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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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やはりくたばれ!人権擁護法案(2)
 前回の記事に付け加えておくことがある.『これの何処に欠陥があるのか』とサイト主がいう人権擁護委員の選定基準であるが,いかに『この委員はおかしい』と訴える機会があっても,それが(解嘱が)実現することはほとんどないはずである.すでに格好の実例があって,それは各地の教育委員会委員である.『作る会の教科書選定』というトンデモぶりを発揮しても,その委員会が解散させられることは未だかつて見たことがない.(犬山市の教育委員会は素晴らしい見識を発揮している唯一の例であろう).



 (3) 民主主義・自由主義というものは例え差別的言説があったとしても、絶対にそれを規制してはならない。規制したらその時点で民主主義・自由主義は死亡する。

 これは法案反対論者が呈する大きな疑問の一つである.人権法案では差別的言辞かどうかを人権委員会・人権擁護委員会が判定できる権限を有し,そのために必要ならば被疑者に対し強制調査を行う権限も付与される.無論,差別に当たると認定されれば被疑者は処罰される.
 標記心配の所以は,『差別的言説の規制』と『表現の自由の侵害』との区別は厳密には不可能なことであり,そういうものの判定権を国家に委ねることを意味している.それは実に危険ではないか!,ということである.これでは民主主義は死滅する,と言われても仕方がないと思われる.
 こういう疑問が出るものだから,正当性を主張するために法案推進論者はこのあたりから新たな概念を持ち出すようになる.サイト主は以下のような批判をこれに加えているが,これは後に出てくる,『消極的自由』と『積極的自由』という概念の雛形である.

=====================
 例えばドイツはナチス的思想を掲げたり、公共の場でハーケンクロイツやヒトラー式敬礼を出す事を禁止しています。民主主義・自由主義を取り入れる事と、差別的言説を含めてあらゆる言説を許容することは、必ずしもイコールでは無いのです(むしろ国の数から言ったら、その様な差別的言説を認めない国の方が多いだろう)。
 それともあなたは、ドイツが自由主義・民主主義を持っていないとでも言うのですか?もしそうなら、あなたはこう言わなければなりません。「もし差別的言説を規制しようとすると思うなら、日本は今のドイツのような全体主義国家になってしまうのです!」と。はっきり言って、全然説得力ありませんけどね。
=====================


すなわち,
・ドイツでは,『ナチス礼賛』や『ハーケンクロイツ使用』など,ナチス称揚に関することは厳として禁止されている,
・こういう『自由を束縛できる権利』が確立しているのだ,これは表現の自由の侵害には当たらないと認識されていることになる,(これを「積極的自由」とこの人は定義する.あとで出てくるのでその時に批判する.括弧内はパピヨン)
・従って,差別的言説を規制することによって民主主義が死ぬことにはならない,
というわけである.
 しかし,これも非常に為にする議論である.以前の記事のコメントにも書いたが,ナチス称揚はあいまいさが無く特定できる.ところが,差別的言説などはどうにでも恣意的に解釈できるものである.これらを同列に論じることは全くおかしなことである.しかもその決定権が国家(というより行政,と言った方が良いかも.以下,国家を適宜,行政と理解してください)にあるのだ.国家とは常に警戒の対象でなければならないのにこれは大問題と言うべきである.
 ナチス称揚を日本に当てはめるとすれば,たとえば『南京大虐殺はなかった』とか,『石井731部隊の悪業否定』とか,そういう類のことである.法案推進論者たちは,逆に,こういう言説の禁止を実現する方向は志向してないようである
 どうして法案推進論者たちは,具体的な,『『南京大虐殺否定禁止法』などという具体的な法案を志向しないのだろうか.それは反対論が強くて実現しない?じゃあ聞くが,今の人権擁護法案なら実現できる,と思っているのか!
 それとも法案の目的はそういう個別の差別ではない,というのだろうか.ならば言わせてもらうが,そういう包括的な差別禁止では個別の特定は逆にとても難しくなるはずではないだろうか.そういう包括的なもので,一体何を目論んでいるのだろうか.
 無論,個別法案では目こぼれがあると思われるが,それが発見できたら追加すればいいはずではないか.
 こういうわけだから,法案の目論みは同和利権の継承なのではないか,というように疑われるのだ(実は,もっと強い根拠があるので後述する).
 もう一点ある.ナチス称揚禁止法がどうして『差別禁止の枠組み』で現れるのか,ということだ.無論,根っこにはユダヤ人差別ということがあったが,その法の精神は,ユダヤ人差別自体よりも,かつて行ったそういう差別を正当化すること,さらにはファシズム称揚そのものを問題としているのであろうと思う.
 つまり,ユダヤ人差別はナチス称揚の一部ではあろうが,それがすべてではない.ユダヤ人差別イコールファシズム称揚,ということではないはずである.『ユダヤ人差別⊂ナチス称揚⊂ファシズム称揚』,の関係があるのだ.
 なぜ人権法案では,『第三国人呼称禁止法』,『在日外国人差別禁止法』,などの方向に行かないのだろうか.逆に言えば,今の法案にある 『包括的な差別禁止法』に当たるものがドイツに存在するのか,例えばドイツに,ナチス称揚以外の『積極的自由』の発露としてどんな法が実現しているのだろうか?(これは私は知らないので,ホントにあるのかもしれないが,その例を教えてほしい.)本来,比較するとすればそういうものと比較するべきなのである.)
 繰り返す.法案推進論者たちは,なぜ,『南京大虐殺否定禁止法』,『第三国人呼称禁止法』,『在日外国人差別禁止法』などという方向を志向しないのだろうか.不誠実,まやかしと言うしかない.これならば少なくともアホ都知事を刑務所送りにすることができるのであるが,包括的な法案ではこれは決して期待できないだろう.

