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UTSのアンケートについて
2006年 07月 15日
この前参加表明したばかりの Under The Sun からアンケート調査が舞い込んだ.そのことを華氏451度さんからもTBで知らせて頂いた(感謝します).さて,アンケートとは日本の安全や国防に対する態度・姿勢に関して,下記のどれを支持しますか,という趣旨である.
1.非武装をすすめ、他国から侵略されても抵抗をすべきではない 2.他国から侵攻は防衛しても、攻撃はおこなうべきではない 3.専守防衛は現在でも可能なので、現状を変更する必要はない 4.武装を強化し、専守防衛に徹すべし 5.武装強化・憲法改正をおこない、専守防衛に徹すべし 6.日本にとって危険な国に対しては、先制攻撃を加えるべき 7.核兵器の開発までふくめ、軍事力を増大していく必要がある 8.その他 端的に私の回答を書くと,私の回答はこの中にはない.(とすれば,8のその他,ではないか,ということだが,その他に含めてもらっては困る.もっと激しい軍備増強案などと一緒にされてはかなわないからだ. しいて言えば,0番の選択肢を作って欲しい(欲しかった?)それは例えば次のような選択肢になるだろう. 0.「侵略されたらどうする?」という設問自体をなくすよう,最大限の努力をする. (『同時に「国際的警察力」の理念構築と創設を図る』を付加するかどうか,あるいは 別の選択肢とするか,は別途検討の余地があるが.) 仮にこの選択肢の内容が現実性が薄いとしても,『選択肢がない』ということ自体を問題にしたい.UTSとあろうものがなんということだろうか,といいたい. この0番の選択肢の根拠を述べる.以前の拙ブログ記事,『同胞と異邦人』,および『個人の武装と国の武装』に書いたように,最も警戒すべきは自国の権力者達である.それを選ぶのは国民の選挙だろうが,実際には金をもたらす勢力のために権力は動く.敵対関係を作ればたくさんの税金がお金をもたらした連中に還元される.こういう構図は皆さんには言わずもがなのことだろう. 『相手から侵略されたらどうする?』という前に,『権力が暴走したらどうする』,『暴走しないようにするにはどうすればいいか?』の方が重要な問いかけだ.そう,かつての記事にも書いたように,『敵は自国内にいる』のである.このような考え・危惧は日本国憲法の理念の根本に横たわっていると考える.私はこの理念に深く賛同する. 無論,よその国にも『暴走する権力』が生まれる可能性はある.しかし,その時は,『敵はその権力者』であって,『その国民ではない』.このために普段からの国民同士の付き合いが極めて重要であり,さらに『暴走する権力への警戒心』を両国民(どの国民も)共有しなければならない.可能か不可能かの問題ではない.そうしていくことしか平和裡に共存していく道はない,と思い知らなければならない.これは国家の要・不要問題ともまったく別のことだ. 愚樵さんはコメントで,『・・・暴走する力には歯止めが必要です。』として,その歯止めを『敵国の市民といえど、人は人。どんな大義名分があろうとも、人を殺せば殺人。・・・』ということで『一般刑法』に求めておられる.(こういうまとめで良かったでしょうか?)しかし,私はこの考えに賛同できない.暴走する権力の歯止めをかける,ということは,(非戦闘員である)相手国民を殺さないため,だけではない.それも無論重要なのであるが,それと並ぶ重要なことがある.上にも書いたように,『我々国民が自国の権力がそのような戦争をしでかさないため』,かつ,『我々国民が権力者からそのようなこと(相手国の兵士・市民を殺すための戦争に駆り出さられること)を強制されないため』こそが,歯止めの目的でなくてはならないはずだ.何しろ現実的に言えば,兵士と市民は区別がつかない.どこかの競技場で試合をするわけではないからだ. 以上のように考え,私は今回のアンケート自体に含まれる問題点をここで挙げる.それは,対立軸を『自国』対『どこかよその国』のように無自覚に設定していることである.その対立軸は『国民』対『自国の権力』という対立軸に置き換えるべきだと思う.そして,『自国の国民』と『どこかよその国の国民』は対立軸ではなくて,『互いの自国の権力を警戒する同志』と見なければならない.念のために再度書くと,国家が必要か不要か,という議論はここではまったく意味が無いことを指摘しておく. ということで,いきなりの『・・他国から侵略されても・・』という土俵を設定されたアンケートに参加するわけにはいかない.
by papillon9999
| 2006-07-15 10:06
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Comments(18)
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布引洋
at 2006-07-15 16:36
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最初、このアンケートを見た時、読売新聞が始めたのかと思いました。(即座に中止するべきです)
非常に悪質です。(単に無知なだけかも知れませんが) 第一に日本の安全と国防と言う名称が間違い(軍事問題とすべき) 第二に七つの選択肢の内、軍縮は一つだけでその他は現状肯定か軍備増強になっている。(明かに公平さに欠ける) 第三に『外国が攻めてきたら』の設問が間違い(世界第二の経済大国が攻められる可能性より、攻める可能性の方が遥かに高い) 第四に軍隊の本質を間違っている(軍とは本来国民を抑えるもの、余裕が出来た時には他国を侵略する) 第五に憲法の精神と真っ向から反するアンケートを今する意義が考えられない。 第六に軍事問題は政治の内で、非常に小さい問題しか解決しません。(軍事は軍事問題しか解決しない) 何時も思うのですが、正しい質問は、質問された時点で大方は正しい答えが出ています。 間違った質問からは、間違った答えしか出てきません。
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papillon9999 at 2006-07-15 23:47
布引洋さんへ 全面的に同意します.特に,『第四に軍隊の本質を間違っている』の観点は,私の意見の中ではさほど強調されていないので,私にとっても非常に貴重なご意見です.ありがとうございます.
