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by papillon9999
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メディアとイスラエルは共犯か?
2009年 01月 15日
大津留公彦さんからTBしていただいた一つの記事(三次発信の転送記事),
メディアとイスラエルの共犯ーどっちもどっちではない から,ある論調の存在を知った.その論調とは,イスラエルによるガザでの殺戮に関して,イスラエルとメディアが共謀してイスラエルの蛮行を正当化しようとするプロパガンダを流している,という趣旨のものである.(追記注:この意味の批判は広河さんの趣旨とはずれているようです.次の記事でこれについてお詫びをしています.) 一つは,メディアとガザ報道(広河隆一さん) であり,もう一つはあのきくちゆみさんに来たというメールの文である.それは大津留さんの記事に書いてあって知ったのだが,きくちゆみさんから二次発信されたもののようであり,発信源は,松元保昭さん(パレスチナ連帯・札幌)である(と書いてある). 広河さんも松元さんも初めて聞くお名前であるが,拝見するとずいぶんと長くパレスチナ問題と関わって(パレスチナ支援,または連帯の形で)来られた立派な方々のようである. だけど,この方々の書かれた「論調」にパピヨンは違和感を抱いた.(きくちゆみが絡んでいるので警戒心が働いたことは否めない(^o^)).この記事はそれについて書かせていただくが,決してそれらの功績にケチをつけようというのではないことを強調しておく. まず,件の主張の全体のトーンを読み取っていただきたいが,メディアとガザ報道では朝日新聞を例にとって,朝日の記事がいかにイスラエルに有利に,パレスチナ側に不利になるように書かれているか,ということが主張されている. しかし,これは私の印象とは違うのだった.私はイスラエルの千年に残る非道さを感じたのはメディア報道を見たからである.ただし,新聞は朝日も含めもう1年近く取っていないので,朝日の記事は見ていない.そこで,実際に朝日の当該記事を図書館で調べてみたのである.だけどそこではずいぶん違った印象を感じたのであるが,それを報告する前にまず広河さんの主張を見てみよう. ========================= 1 イスラエルによるガザ攻撃の原因はハマスが作ったという報道について。 「ハマスは自爆テロで90年代から数百人のイスラエル人を殺害、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃をくり返し、イスラエル軍の報復攻撃を招いた」(朝日新聞2009年1月6日 時時刻刻 きょうがわかる 「なぜガザを狙ったのか」) ・・・・中略・・・・ 朝日の解説記事では、自爆攻撃がハマスのせいのように書かれていますが、実際のところ自爆攻撃はハマスだけでなく、ファタハやそのほかの勢力によっても行われました。 ・・・・中略・・・・ だからイスラエル人が一方的にハマスの暴力にさらされてきたという解説のし方は、占領という暴力の中で、大勢のパレスチナ人が殺害されてきた事実関係を調べていないことになります。 ・・・・中略・・・・ ========================= まずこの部分を検討してみる.朝日新聞2009年1月6日を図書館でコピーして,そのようなニュアンスで書いてあるのかを調べてみた.それが本当なら朝日新聞の反動性がもっと鮮明になるからである.映像ではあんな印象をパピヨンは抱いたのに,朝日はこんな報道しかしてないのなら大々的に反朝日の記事を書かねばならない. 確かに上記引用文1は朝日の記事にあった.しかし,重要なのは「ハマスは自爆テロで90年代から数百人のイスラエル人を殺害、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃をくり返し、」ということが事実か事実でないかである.この期間はラビンのおかげで和平の機運が生まれていた時期ではないだろうか. その期間に,「自爆テロやロケット弾攻撃を繰り返して」いたのかどうか,その事実を基に話を進めなければならない.広河さんはこれについては認めているようである.ただし,やったのはハマスだけではない,という主張になっている. とするならば,イスラエルはハマスだけではなくファタハやその他の勢力にも報復せよ,となるが,そうではあるまい.つまり,ハマス『も』やったのである.だから今回ハマスだけが標的になっている理由を考えてみる必要がある. 全般に,この朝日の署名記事はハマスには批判的であるが,イスラエルに同情的であるとはいえない.そしてファタハやパレスチナ人民に対してはきわめて同情的である.イスラエルなりの論理を伝えてはいるが,それはその論理に同調しているからではない.むしろ今起っている千年に残る悲劇の原因を解き聞かせよう,というスタンスに見える. そのスタンスは,イスラエルを正当化する意味では無論なく,パレスチナとイスラエルの共存を理想とするもののようだ.そして朝日のその他の記事にも多くの関連記事があったが,いずれもそのような論調であった.決してイスラエルと共犯関係を結んでイスラエルを正当化しようというようには見えなかった. イスラエルへのロケット弾攻撃を不当に大きく捉えている,という見方もあるかもしれない.しかし, ロケット弾攻撃が,それに反撃すると称した気違いじみた空爆報復によってパレスチナの子供を殺している結果に繋がっていることは紛れもない事実である. このことを認めることはいささかもイスラエルの千年に残る蛮行の正当性を増すことにはならないはずだ.だけども,ハマスは人民のことなどはちっとも考えていないのだ,という逃れられない証拠にはなるのだ. 参考のためだが,パピヨンのテロリストに対する考えはすでに次に書いている.(ハマスと関係がある記事ではない) 鬼畜も哭く自爆テロ だからといってイスラエルよ,お前が許されるはずはないのだ!