も大きな影響を受けている実態の報告がなされていた.その一つとして,超大金持ちになった黒人資産家(女性経営者)がいくつもの会社を経営するようになっており,今度の金融破たんで資金繰りを画策している様子が映し出されていた. ここで驚いたのが,新自由主義者となったその黒人資産家である.お金がお金を産んで,異常なほどにお金が入ってくるのであるが,彼女はそのお金を次々と会社を大きくすることのみに使うのであった.一方では相変わらず残る貧民街には貧困にあえぐ多数の黒人が存在しているというのに! これをパピヨンは信じられない想いで見ていた.一体,何のためのアパルトヘイト打倒,黒人解放の運動であったのか.確かにその運動は黒人にも新自由主義者となれるチャンスを与えてくれた.それまでそういう機会が白人のみに与えられ,黒人に与えられなかった,その『自由』を獲得したことはきわめて大きい意義がある.それは確かである.しかし,問題は,せっかくの自由を新たな差別のために使ったということだ.このことを彼女の内心を忖度して書いてみよう, 『さあ,別の競争のスタートよ,これからは能力のある人間が勝ち残っていく世の中になるんだからね.黒人だって甘えちゃいられないわよ.あんた達もがんばらんね.じゃ私は行くからね,バイバイ』 つまり,事の次第はこうである.アパルトヘイトの時代はごく少数の白人のみいい思いができ,大多数の黒人は虐げられた生活しかできなかった.ところが全黒人の長年の悲願であったアパルトヘイトを打倒したら,やってきたのは別のごく少数の者だけがいい思いができる弱肉強食の世の中だった,ということ. ならば,理不尽ないい思いをする少数の特権グループが理不尽な境遇にあえがねばならない大多数のグループを支配する,という構図は全く変わっていないではないか. パピヨンはこのようなことを長年,問題意識として抱えてきた.この南アの話はそのことに関するとても良い例として現れたのである.そう,改革や変革は一体誰のためなのか,を改めて考える必要があるのだ. ここから,パピヨンの考えは危険な方向にどうしても向いていくのである.多くの変革・革命は新たな椅子取りゲームの始まりに過ぎないのではないかということである. 危険という意味は,これだと変革・革命を否定しかねないからだが,とにかく現状の酷さを打ち壊すことが何よりも重大事である,という場合があることは百も承知であり,そういう時の『変革・革命』には巨大な意義があることも認める.だから,否定しようというのではない. しかし,変革・革命は手放しで称揚してよい,というものでないとは少なくとも言えるだろう.小泉ヘーゾーの新自由主義改革の時は,元々革新的マインドが豊富だったパピヨンは身の周りでなんと抵抗勢力の役目を果たさねばならなかった. これほど明確でなくても,明治維新や大化の改新などは支配層が入れ替わっただけと看做せるし,北朝鮮革命やスターリン主義など,変革・革命の後にすぐ次の変革・革命が必要な惨い状態になることも歴史上,枚挙にいとまないほど存在する.(この点,カストロ革命は素晴らしいの一語に尽きる.名政治家として後世に語り継いでいくべき人物ではないだろうか.) 初めの問いかけの答は当たり前すぎて分かりきっている.すなわち, 『変革・革命は大多数の国民のためであって,大多数の国民のためにならなければならない.』 ただし,そのためには重要な条件があって,それは 『その変革・革命による新たな特権グループを作らないこと』 である.それ以外の変革・革命はまやかしのはずである.ただし,問題は『新たな特権グループを作らない』,ということは結果論であるため,見分けることが非常に困難なことである. せめてもの必要条件として一つだけ挙げておこう.ずっと以前の記事目的と手段に書いたことだが,目的を達成するために手段を選ばぬ人間は,目的が如何に正しくても信用してはならない,ということだ.なぜなら,そういう人間は目的を達成した後も平気でどんなことでもやるだろうから.
by papillon9999
| 2009-03-03 23:40
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Comments(2)
![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
匿名さま 確かに人種差別と新自由主義とはカテゴリーというかパラダイムというか,そういうものが違って単純比較はできないのですが,ここではどちらがよりマシかということを言ってるのではないのです.
新自由主義者どもの目的はこの世での楽園建設だと以前書いたことがありますが,もしそうであれば,そしてずっと続いたとすれば,新しい貴族の誕生ですよ.白人対黒人が新貴族対奴隷(大げさかな)の構図に変わりますが,いずれが良い体制かは自明ではないでしょう.
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