私もいつもそれを思っています.『軍隊は国民を守るためにあるのではない』 『同胞と異邦人』の記事の中には書いていると思います.
なるほど。「0」の選択肢とは考えませんでした。私もその「0」の選択肢に限りなく近いのですが、次善の策として「1」を選びました。私がアンケートに参加したのは、「国とは何か、国防とは何なのか(そんなものは無意味であるという考え方も含めて)」を議論するきっかけになればと思ったからです。
しかし、アルバイシンの丘さんの「ということで、参加できない」というのもひとつの回答。というよりも、こういうさまざまな意見が出され、議論されることによって、UTSは育っていくのだろうと思います。できればUTSにTBしていただけると、参加仲間として嬉しく思います。
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papillon9999 at 2006-07-16 10:05
華氏451度さんへ コメントありがとうございます.「苦渋の選択」,お察し申し上げます.私も最初,戸惑いました.「あれ?ない!」
しかし,憲法9条を考えることとは,こういうことを考えること,でもあるわけですよね.「9条を守る」というだけではほとんど無力で無意味でしょう.そこであえて「護憲派」たちの意識を揺さぶるために,UTSが仕掛けた,と考えられなくもありませんね.(深読みかなぁ?) UTSには無論TBはしましたのでご心配なく.(アンケートの方ではない所に)
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papillon9999 at 2006-07-16 10:27
UTSへTBしたと思ったが,(確かにしたはずなんだが),手元にもUTSの方にもTBの形跡がなかった.変だなぁ.改めて送ったがもう送る必要のないものだった.無駄なことをしました.
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布引洋
at 2006-07-16 13:07
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「同胞と異邦人」は前にも何度か読んだのですが、今回改めて読み返してみて、華氏さんに設問を訂正すれば賛成できるとコメントを送ったのは、間違いであるのに気が付きました。
国軍が、国民に向かって牙を向いた時、どういう事態が起るか。そういう視点が今の日本人には欠如しています。 野中広務が自衛隊の治安訓練(治安出動)の危険性に言及していました。(二千人程度の部隊で国家の中枢を掌握できる) 日本ではクーデターが成功しないと言う迷信を全員が信じています。 クーデターが一度も無かったチリで30数年前の9・11に起った軍事クーデターを描いた『サンチャゴに雨が降る』での悲劇に眼を瞑るべきではないでしょう。 それともう一つ、現在の日本国に侵攻する外国軍は、アメリカ軍以外に有り得ない事実に、日本人は皆気が付いていません。 侵攻して来るアメリカ軍に対して、自衛隊は果たして如何するでしょうか。
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papillon9999 at 2006-07-16 13:34
布引さんへ 反米政権ができようとしたら,まずその指導者を暗殺するでしょうね.それでも勢いが止まらなければ米軍が戒厳体制をとることでしょう.言われてみて改めて実感させられます.自衛隊はいったいどちらに着くのか・・・うーん,いつも鋭いですね.
クーデターの危険性は,実はこれまでにほとんど思っていませんでした.ほんとにこれの監視も必要ですね!防衛庁が省に昇格したらほんとに危険が現実的になりそうです. 反米政権の内容ですね.国粋主義的な反米と親中的な反米と民主的な反米といろいろありえますねぇ それぞれ,その後の展開が異なりそうです.いずれにしても,『国民対自国の軍隊・権力』の構図で見ることが最重要と考える点で布引さんと私は一致していると思います.
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布引洋
at 2006-07-16 15:04
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UTCともあろう者がこの時期にこんなアンケートを考えたのか。
護憲の考えの若者のグログを読んでいると、ネットウヨが『突然外国が攻めてきたら如何する』と質問して、ブログ管理者が真面目な回答を書いても、次々難問奇問珍問を浴びせて回答不能に陥らせています。 ネットウヨのレベルはご存知のように、小林義則等の漫画的司式
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布引洋
at 2006-07-16 15:18
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漫画で武装した軍事オタクのネットウヨに真面目な青年がちゃんと反論できないのは情けない話です。
反論する方も、『突然攻めてきたら』と攻撃する方も何れも知識と経験が不足しています。 UTCは親切にも、模範解答を出来るようにアンケートを考え付いたのかも知れません。 当ブログの過去の記事やコメントを整理して、一つに纏めれば、可也強力なアイテムになりそうです。
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papillon9999 at 2006-07-16 18:07
『反論する方も、『突然攻めてきたら』と攻撃する方も何れも知識と経験が不足しています。』という点,護憲派も意外と(全然?)理論武装ができてないということですね.だから小林よしのりなどをのさばらせるんですね.