千年は世界中から呪われるのだ! まだ,もう少し書きたいことがあるが,長くなるので(文章もそうだが,アップするまでの時間が),稿を改める. 最後に,イスラエル批判というまっとうなことに対し,なぜこのような「裾を踏んづける」(かつて田中真紀子が小泉に裾を踏んづけられた!)ような記事を書くのかについて,大事なことなので今の時点で書いておく. それは批判の正当性である(批判のやり方ではない!).批判が根拠薄弱なものであれば,あるいはスタンドプレイ的な”煽り”などであれば,大きな力にはなりえないし逆効果であり,かつ,反戦・護憲派が誤った方向に行ってしまう危険がある. それ以上に重要な点は,右翼っぽい主張をしている人たち,いやそこまでいかなくてもよい.普通の学生達,朝日新聞を読んでいる市井のおっさんおばさんたち,こういう人たちの共感が得られないからである. 彼らにも正義感がある.正当性が感じられない批判ではその人たちの心を打つことはできない.例えば今回の「共犯」という主張.これはこの記事で書いたように実感とは異なるものである.本当かどうか判らないことを声高に叫ぶ,そういうものでは彼らの正義感を顚わすことはできない.彼らが反戦・護憲派に多少なりとも偽善を感じるのはそんな所にあるのではないか,と思っている. つづく
by papillon9999
| 2009-01-15 15:55
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Comments(13)
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papillon9999 at 2009-01-16 22:36
この記事のTBを受け取られた方が,この記事に違和感を感じられる場合,どうぞ遠慮なく削除してください.
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papillon様
こんにちは。ちょっと違うかもしれませんが、私は昨年末の紛争当初、ハマスの暴力や非道をパスしてしまうことに違和感を持って「きっこさん、これではだめだ、戦争は止められない!」を書きましたが、bandoさんに共感し、「単純に戦争は止めてほしいと言っておきます」を書きました。1/10のピースパレードにも初めて参加してきました。即時停戦を希望します。お題の新聞、テレビなどの報道への評価は、主観によりさまざまと思います。
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papillon9999 at 2009-01-16 23:44
散策さま 記事のTBとコメントありがとうございます.きっこさんはもうまったく見ていませんが,そういうことを書いているのですか.
散策さんはとても勇気がおありになる. 要するに,イスラエル憎しがハマスへのえこひいきにつながっていますね.これは危険でしょうね.私は意味のないロケット弾攻撃を繰り返すハマスは強く非難されるべきだと考えます.いくらイスラエルに挑発されたとはいえ,です.こんなになる前に和平,共存をしなければならないと思います. 子供たちの死は聖戦による犠牲者だから神に祝福されるのだ,という理屈で繰り返しているのなら,ハマスも糾弾されるべきです. 西岸地区の住民が過激化することが最も危惧されることだと思います.
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hyamageo
at 2009-01-17 12:00
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広河さんのブログから参りました。
このような活動をなさっている方が、広河さんのような方を初めてお知りになるとは意外に感じましたし、広河さんのあの記事のみでこのような記事を書かれるのは、御自身のスタンスとずれるのではないかと思ってコメントさせていただきました。 ぜひ、広河さんの著作を読まれてから記事にされることをお勧めいたします。お考えが変わらないとしても。読まずに書くことこそこの記事の正当性を問われると感じます。
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papillon9999 at 2009-01-17 12:20
hyamageoさん,コメントいただき,まことにありがとうございます.このようなご意見を頂戴するだろうことは予測しておりました.大変重要な点だと思います.御コメントに対していくつか感じる所を書きます.
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papillon9999 at 2009-01-17 12:20
3行目に,「このような記事を書かれるのは・・」とありますが,これをもう少しはっきりさせたいと思います.どういうことが私本来のスタンスとずれるということでしょう?
1.事実誤認があるのか,2.広河さんのような功績のある方に対する疑問一般を書くこと自体が貶めることになるのか,いずれのことをおっしゃっていますか? 私の記事に事実誤認があれば訂正しなくてはなりませんのでぜひおねがいします.2であれば,それは反戦・護憲派一般の持つ非常に危険な考え方と思います.教祖様ではないからです.すでに十分な功績を果たしておられる,それで十分ではないでしょうか.無謬者のように思う必要はないはずです.本多勝一の二の舞になってしまいます. このことで,広河さんの功績が少しでも減るということはありません.ただし,広河さんの「ハマスへのえこひいき」については同意できませんが,それこそほかの著作を読んで,どうしてそのように思われるのかを理解したうえで批判すべきと思います.よって,その点については何も申しておりません.とりあえずご返事まで.
