アルバイシンの丘
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『法隆寺の謎を解く』の謎を解く(1)
 私がブログを書き始めた最初の頃(1月),梅原猛さんのあの名著,『隠された十字架』について書いた.まずそこを読んでいただきたいが,私がこの本を古本屋で偶然手にした時(2002年),その題名に物凄く興味を惹かれた.『法隆寺に何かイエスキリストとの繋がりのあることが発見されたのだろうか』.それほど何の先入観も知識も関心も持っていなかったのである.しかし,偶然手にしたことに何やら縁を感じる.ぞっこん魅かれてしまった.



 さて,その時の記事に驚愕のコメントを戴いたのは,今見ると8月21日だった.下さった方は「もっと名著」さん.その内容は,
「法隆寺の再建に関して梅原説を上回る新説が出たのは知ってらっしゃいますか?これによると梅原先生は勘違いから議論を始めてしまったようです。」
というものであった.私の驚きは大きかった.あの名著,名推理が「勘違い」から出ていたものだなんて! ,梅原氏自身が以前の文献解釈を誤り,それを修正されたのかとまず思った.その結果,別の新しい説にたどり着かれたのだろうか? しかし,ちくま新書から出たというその本を調べてみると著者が違っていた.「うーん」と思いながら本の注文が億劫でしばらく放っていたら,なんと忘れてしまった! その本の題名は『法隆寺の謎を解く』,著者は武澤秀一氏,建築家であるらしい.
 10月9日に一読した結果を速報の形でコメント欄に発表した.その要旨は
「これは法隆寺のイメージ復活のためのキャンペーンではないか.この本のやり方は他の説に対し,一つ一つ反証をたてて反論していくのではなく,ほぼ独立に自論のみで結論まで至っている,というやり方になっている.歴史的な考察が非常に薄く,美的感覚や空間の感性に偏重している.建築学的美観を主とした状況証拠の羅列,悪く言えば印象操作に終始している.」
であった.ただし,再度じっくり読み直し,詳細を発表することを約束していた.

 ようやくその検証が終了したので記事にまとめようと思う.検証の結果は,ほとんど速報と同じであった.いや,あの当時よりはるかに印象は悪化した.ヤフーで「法隆寺の謎を解く」を検索すると,この本がたくさんヒットする.ひょっとしたら売れてるのではないか?

 『いや,みんな待ってくれ!』,と言いたい.その本は,いわゆる「トンデモ本」ではないものの,非常に不誠実な本である.梅原さんの本と比べると,言っては悪いが「学位論文」に対する「卒業論文」並である(夏休みの自由研究よりはましだろう).上に書いた速報コメントにあるように,法隆寺のイメージ復活キャンペーンであると言う確信はますます強くなった.梅原氏の説はもう有名になったが,法隆寺は聖徳太子の怨霊を封じ込めるために作られた,というものである.しかしこれでは,太子信仰に帰依する信者や法隆寺・太子教ゆかりの僧たちにとっては非常に都合が悪いだろう.それでそのイメージを払拭する必要に迫られていると私は推察している.
 そもそも,こういう論争をする際には,自分より前に存在する論文や本に対しては,その論理をたどり,そのどこが間違っているかを自分の論理に沿って指摘した上で自分の論理を展開しなければならないはずだ,それが後から書く者の努めである.しかし,この本の著者は,ただ中門の柱に関する梅原氏の解釈を「誤認した」ものと書くだけで,膨大な論理の展開を一切無視し,自分の偏った論を独自に展開するのみである.

 私は,この本,『法隆寺の謎を解く』は真理を追究してはいない,と感じた.あえて法隆寺側に魂を売っているのではないかと疑っている.そういう論調を感じるのだ.私は今では義憤さえ抱いている.
 法隆寺の事情は事情,真理は真理だ.(念のためだが,梅原氏の論が絶対の真理だ,と言っているのではない.)
 次回以降,細かく検証していく.私の論調は厳しくなるものと思う.
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by papillon9999 | 2006-10-23 21:27 | Comments(6)
Commented by 布引洋 at 2006-10-26 11:37 x
梅原猛は建築家でも美術工芸家でもないので建築学的な、又は美術工芸学的な突っ込みは出来ると思います。
ただ根本的な、日本歴史に占める怨霊信仰の重要性を指摘した梅原猛の考え方そのものが大事なのです。
細々した技術的細部の誤りは当然存在します。虫眼鏡で細部を観察する作業は大事でしょうが、一番大事なのは建物でも歴史でも全体をどれだけ大きくとらえられるか、どれだけ大きな視点を持てるか思考の大きさが問われます。
Commented by papillon9999 at 2006-10-26 16:36
布引洋さま  コメントありがとうございます.
この著者のいう梅原氏の「誤認」とは,中門の柱がど真ん中に来ていることの解釈に関して言ってるのですが,「誤認」とは単なる主観です.法隆寺に関してはど真ん中に柱が来る箇所がその他にもいくつもあるのです(普通の寺にはありえない).
この著者は美的感覚の故,という解釈を与えていますが,中門以外は目に見えない所であり,早くも論理的に破綻しています.
こういう類のことがたくさんあるのです.ぜひお楽しみに.
最近は時間が取れず新記事アップがままなりません.イーホームズの藤田東吾社長を支援しなければならないのですが・・・
Commented by 夢十夜 at 2006-10-26 21:53 x
papillon様
ご無沙汰しております。
小生も古代史には興味があり、今回の『法隆寺の謎を解く』には期待しております。
ただ、梅原猛氏については、何冊か著書を読みましたが、どうも小生には氏の論理がしっくりきません。不遜な言い方かも知れませんが、ご自分の思い込みが強すぎるという印象でした。そこで『隠された十字架』についても今まで気にはなっていましたがまだ読んでおりません(近くの小さな書店にいつもあるのですよ)。法隆寺については、その後、考古学的な新しい事実がいくつか発見されているようです。

梅原氏の著書を読んでもいないのにこんなコメントをするのは恐縮ですが、papillon様の謎解きには期待しております。
Commented by papillon9999 at 2006-10-27 18:17
夢十夜さま  しばらくです.ご期待に対してはプレッシャを感じますが,梅原さんの本を読み直す機会となって大変よかったと思います.
すべて真理かどうか,というのは疑問ですが,とても面白いです.確かにおっしゃるように梅原氏は思い込みが強いと感じる所がありますが,行き過ぎた所はまた反省して論を修正されますよね.
梅原氏が書かれた頃以降の新しい事実の発見とは使用木材の年代測定でしょうか,これは武澤氏の本に書いてあって,重要な論拠として使ってあります.これも考慮に入れた考察が必要でしょうね.
Commented by papillon9999 at 2006-10-30 20:58
柿の葉さま  コメント有難うございます.初めの方,真ん中に柱が来るように作ってある部分は(3)の記事にも書きましたが,金堂(これは実に意味深長です),講堂,五重塔の最上層です.「いくつも」と書いた割にはたった3個でした^_^;)
議論が活発になることはいいことですね.おっしゃるとおりですが,果たしてそれに見合うものかどうか.武澤氏への私の評価記事,ぜひご批判をお願いします.
Commented at 2013-01-31 21:54
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