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経済学のお勉強(1)利潤と剰余価値
2008年 05月 06日
この記事は愚樵さんの記事のコメント欄で延々と続いた勉強会のまとめとして立ち上げたものです。いきなりこの記事を見ても決して事情がわからないはずですので、興味のある方はぜひ愚樵さんの記事、およびそのコメントをお読みください。ここでは改めて事情説明する余裕がありません。(記事立ち上げにあたり、コメント欄を提供してくださった愚樵さん、先生役の早雲さん、助言役の薩摩長州さん、およびコメントをいただいたとんぼのめがねさん、ymさん、農婦さんに深く御礼申し上げます)。
とはいえある程度の説明は必要でしょう。この『勉強会』とは、主に「晴耕雨読」の主宰者・早雲さんに「近代の問題(パピヨンの勝手な注釈:人間崩壊の時代)」ということで貨幣経済の論理に内包される種々の問題点を教えていただいたことであります。いやもっと正確に言えば次のようになります。 普段から早雲さんが主張されているこれらの問題点と解決への道筋を、私はいくら読んでも理解できなかったのです。たまたま愚樵さんの記事中のコメントにそれに関連する話題を見つけ、質問をしたのが発端でありました。私の的外れな質問に対して丁寧に教えて戴いたのですが、なかなか納得・理解するまでに至りませず、延々とコメント(私は質問、早雲さんはご教示)のやり取りが続いているのです。そしてとうとう100個を超えてしまいました。 実はもう少し疑問点があるのですが、まだ延々とコメント欄で続けることになったら愚樵さんやそちらの読者にもご迷惑かと思い、それにそろそろ私も疲れましたので収束させたい意味もありまして、勉強結果をまとめながら残る疑問を書き記しておこうと思った次第なのです。 多分一度ぐらい読んでも、なぜそういう問いかけが出てくるのかさっぱり意味がわからないと思います。でもその説明だけで長くなってしまいますので省略いたします。それに私も未だに手探り状態なのでして、系統的なまとめはできません。羅列になることをお断りしておきます。 1.利潤は搾取なのか外国からの富の流入なのか この問題設定は根幹部分となります。ここを共有できないと今後の道筋が大きく異なってくるはずです。(ところが、共有しないとどこがどのように変わってくるのかが未だによく掴めてないのです。)。まあ、とにかく早雲さんの経済論理を確認しながらまとめと疑問点を書かせていただきましょう。 早雲さんによりますと(S説とします) 『利潤とは剰余価値ではなく外部から得た(国際的な交易)富』 であり、 『マルクスの最大の誤りは利潤=剰余価値としたこと』 だと仰います。この根底には供給と需要に関する独自のお考えがあるのですが、それについては次に触れようと思います。 一方、マルクス経済学では(M説としましょう) 『利潤は、労働力の価値以上のものを生産することによって生じる』 とあり、これが有名な 『資本家階級が労働者階級から搾取する』 という表現につながります。つまり、利潤=剰余価値というのはいわばマルクス経済学の根幹をなすものであり、S説はこれを真っ向から否定することになります。 S説は交易時において、M説は生産時において利潤=新たな価値、が付加されることになります。これは一見、些細な違いに見えますが、実は労働者と資本家との関係がまったく違ったことになる重要な所です。S説における両者の関係は、賃金の問題は家計のお小遣い争奪戦に過ぎなくなり、M説だと搾取と被搾取の関係ですから労働者にとってはいつか乗り越えるべき論理を有しているわけです。 SとMいずれに分があるのか判断をひとまず脇におき、S説への疑問を記しておきたいと思います。 (1) 一私企業にとっては、収入金が国内から得られたのか外国から得られたのかは関係ないはずです。お金に色がついているわけではなくそれらの区別はできないし、区別する必要もないものです。 (2) 企業によって、外国から買って国内で売って儲ける、あるいは国内で作って外国へ売って儲ける、あるいは外国で作って外国で売って儲ける、あるいは国内で作って国内で売って儲ける、とさまざまなパターンがあります。『利潤=流入した富』説はおそらくトータルした国の貿易収支で考えておられると思います。しかし、どうでしょう?貿易収支がトントンだったとしてもいずれの企業も儲かったり、いずれも赤字だったりすることはあり得ると思えます。つまり、個々の企業の儲けと貿易収支とは完全には同期しない、ということです。 (3) 逆に貿易収支が赤字国であったら、その国ではたとえ儲けている企業があっても利潤は無いことになります。これは大変奇妙な結論ではないでしょうか。 (4) 鎖国体制の国、あるいは全世界が統一された状態であっても、すべての会社が儲けたり(大好況)すべてが赤字だったり(大不況)もあり得ると思います。(この例の一つを私は『子供がたくさん生まれるようになった国』で思考実験しました。このほか、たとえば携帯電話や自動車の普及もこの例にできそうです。これは次の2番(供給と需要)で再度考えたいと思います。) 以上の4点により、『利潤=外部からの富の流入』というのは非常に納得しがたい理論に思われます。 すると残るはM説となりますが、私はこの他に理論を知りません。それで特にM説にイチャモンつける意味で意地悪を考えたことがあります。 ここにぼろ儲けしている会社があって(一時の不動産会社や証券会社をイメージしてみましょう)、そこの社員が一般労働者より数倍もの高い賃金を得ている状態、というのはどう考えたらいいのでしょう?その(不当な)高賃金労働者も搾取されていると言えるのか、ということです。 私の結論は、『そいつらは他の労働者を搾取している』でした。ホントの正解はどうなんでしょうか?