せっかくの護憲で頑張っている若者たちに,武器を補給してやらなければならない責任がおじさんたちにはありますね!
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独裁制をぶっこわそう!
at 2006-07-16 22:45
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初めまして。こういった議論がされただけでも、今回のアンケートは意義があったと思います。
自分なりの質問と選択肢を考えてみるのも良きことでは? 私はそこまで深く考えていないので、とてもそこまで考えられません。 布引様のコメントを読んで、昔の苦い経験を思い出し、キーワード【荒らされないために】を登録しました。 http://catchcopy.g.hatena.ne.jp/keyword/%e8%8d%92%e3%82%89%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ab
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papillon9999 at 2006-07-16 23:18
独裁制をぶっこわそう!さんへ TBとコメント,ならびに拙記事の引用ありがとうございます.私の方からもTBを送ろうと思いましたが,どうすればよいやら????でした.TB用のurlが出てきませんよ.それに,上のコメント中にあるキーワード!これでどうして荒らされないようになるのですか?ちんぷんかんぷん??
でも権力者の暴走がすでに始まっています!止めなければ!でもどうやって?!
TB&コメントありがとうございました。
わたしも、心情的には0番ですが回答しないという事は考えませんでした。 私が住む長野県ではまもなく知事選が告示となりますが、まさに選択肢がなく0番を選びたい気分ですが、白票での投票か棄権かと考えた時に、それでは何も進展しないし投票することで意見もいえるとの考えから、次善の選択肢で投票しようと考えています。
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独裁制をぶっこわそう!
at 2006-07-17 22:25
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TBアドレスが出ない?これは失礼しました。カテゴリを入れるのを忘れていたのです。
はてなのこのデザインでは、カテゴリを入れないとTBアドレスが表示できないようになっているのです。 ではなぜカテゴリを入れ忘れたのかというと、人気blogランキングからのアクセスを増やすためであります。 実は人気blogランキングで最新2記事を表示させる時、タイトルの始め数文字しか表示されません。 カテゴリを入れると、カテゴリから始まってしまうため、記事の本質に関わるタイトル部分を表示させるためにPINGを飛ばすまではカテゴリを入れていません。 PINGを飛ばしてからカテゴリを入れることにしているのですが、時々忘れてしまいます。 以後注意します。 なお、はてなダイアリーではリンクなしのTBをはじくことがあるようです。ライブドアブログのように管理者が選択するのではなく、そうなっているようです。 しかし、時々リンクなしのTBも入ってくるようですが。
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独裁制をぶっこわそう!
at 2006-07-17 22:26
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文字数制限のため分割になりました。
「これでどうして荒らされないようになるのですか」はまさにその通りで、訂正させて頂きました。 http://catchcopy.g.hatena.ne.jp/minshushugisha/20060716 ご指摘ありがとうございます。おかげで恥を長くさらさずにすみました。
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papillon9999 at 2006-07-19 09:45
コメントありがとうございます.でもこのように書かれても実は全然意味がわからないのです.(単なる無知なんですね.^^;)すみません.でも荒しはほんとに困るでしょうね.その時になったらぜひ対策を伝授してください.
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布引洋
at 2007-01-25 14:58
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話の筋道が混乱するので7月時点では書かなかったのですが、実際に『突然攻めてきたら』の実際例の話です。
①事前に安全な場所(国)に亡命する。 ②戦争が始まってから慌てて逃げる。 ③あくまで投獄覚悟で戦争に反対する。(積極的反対) ④戦争には反対だが沈黙する。(消極的反対) ⑤政府の戦争に不承不承協力し、占領されたら占領軍に協力する。 ⑥正義の戦争は建て前だけと知っているが、みんなの前では聖戦を信じているふりをする。 ⑦聖戦の犠牲を説きながら、自分は戦後を考えて蓄財に励む。 ⑧部下の一般兵士には徹底抗戦を命令し自分は安全な本国に逃げる。 ⑨絶対に逃亡は許さない。聖戦を信じて全員玉砕。 ⑩安全な場所から戦争を煽るだけ煽る。敗戦後は占領軍に全面的に協力する。
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布引洋
at 2007-01-25 16:38
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実際例の①~⑥は一般国民、⑥~⑩は戦争指導者用で61年前の日本では全ての国民が何れかに含まれていました。
それ以外にも現在は『突然外国が攻めてきたら』 (11)占領軍が何をするか静観する。 (12)サボタージュ。 (13)騒動に紛れて放火、略奪をする。 (14)侵攻軍と一緒に政府を攻撃する。 (15)軍事侵攻は自分には関係ないと無視するが、攻撃されれば反撃する。 (16)政治に関わらず経済活動に専念する。 (17)自らの宗教活動に専念する。 (18)占領に対して民主的な抗議行動をする。 (19)占領軍に対して武装闘争を含む抗議行動をする。 (20)自爆攻撃を含む、あらゆる種類の武装闘争をする。 |