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エボラの脅威に便乗するな,BSL4施設の稼働(3:国家によるバイオ研究の本質)
2014年 10月 31日
エボラの脅威に便乗するな,BSL4施設の稼働(2) 2014年 10月 28日の続編としてお届けする。前回まではエボラウィルスの診断(特定)にはBSL4施設は不要であることを議論した。次に議論すべきは,しかしBSL4施設は,病原体から人類を守るための研究実験のために真に必要なのかという点だ。その議論に行く前に,前報記事のコメント欄に書いたことをここで改めて確認しておく。
【情報開示で二転三転】という記事で図らずも浮かび上がったのは,エボラの疑いがあって念のため病院に隔離すること,およびウィルスの診断を行うこと,を隠そうとする意図が存在したことだ。もしこれが陽性であったなら隠し通せるものではなく,すぐに明るみに出るのであるから,パニックを防ぐために情報を隠しておくという理由はほとんど意味をなさない。それでも治療していること自体を隠し通そうとすれば,それこそ漏れ出て最悪の不信パニックが生じるだろう。もし陰性だったら,今回の事実経過が示すように特別パニックが起きるということはない。 では隠しておこうとする意図はどういう理由から発したのであろうか?この推測はきわめて容易である。ウィルスの特定がBSL4施設無しに,あっという間に完了することを国民に知られたくなかったからという以外には考えられない。幸いにして初期段階から情報が外に漏れ(漏れた経緯はよく知らないが),厚生労働省は何事もなかったように陰性であったことを報告した。国民が『あれ?BSL4なしに判断できたん?』と思わないように実にさりげなく。 さて,ウィルスの特定にはBSL4施設が不要ということがわかったが,では人類がエボラウィルスの脅威を克服するための実験研究はどうするのだ?と詰られるだろう。むろん,脅威をそのままにしておくわけにはいかない。関係研究者は適切な実験研究施設で克服のために頑張ってもらいたい。 だとすれば,やはりBSL4施設は日本にも必要なのだろうか?ここで再度,じっくり考えてみよう(第1報の繰返し)。仮に,BSL4施設が自国にあったとしてみよう。だが,目の前のエボラ患者にとってはこの施設は一体どんな役に立つであろうか?当てずっぽうの薬品の効き試し(第1報の安田某氏のテレビ発言)以外にどんな希望があるだろうか?患者にとって必要なのは研究施設ではなく,治療施設である。従って,医療施設は充実させておくことが最優先事項であることは明白である。(現在45か所(うろ覚え)ある国際医療施設の数やベッド数を増やすことは大変有益であろう。) とするならば,研究施設はどこにあろうと(たとえ海外であろうと)国民の目の前の安全・安心には関係ないことがわかる。従って,BSL4の実験研究施設は患者が頻繁に発生する現地付近にあるのが良いというのが一つの有力な解となるだろう。不便があるとすれば研究者が研究するためには海外の施設にわざわざ行かねばならないということだけである。国内に施設を作りたいというのは,研究者側の都合なのである。もちろん,研究のため一々海外にまで赴くことは研究の効率を著しく阻害することは否定できない。しかし,それこそ世界中の研究者,その卵,など大勢がWHOの采配の下で計画的に研究を進めていく体制になっているのであれば,このデメリットはほとんど大きくはないはずである【注1】。 それで,重大な疑問が次に浮かんでくる。なぜ世界協力体制が取られないのかという点だ。ウィキ(バイオセーフティーレベル)を見ればわかるように,BSL4施設は世界中の先進国がそれぞれ自前で保持し,各国がバラバラに研究している(ように見える)。実は日本にもすでに2基存在するのだが,武蔵村山市にある国立感染症研究所では市民一丸となった反対運動で稼働できないでいる(もう一か所の理研筑波は,元々の目的が遺伝子組み換え実験であって,規制緩和によって使用する必要性はなくなったようだ)。 エボラウィルスが引き起こす脅威が先進国に認識されてからすでに50年近く経つ。しかし,未だにこの脅威である。これまでこれらの(世界中のという意味)BSL4施設は一体何をやってきたのだろう?エボラウィルスの研究は一体どこでなされどんな成果が得られてきたのだろう?そういう情報が一切外部にはわからない。(後で書くように,外部にわからないようにすることこそ,この種研究の本質であるともいえる。)むろん,各種の成果はそれなりにあっただろうが,天然痘撲滅の成功のように,果たして人類共有の財産という目的で全力で研究をやってきたのか疑わしい。 さらに考えよう。アフリカの最高度に危険な病原体がもたらす病気はアフリカだけのものだとしたら,何年かに一度,せいぜい数百人が死亡する程度の流行が起きるだけであり,金儲けにはつながりにくい。むしろ,インフルエンザなど先進国でも大量の患者が出る病気の方が本当は撲滅のメリットも大きいし,金儲けの機会も多いのである。