by papillon9999
| 2008-05-06 19:24
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Comments(19)
ミクロの経済主体の問題と、マクロの国民経済の問題をごちゃ混ぜにしているのだと思います。
私の論じていたのは、マクロの国民経済の視点からです。 国民経済が縮小していたとしても、個別の経営主体が利益を上げていることは当然あります。
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近代経済システムでは各経済主体は投下した資本の増殖を目指して経済活動を行います。
国民経済が縮小すれば供給活動に投下した資本が回収できない経済主体が増えることになります。 逆に国民経済が拡大(貿易収支が黒字)していれば、ミクロの経済主体も(適切な経営をしていれば)供給<需要を実現できます。ミクロの経済主体にとっての供給とはもちろん供給活動で支出した通貨の量、需要とは商品販売で得た通貨の量です。
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papillon9999 at 2008-05-06 22:27
『ミクロの経済主体の問題と、マクロの国民経済』
ということですと、M説の『利潤=剰余価値』はマクロのことを言っているのですか?個々の生産過程で剰余価値を生じている、ということですのでM説はミクロの経済主体の問題を捉えているのではないのでしょうか?するとミクロとマクロを比較しても意味はないと思われますが。
ミクロの経済主体の振る舞いを論じるのは経営学です。
ここでは、ミクロの総体としてのマクロがどのような振る舞いをするかを問題にしています。
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papillon9999 at 2008-05-06 22:42
わかりました。ご意見として承っておきます。ありがとうございました。
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at 2008-05-07 04:54
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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papillon9999 at 2008-05-07 09:22
匿名さま ありがとうございます.そして参考にさせていただきます.
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at 2008-05-07 09:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
papillon9999様、早雲様
マクロ経済で一般的につかわれる国内総生産(GDP)で日本国の国民経済を考えますのが一番分かり易いと思います。基本式は以下のものです。 国内総生産=民間消費+民間投資+政府支出+「財貨・サービスの輸出-輸入」 つまり、国民経済が拡大させるには、 ①民間消費(個人消費)を伸ばす(内需拡大をさせる) ②貿易などの黒字を伸ばす(今までの輸出企業による外需に頼る) ③民間投資(企業投資)を伸ばす ④政府支出(公共投資ほか)を増やす の4通りがあります。 >逆に国民経済が拡大(貿易収支が黒字)していれば、ミクロの経済主体も(適切な経営をしていれば)供給<需要を実現できます。< 国民経済が拡大=貿易収支が黒字ということが少し「輸出重視」で偏っているような気がしますがどうなのでしょうか? http://www.crs.or.jp/56721.htm
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papillon9999 at 2008-06-20 16:23
しっくい様,私も似たようなことを思って輸出なくとも経済が拡大するモデルを考えたことでした.その一つが『子供がたくさん生まれるようになった国』なんです.
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しっくい
at 2008-06-20 16:35
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papillon9999 at 2008-06-20 17:05
つまり内需がたくさん生じる,というつもりです.
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しっくい
at 2008-06-20 20:21
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>子供がたくさん生まれるようになった国
>つまり内需がたくさん生じる,というつもりです. なんとなく、おっしゃりたいことが分かりました。 ②貿易などの黒字を伸ばす(今までの輸出企業による外需に頼る)がまったく無い状態(鎖国状態、あるいは貿易収支がトントン)で、①民間消費(個人消費)を伸ばす(内需拡大をさせる)の状態をおっしゃっているということですね? ある国の中で、個人消費が増えるには簡単にいうと「余剰作物を作り出せる生産性をもつ勤労者が増える状態」ですので、たくさん子供が生まれて、その子供たちがしっかりと教育(基準以上の生産技術の習得)を受けて、その時代社会の要求に応える技術をもつ勤労者層となり、個人消費を支える消費者層となり易い社会。つまり、健全な中間所得者層(=中間消費者層)がきちんと継続的にうまれる国という意味で宜しいでしょうか^^?