まだまだ続きます.
by papillon9999 | 2008-02-23 18:26 | Comments(8)
Commented by 仲@ukiuki at 2008-02-24 18:57 x
TBありがとうございます。

WEBで参照できるものがほとんどないみたいなので、入力やらが面倒なこともあって拙ブログでは詳しく扱えていないのですが、「外国人・民族的少数者の人権基本法要項試案」(日弁連2004.10)とか「人種差別撤廃条例要項試案」(東京弁護士会2005.6)、人種差別撤廃法要綱(自由人権協会2006.2)「外国人人権基本法」「人種差別撤廃法」の提案(移住連)など、いろいろ試案はつくられてきています。『外国人・民族的マイノリティ人権白書』(明石書店)の巻末資料が詳しいです。

で、人権擁護法案なんですが、あれが本当に成立すると信じている人、今では非常に少ないんじゃないでしょうか。私も「死んだ法案」だと思ってますし。
Commented by papillon9999 at 2008-02-24 19:13
仲さん,コメントありがとうございます.
「外国人・民族的少数者の人権基本法要項試案」などの,具体的に特定できる法案ならば問題ないと思います.中身はまだ見ていませんが,
『本当に成立すると信じている人、今では非常に少ないんじゃないでしょうか』
そうなんですか!そうであれば良いんですけどね.けれど逆に自民党の反動勢力が千載一遇のチャンスとばかりに(共謀罪の代わりに)成立を狙ってくる,という可能性はないでしょうかね.なければ万々歳ですね!(^o^)/
Commented by DH at 2008-02-26 02:31 x
TBありがとうございました。実は当初この「人権擁護法案」という名称を目にした時は、何となく良さそうな気がして、反対する方がおかしいのでは、と思ったりしました。よーく考えてみるといろいろと問題点が見つかって、これは安易に賛同できないなと思い直したのが実情です。今から考えるとまことにお恥ずかしい次第です。
Commented by papillon9999 at 2008-02-26 18:36
DHさん,『まことにお恥ずかしい次第です』なんて誰でもじゃないでしょうか?だって,『人権擁護』という言葉に反対できる人なんていないはずです.
反対といっても『人権擁護に反対』ではないのに反対せざるを得ないとは不思議なシロモノです.
Commented by 仲@ukiuki at 2008-03-14 12:08 x
自己レスです。

>WEBで参照できるものがほとんどないみたいなので、

と書きましたが、拙ブログの2番目の記事末尾で、外国人人権法連絡会のサイトを中心に、かなりの部分、紹介していました。
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2005/12/post_3ea1.html
です。あんまり昔なので、すっかり忘れていました……orz。

なお、情報をわかりやすくまとめなおした記事がこちらです。
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2008/03/2008.html

ご参考まで。
Commented by papillon9999 at 2008-03-18 14:54
仲さん,どうも注釈恐れ入ります.いろいろ,特定の目的の法案が指向されているようですね.まだ中身は検討していませんが,一般的にはいい方向だと思います.
Commented by 通りすがり at 2015-04-15 06:03 x
人権法案では差別 的言辞かどうかを人権委員会・人権擁護委員会が判定できる権限を有し,
>そ のために必要ならば被疑者に対し強制調査を行う権限も付与される.
司法手続き上の強制捜査と違ってこの行政調査は任意です
>無論, 差別に当たると認定されれば被疑者は処罰される.
被疑者ってなんですか?刑事事件と勘違いしてます?
これは行政法であり人権侵害への対応は勧告(強制力のない行政指導)が限界になります
Commented at 2015-04-15 22:27
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。