だが,インフルエンザなどはBSL4でなくてBSL3施設で研究可能である。何故,研究のモチベーションが少ないはずのBSL4施設を各国は自前で欲しがるのであろうか? このように疑問を重ねていくと,ある一つの推測にぶち当たる。要するに,各国は自前で秘密の研究を行いたい,ということではないだろうか?それは経済効果を度外視した,より高次元の戦略施設ではないのだろうか?例えばバイオテロへの対策を研究するというような。しかし,対策と言って安心してはいけない。対策を研究するとしたら,現存する病原体そのもののばらまきのほか,未だこの世に存在しない変異ウィルス・遺伝子組み換えウィルス等による攻撃も想定しなくてはならい。だが,未だないものを想定しての対策とは,一体何だ? そう,まずバイオ兵器そのものをあれこれ作り出すことからバイオ兵器への対策の研究はスタートすることになろう。つまり,未知のバイオ兵器を開発してその対策を見つける,というマッチポンプ型にならざるを得ない。このようなものであるとしたら,確かに全世界の協力体制は取りにくい。 この研究の途上で,すさまじい威力のウィルスが生み出されたとしよう。そしてそれへのワクチン開発にも成功したとしよう。するとその国は他国へはその情報を秘匿するだろう。なぜならば,それは自国が絶対的に優位に立てるすさまじい武器を手に入れたことになるからである。これは,そう,チョー威力ある核兵器を手に入れたことと同じ効果をもたらすのである。言い換えると,BSL4施設は核兵器並みの戦略施設なのである。(例えば未だに天然痘ウィルスの研究モチベーションが存在することに驚いた。) というような妄想が湧いてくる。現実が実際にその通りになっているとは言っていない。あくまでも単なる妄想であると思っている(ここは強調しておく)。しかしながら,バイオ研究とは本質的にこのような性格を(持とうとしたら)持つものであることは,世界中の市民はよく認識しておく必要があると思う。 以上のような妄想から覚めて,現実に,だから日本はどうすべきかを考えよう。日本にはいまだにあの悪夢の後遺症がはびこっている。言わずと知れた石井731部隊の残滓だ。かの人非人たち,およびその後裔たちはあろうことか,戦後の大学医学部,医学界を牛耳り,焼け太りしてきた。 従って,パピヨン個人としては日本に作ることには賛成できない【注2】。人非人の遺伝子を受け継いだ後裔たちが,BSL4施設を牛耳っていくことは火を見るより明らかだから【注3】。しかし非力なパピヨンとしては,このような記事で警告すること以外には何もできない。パピヨンがいやだと言ってもできてしまうだろう。 だが,市民には決断を迫られた時に,考慮してもらいたい条件がいくつかある。せめてそれを列記しておこう。 1.せめて立地条件をきちんと守ってもらいたい。立地条件とは,人口密集地を避ける,ということである。武蔵村山の施設でも,長崎大学が猪突猛進している計画でも,施設はWHOの立地条件に違反している。詳しくは別稿で論じる予定であるが,国も建設推進側もWHO指針を意図的に誤訳しているのである。解釈改憲と同じだ。 2.バイオ施設ではどうしても事故は起きるということを覚悟しておいてもらいたい。深刻な事態になるかどうかは時の運だが,原発と本質的に同じということをである。つまり,人為的ミスその他で感染が国内から広がるというリスクが必ず存在する。それをどの程度まで許容するのか?外国で感染した人が入国して広がるリスクとの比較考量はどうなのか。さらに,忘れるところだったが,第1報に書いたように,米国に帰国した医師は自分が感染していたことに気が付いてなかったことが明白である。つまり,本人でさえ気が付かないうちに感染するリスクも存在するのである。実験施設ではこのようなリスクが存在することを忘れてはいけない。 3.BSL4施設を意味のあるものにするにはどうしても動物実験施設も併設しなくてはならない。すると事故のリスクは何倍にも高まる。 4.たまたま今はエボラウィルスが焦点となっているが,将来どんなウィルスが脅威となるかはわからない。すると,各ウィルス毎に研究体制を組んでおかなかったら,たまたま誰も研究していないウィルスが脅威となった場合,BSL4施設はないのと同じである。従って,施設は一つ作れば万事OKというものではなく,もっともっと,と必要とされるようになってくるだろう。だけど,人的ソースと金銭的ソースをBSL4だけに割くわけにはいかない。何と言っても,鳥フルとか結核とか,従来の施設でできることで,はるかに人類貢献度の高い研究テーマがそれこそわんさとある。そちらが疎かになっては本末転倒ということもできる。(だからこそ世界中の人的ソースと金銭的ソースを効果的に集中させる必要があると言える。) さらに,数が増えればその分だけ事故の確率も高まることも忘れずに。(忘れていたので後で追記) 5.BSL4施設を用いた研究は(BSL3でも本質的には同じ)上述のような本質・性格を持っている。