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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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宗教と人間の脳との関係(1) 神の誕生の章
 もう十年以上になるが,実は妻は○○○の証人である.おかげで,私はやりたくもなかった聖書の勉強をする羽目になった.○○○の証人の荒唐無稽な論理もどきと戦うためである.そのせいで,聖書の雰囲気も掴めたし,その他の宗教のことも考える機会があった.



その結果,多少なりと考察が貯まってきたので,それらを発信しようと思った次第だ.以上が,先に書いた,”宗教”という大それたカテゴリーを建てた理由である.
 宗教は人の心を支配し,人の一生を左右する.大きくはイスラム教社会やユダヤ教社会やキリスト教社会やヒンズー教社会に生まれなくてよかった,小さくは統一教会の信者の家に生まれなくてよかった,などのような影響がある.従って,宗教に対するスタンス,批評眼をしっかり確立することがきわめて重要なことと信ずる.私の議論は宗教学的には低レベルなものだろうが,それだけに直観的でわかりやすいと思う.これを題材に皆さんと共に考えて行ければ嬉しい.
宗教と人間の脳との関係(1) 神の誕生の章_f0036720_13442024.jpg
 まず最初に,ある本を紹介しよう.村本治著「神の神経学-脳に宗教の起源を求めて-」.著者は脳神経科学の医者であり,かつ牧師でもある方である.出版社は新生出版という所でマイナーだから,ご存知の向きは少ないかもしれない.(ひょっとしたら続編が出ているかもしれない).
 この本は大げさに言えば,21世紀の哲学を担うための重要な基礎を提示しているような気がするのだ.脳神経科学の最新の知見は,種々の宗教的体験や活動が,脳内の神経回路網(前頭葉,特に前頭前野)の活動の結果生じることを明らかにしつつある.この分野はこれからまだまだ新しい知見が加わっていき,多くのことが修正されていくのだろうが,大まかなことでは現在でもこれだけのことが言える,ということだ.
 興味深いさまざまなことが書いてあって,細かく紹介したいのだが,機会あるごとにそうするとして,ここでは最も重要な点を早々に紹介したい.(ただし,私の勝手な見方が入っているかも知れず,原著を見て欲しい).
 端的に言うと,人間の脳が神を創りあげたということだ.それから話は,なぜ人間の脳は神を創りあげる必要があったのだろうと進む.そして,この疑問にも明快に答えてくれる.その答とは,「進化した脳は不安に耐え切れず,その不安を紛らすものが必要となったからだ」
  かつて,人類の歩みの中で重要な発見がいくつもあった.火の発見,道具の製作,・・・.しかし何といっても人間らしさに最も重要だったものは,私は言葉であると信ずる.ヨハネ伝はかの有名な次の言葉から始まる,

      初めに言葉があった.
      言葉は神であった.
      言葉は神とともにあった.

ここは,○○○の証人にとっては存立基盤を揺るがすほどの重要な意味を持つ部分であり,別稿で十分に論じたいが,とにかく言葉は人間の人間らしさをもたらす原点であろう.
 非常に発達してきた脳の中ではいろいろな想念が湧いてくるだろう.言葉があれば,それを言葉で表現して,ある概念として確立できる.その中には楽しいものばかりではない.恐ろしい考えも浮かぶであろう.死への恐れ,将来への不安,大自然への神秘と畏れ,病気への絶望,・・・こういう恐ろしい考えが次から次に脳に浮かんできたとしたらどうだろう.
 それらを科学的に解決できない限り,脳は不安に押しつぶされてしまう.そこで脳はどうしたか.自分自身を騙し始めたのだった.死んだって終わりではなくあの世へ行けるのよ,きっと偉大な何かが現れて助けてくれるわよ・・・そういう幻想を自らに生じさせるような神経回路網を脳は作り上げたのだった.
 私はチンパンジーの脳も非常に発達して,おそらく人類とは五十歩百歩のレベルに達しているのではないかと思う.ただ惜しいかな,言葉がないのだ.これは多分決定的な違いであって,言葉がないためにサルには宗教がないのだ.(13日追記:同様に科学も産み出すことができない).同じように脳が発達しながら,どうして言語能力が出来上がらないのか,これは面白いテーマだろう.
 ともかく,こうやって神が出来上がったのだ.しかしだからといって,神は実在しないのではない,と著者は言う.脳内にしか存在しないからといって,無意味なのではない,ということだ.
 私も思う.大昔の原始人に宗教が必要だったのなら,現代人にも必要だろう.宗教が必要でない人もいるし,必要な人もいる,ということだ.だから,私には宗教がないが,宗教が必要な人を馬鹿にはしない.
 しかしここで問題がある.重大な問題だ.それは,「じゃあ,宗教であれば何でもいいか」ということだ.これは非常に難しい問題である.現代の宗教問題はすべてここに収斂するといっても過言ではないだろう.これについて,また考えていきたい. 
by PAPILLON9999 | 2006-02-12 22:49 | 済み | Comments(4)
Commented by ncd108 at 2006-02-14 02:52 x
初めまして。
なかなか興味深く、考えさせられる記事ですね。「神の神経学」は勿論読んだことないですし、読まなきゃいけないものも他に溜まってるし読んでも私の頭で理解できるかどうかは分かりませんが、非常に面白そうとは感じます。
ただ、言葉の存在が神を造り上げたというのは納得できるんですが、そもそも、宗教を科学(脳科学)で斬ってよいものかって点には少々疑問も感じますね。「心」と「精神」は密接な関係があっても同じものではないですから。
後、宗教を考えるならば、やはり部族宗教と世界宗教では異なること、為政者が宗教を利用してきたことなども含めて考察したいところですね・・(自分はできませんし、信心もありませんが(苦笑))
Commented by papillon9999 at 2006-02-14 12:28
興味抱いて下さり光栄です.「宗教を科学(脳科学)で斬ってよいものか」という点については,こういう見方はなかなか人々の間には受入れられない気がします.でもそれでいいのだと思います.みんなが,「あ,今自分の脳に神が現れた」なんてやっていたら気持ちが悪いですね.
それから自分の脳に現れる神を「内なる神」,すでに宗教として外部で成り立っている神を「外なる神」といって区別しています.なかなか興味深いので一緒に考えて行きましょう.
Commented by dankkochiku at 2006-02-14 21:03
始めまして。 テーマに引かれて立ち寄りました。
キリスト教もイスラム教も、一神教というものは、他の宗派、宗教を否定し、自分こそが真の宗教と主張して、争い、殺し合いまでしますが、これも脳神経学で説明しているのでしょうか?八百万の神なんて平和なものですね。 ピントはずれなコメントで失礼します。
Commented by papillon9999 at 2006-02-14 22:43
一神教と多神教の興味深い考察がありますよ.近いうちに紹介しようと思います.また時々覘いてみてください.