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papillon9999 at 2008-06-20 21:50
しっくいさん,仰るとおりです.そもそも,地球が原始状態からここまで経済が発展したと言うこと自体がそのことに他ならないと思うのです.だって,火星に輸出していたわけではないのですから.
輸出モデルはこのことを説明できないと思っています.
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しっくい
at 2008-06-20 22:15
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そうですね^^。
鎖国していた江戸時代(嗜好品だけは貿易)も経済は十分発展し、資本も蓄積し、人口も増加し、人々も生活を謳歌しております。なので、日本が途上国であった1970年代までは加工品の輸出による貿易黒字による経済成長が必須でしたが、1985年のプラザ合意で円を通常の貨幣価値になることに合意し、先進国(他国に頼らないで経済が成り立つ豊かな国)へ貿易する輸出中心の発展途上国から、逆に発展途上国の輸出先になる先進国になった以降は、輸出で資本を蓄積する必要もありませんし、それは大人になったのに先進国への輸出を続けたいという日本人の甘えに過ぎません。 もちろん、江戸時代と違い、現代経済では莫大な動力エネルギーが必要なので、それを生み出す「石油」「原子力燃料(ウラン)」を仕入れる分のドルを稼ぐ必要はありますが^^。 本来は内需を拡大するには、現在の官僚運営経済(170兆円の官僚と与党議員が支配する特別会計予算、異常な官僚による規制)から転換することが必要なのですが、あいかわらず国民は自民党と官僚の長期一党支配を甘んじてますからねえ。早雲さんの輸出企業にしか期待できない気持ちも分かります^^;。
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papillon9999 at 2008-06-20 22:36
本当は経済は自然拡大以外に成長する必要はないと思っています.正確には(自然と)成長するのが健全であって,何かで成長させる,というのは何らかの無理を強いるものだと思うのです.
しかし,資本主義の論理はその自然を許しません.自然の成長に任せることのできる経済が人間の真の好ましい状態だと考えられます.それがどんな経済システムなのか,私ごときにいえるはずはありませんが,M説は多数の幸福を目指すもので検討には値するかなと思う次第です. 今はとにかく霞ヶ関の税金収奪システムを壊すことが第一です. おっと忘れる所だったけど,新自由主義そのものもです.霞ヶ関と新自由主義は結託して相互に棲み分けできるように折り合いを付けようとしています.
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しっくい
at 2008-06-20 22:54
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>今はとにかく霞ヶ関の税金収奪システムを壊すことが第一です.
激しく同意です。 >おっと忘れる所だったけど,新自由主義そのものもです.霞ヶ関と新自由主義は結託して相互に棲み分けできるように折り合いを付けようとしています.< 可能性は高いですね。自民党議員は、また小泉のときのような選挙民の興味を自民党内の権力争いに引きつけて選挙で勝つために、「改革派と 抵抗勢力」の猿芝居をはじめるでしょうね(今度は、「中川秀直上潮路線と与謝野財政債権派」の猿芝居で自民党の懐の深さを演出するでしょう^^) 新自由主義はしょせん、ケインズ主義に対するアンチテーゼに過ぎないですからねえ。社民主義と自由主義のそれぞれの良い所を取り入れて、日本流の「折衷経済政策(第3の道)」を導き出したいと私は考えております。 ttp://d.hatena.ne.jp/keyword/%bf%b7%bc%ab%cd%b3%bc%e7%b5%c1
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papillon9999 at 2008-06-21 11:09
ご紹介リンク先を見てみました.
『従来の自由主義が信条や表現の自由などを重視し、いわゆる「国家による強制からの自由」を強調するのに対し、新自由主義はそのような精神的自由にはあまり関心を持たず』 『「小さな政府」を唄いながらも、構造的に弱者と「負け組」を生み出すことから、国内の治安維持と途上国の秩序維持のために、巨大な警察・刑務所・軍隊、莫大な警察・軍事費を必要とし(「大きな警察・軍隊」)、頻繁に国内の不満分子の弾圧や海外派兵を繰り返すことにもなる』 これこそ,新自由主義が悪魔の体制であることの的確な指摘だと思います.
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papillon9999 at 2008-06-21 11:37
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