アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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光市母子殺人事件(1)不毛な裁判
 やはり,というべきか,判決は死刑だった.以前の記事に書いたように,『いかなる極悪人であっても死刑にはすべきでない』というステージに辿りついてから,まだその考えは変わっていない.その理由については私の死刑廃止論をお読み戴きたいが,端的に言えば,生ける者を慈しむ心のあふれた国はいかなる極悪人に対してもその生を慈しむだろう,それがひいては凶悪犯罪の減少となってきっと還ってくるに違いない,というものである.



 このような立場からすると今回の死刑判決は非常に残念であるが,無論,これは被告に同情したためではない.生命を慈しむ心がまだまだ我が国(と国民)には芽生えていない,むしろ逆行している,というべきなのが残念である.

 残念な点はもう一つあって,この痛ましい事件から凶悪犯を産み出さないためのなんらの有益な教訓をひきだせなかったのである.実にもったいないことであった.同じことはオウム事件の麻原裁判でも感じたのである.まだ最高裁があるというものの,そこでは実質審理が行われる可能性は低い.

 本村洋さんも,あれだけ訴えた死刑判決が実現したのだから一安心という所だろうが,ある種の空虚感を感じていることはないだろうか.空虚感とは「死刑が実現しても愛する妻子は帰って来ない」という意味の虚しさではない.それは今後彼を襲うだろうが,今は「実際に何が起ったのかという真実」が全く明らかにならなかった,という意味の虚しさである.
 被告の新たな新供述.「逆手になって喉を押さえていた」,「後ろに痛みを感じて振り返ったら何か光るものを持っていた」,等々.そんなことは思いつきの言い逃れだ,と思いつつも,では実際にどんな「悪いこと」をやったのか,検事調書だけでは十分満たされたとは思えない.そのもどかしさは,この裁判を通しても払拭できなかったと私は思うのである.
 被害者遺族にとって,犯人の自分に都合の良い嘘が一番たまらないだろうと想像する.せめて,正直に真実にあったことを述べて欲しい,それこそがかすかな慰めとなるのではないだろうか.しかし今度の裁判ではそうはならなかった(と思う).

 尤も,我が国の裁判では元々この種の真実の引出しは無理なようにできており,今回の裁判だけに特有なものではない.この,『真実が明らかになる方向には裁判は進んでいかない』ということが,結局は裁判からなんら有益な教訓を引き出せない最大の理由なのである.だって,『首を絞めて殺したのか弾みで死んでしまったのか』,『赤ん坊の首を絞めて殺したのかあやそうとして落っことして死んだのか』,これほど『凶悪度』が異なれば,犯罪の再発防止でも全く対策が異なってしまう.凶悪ではなかったとしたら凶悪犯罪防止対策など不要なんだから.

 裁判が教訓を引き出す場になるべきこと,そうなるために必要なことを以前の記事やコメントで考察してきた.バージョンアップを兼ねて改めて書いておく.

 (1)裁判は更生よりも刑罰に徹すること.
 更生では秘密保護が優先されるため真実を明らかにする立場からは逆ベクトルとなる.だから刑罰としてある意味で割り切る立場が必要となるのだ.しかし,刑罰に徹することによって被告の再起に不利益があってはならないのは無論である.(そういうことが可能か?という問題があるが,可能と思う).一見,非人道的に感じるかもしれないが,結局はこの方が被告のためでもある.刑罰は一種のペナルティであり,犯罪を犯せばペナルティを受ける,という当たり前のことが文化となるべきである.(より詳しくは刑罰と更生を参照)
 (2)どんなに凶悪な犯罪でも死刑にはしないこと.
 当然ながら死刑があれば真実が言えなくなるからである.別の言い方をすれば,真実を明らかにすることで,遺族には死刑をあきらめてもらうということだ.これは弁護側,検察側,の協同作業が必要となる.

 このように考えると,やむを得ないとはいえ今回の再審も実に不毛な裁判であったと言わざるを得ない.大騒ぎしただけだった.その後も凶悪殺人事件は後を絶たない.厳罰化(死刑適用の増加)では決してなくならない.早く,国を命を慈しむ国へ成長させないといけないと書いておこう.