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ishida-1
at 2009-01-17 18:09
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いつも、楽しく拝見させていただいております。
パピヨンさんの仰る通り、国連もアメリカも悪いです。 アメリカは、イスラエルを泳がせ、自分の手を汚さないのです。 「世界中から千年、呪われる」イスラエルの悪事はアメリカの支持で1948年から続いています。イラク以上の大量破壊を繰り返すイスラエルを制裁しないと逝けませんよブッシュさん!(逝くのは1/20でしたか?) >脱線
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ishida-2
at 2009-01-17 18:12
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ところで、広河氏の文章ですが「イスラエルとメディアが共謀」とパピヨンさんの仰る論調には読めませんでした。
文脈も、歴史的原因を掘り下げずに表面的な捉え方をするメディアがいることを嘆いておられます。 広河氏は「なぜこんな問題が起きたのかを、きちんと解説するメディアが非常に少ないことは、残念です。-中略-1948年のイスラエル国家建設とパレスチナ難民発生から問題を説き起こす記事が非常に少ないのにも驚かされます」と書かれています。
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ishida-3
at 2009-01-17 18:14
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メディアが、イスラエルが1967年から占領支配を続けていることや、ガザ封鎖を論じないで、子供喧嘩のうように、どっちが先に打ったなどの見かけを論じ、なぜ起きたのか原因を掘り下げないことに、メディアの危機を感じていると読めます。
パレスチナ問題は歴史も長く難解です。 メディアが論じない、パレスチナ難民は、なぜ生まれたのか? は、 映画“NAKBA”を視れば、少し理解が進むと思います。
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hyamageo
at 2009-01-17 20:41
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さっそくのお返事ありがとうございました。
わたしのスタンスはもちろん2ではありません。 広河さんは40年に渡ってパレスチナに入り、記録写真を撮られ、映画までつくられています。 40年ものスパンで現地に直接かかわっていれば、一般のメディアが触れることのできない、パレスチナ人にとっての事実をきっといくつも直接ご存知でしょうし、直接目にされているでしょう。その上でのブログ記事と思います。 そのことを知らないままに「正当性が感じられない批判」と書かれているように読み取れる記事であると感じたからです。 以下、ishida様のコメントにも触れられているのでこれ以上は書きません。
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papillon9999 at 2009-01-17 22:09
ishidaさま どうも過疎ブログでお楽しみくださりまことにありがとうございます.ところで
『「イスラエルとメディアが共謀」→そのようには読めなかった』 どうもこれは私の書きすぎのようですね.TBで戴いた記事のタイトルが『共犯』となっているのと,『・・・大手メディアはイスラエルの攻撃と殺戮をどこかで後押ししているといわれても仕方がないのではないでしょうか』というような所に,そのような主張をしておられると感じて書いたわけですが,確かにそういう論点は重要な部分を占めてはいないようです.早合点でしたでしょうか?そのことを明記してお詫びを加えた上で少し修正させていただこうと思います.ご指摘ありがとうございました. ただ,「なぜこんな問題が起きたのかを、きちんと解説するメディアが非常に少ない」という点については,1月6日の記事でも不十分ながらも要領よくまとめてあったと思います.(記事に書いたように新聞を取っていないので他の日のことはわかりません.朝日の1月8日にもありました.でも一般的にはわかりません.)
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papillon9999 at 2009-01-17 22:09
映像系のメディアではそういう歴史的なことまで解説する所は確かに見たことがありません.だけど通り魔事件とまでは行きませんが,その種の事件を報道するような非難のトーンは感じました.
いえ,とにかくイスラエルへの非難自体には何も問題があるとは思っておりません.朝日新聞は嫌いですが,1月6日の朝日記事から広河さんの「メディアとガザ報道」のようなことが言えるのか,という点に関しての疑問を記事にした次第です. ただし,最後の『煽り云々』の部分はここには当てはまらないかもしれません.一般的なこととして書きましたが,広河さんに対するものとしたら書き過ぎであったかもしれません.もう少し考えてみます.
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papillon9999 at 2009-01-17 22:15
hyamageoさま 確かに広河さんのような方であれば,メディアの報道はもどかしいものがありましょうね.
ただ,1月6日の朝日の記事を引用してのメディア批判に対しての疑問であることはishidaさんの返事に書いたとおりです. いずれにしても書き過ぎがあったのかどうか自己検証してみます.ご指摘どうもありがとうございました. |