 ところで今回の裁判が不毛であったのは弁護側の弁護方針にも一部大きな責任があったと思う.それについて次回に書いてみたい.
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by papillon9999 | 2008-04-22 07:44 | Comments(7)
Commented by Runner at 2008-04-24 18:55 x
早いですね。もう、この件で記事をアップされるとはすごい。
ただ、死刑論議を始める前に、私はこの件が途中から死刑論議に集約されていったことにどうも違和感をおぼえています。
もちろん、参政権のない未成年者に死刑判決が出たわけですし、死刑論議をすることも当然です。
しかし、議論せねばならない他のさまざまな不可解な疑問が伏されてしまったようにも思うのですよ。

私が気になっているのは、なぜ、マスコミはこの事件だけをやたらと特別扱いするのかという点です。
おそらく、他の犯罪被害者の人たちも、「私の事件もこんなふうにもっと取り上げて欲しい」と思っているはずです。
「残虐な犯行だから」とか言っていますが、他にも残虐な事件はいっぱいあります。
もちろん、残虐の定義にもよりますが、少なくとも、体の不自由なホームレスの人を焼き殺すことはきわめて残虐な行為だと思います。
しかし、なぜか、マスコミはそういう事件をいつも放ったらかしにする。経過を報道しない。
マスコミは明らかに事件を選別しています。その基準がまったく謎です。
Commented by papillon9999 at 2008-04-24 21:33
そうですね.情報はあまりないくせにえらそうに書いてしまいました.
ところで仰ること,実は私も感じています.K君は利用されているのではないか,と.

何にかといえば,厳罰主義にです.死刑増加の雰囲気作り.社会浄化思想に繋がらなければいいのですが.ちょっと心配です.

この事件は利用されやすいんですね.本村氏の死刑の訴えが実に国民の胸を打ったからなんでしょう.

ただ,本村氏自体は何の悪意も持っていないと思います.社会的な影響の大きさを考えて,死刑に対する言い方もかなり変わってきたように感じます.
念のためですが,私は被害者遺族には何も言葉を持っていません.ただ寄り添って心の叫びを聴いてあげるのみです.
Commented by Runner at 2008-04-28 00:17 x
>厳罰主義にです.

今後、一律厳罰化するというのなら、まだ筋は通ると思います。
しかし、どうも、マスコミの論調はそういうことではなさそう。
下記に私と同じ疑問を持った人の比較検証がありますが、この方は、社会的立場の強弱が関係していると見ておられます。

http://highi.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_ed79.html

もちろん、報道がどうあれ、司法がちゃんと法の下の平等を守っているのならよいのですが、どうも、そうではなさそうなのでヤバイです。
明らかにわが国の司法は報道の影響を受けているように思えます。
たとえば、ホームレス殺しの刑罰が驚くほど軽いようで、以前、大阪の道頓堀川へ足の不自由なホームレスを突き落として殺した事件がありましたが、刑罰はなんと懲役4年で、実際には2年の服役で出所しているそうです。理由は「殺意がなかった」だって。
犯人は足が不自由なことを知っており、救助にも行かなかったのだから、どう考えても、未必の故意の殺意は最低でもあるでしょう。
しかし、なぜか、マスコミは全く騒がない。
Commented by papillon9999 at 2008-04-28 11:40
Runnerさん,貴重なお話どうもありがとう.そうですか,殺意の有無(の認定)で天地の差が出るのですね.川に放り込んだことが「殺意はない」と認定されるとは何という馬鹿な裁判でしょう!弁護活動とは何か!が今後一層問題となりますね.被告の「人権」を守るためと称してこんなことをやってたら,それこそ逆揺れが来て自分の首を絞めることになるでしょう!馬鹿弁護士(裁判長も)としかいいようがありません.
Commented by Runner at 2008-04-29 13:13 x
道頓堀川事件で弁護側がどういう弁護をしたのかは私は知らないです。
判決からみて、一応、弁護側が勝ったのだと思いますが、そうなら、むしろ、問題視されるのは検察側の方になるかと思います。こちらもどういう論告求刑をしたのか知らないです。
なにせ、マスコミがさっぱり報道しないので。
Commented by papillon9999 at 2008-04-29 13:58
なるほどね。早とちりしてしまいました。求刑がもともと4年ならそれ以上にはできませんね。未成年だったですか?それにしても仰るとおり未必の故意の殺人は覚悟してもらわないと。死刑にはしないけど、きちんと刑罰を受けてもらいたいものです。
Commented by Runner at 2008-05-01 00:05 x
>未成年だったですか?

いや、未成年ではなかったと思いますよ。