このことから,情報公開は絶対にしない,期待できない,ことを銘記しなければならない。 まあ,BSL4設置に賛同したい人たちは,以上のことを考慮したうえで賛同してください。なお,武蔵村山にあるBSL4施設の稼働をストップさせている武蔵村山市民は,非国民という大非難,罵声を浴びせかけられん勢いである。再度繰り返す。もし稼働していても目の前の脅威には役に立たないのである。付和雷同のバッシングはやめよ。 【注1】 この場合,研究の自発性,学問の自由が奪われる,というのは頓珍漢な話であることを銘記すべきである。むしろ勝手な研究はやってはいけないのである。研究成果は人類共有の財産として,しかるべき機関がしっかりと情報管理しなければならない。 【注2】 ではどうすればいいのか。パピヨンは当面日本だけでも,WHOと協定して,病原体のふるさと近辺の適切な地に,BSL4施設を作って研究を行うのが良いと思う。そこに,各国を引き入れて拡充していくという戦略を推す。 【注3】 その場合,日本がいつの時点かで暴走することを食い止める一縷の期待は,皮肉なことに米国になるだろう。米国の監視の下にBSL4研究を行うのなら,むしろ安全かもしれない(ひどい理屈かな?(^o^))。でもこれは日本の核兵器開発と同じ状況なのだ。日本の核兵器開発に対しては米国が一貫して警戒してきたのである。米国自体が暴走したらだれにも止められない。あるとすれば,米国自身(の良心)に期待するほかはないだろう。ひどい世の中だ。
by papillon9999
| 2014-10-31 01:00
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Comments(6)
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ななし
at 2014-11-06 14:31
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まさにどれだけの日本のウィルス研究者がこのエボラ騒ぎをチャンスと内心喜んでいることか。すなわち、彼らは人類の危機を救うためにけ研究しているのではなく、おのれのために研究を推進し、トップにたちたいだけなのである。
その欲を適切に外圧が抑制してバランスはたもたたもたれる。BSL4は日本にはいらない。
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papillon9999 at 2014-11-07 09:23
コメントどうもありがとうございます。ちょっと言い過ぎたような気がしますので,言い直します。すみません。
ちょうど核マフィアたちのお抱え御用たちが,チェルノブイリや福島などの不幸な事故の時名をあげる一生に一度のチャンスと喜んだのと,まったく同じ構図のように思っている研究者も多いと思います。 核事故は残念なことに一度ではなく二度もありましたが。これからだってわかりません。 高度危険ウィルスの研究は,研究者の功名心などを捨ててやってほしいと思います。
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生田並樹
at 2014-11-09 21:11
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どの検索サイトをみてもほとんどがBSL4施設が緊急に必要という論調ばかり。このサイトのみが,その危険性・裏に隠された意図を見事に暴いて見せてくれた。大方がこういうものに特段の疑念など感じてもいなかっただろうし,自分自身目が覚める思いだ。BSL4を日本にと声高に叫ぶ研究者よ,よからぬことを企む為政者よ,緊急だからこそ国際協力して一日も早く撲滅に向けて取り組むことを目指せ!
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papillon9999 at 2014-11-09 22:10
こちらもコメントありがとう。
参考にしていただいて拙記事も浮かばれます |(^-^)/ 何よりも現地の人たちを懸命に助けるという視点が希薄ですよね。 今この情況を脅威とするなら,その前から本気で取り組めよ,という感じです。 アフリカ人がウィルスにさらされても放置してきた責任です。生物兵器としての眼でしか見てない。むろん,すべてとは言いませんが。 アフリカで命を張って頑張っている国境なき医師団ほかの医療・救済スタッフに心から敬意を表したい。 福島事故後の異様な動きでわかるように,731部隊の遺伝子を持った後裔たちをすべて粛清しない限り,我が医学界はダメです。
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papillon9999 at 2014-11-21 09:30
バイオ研究施設で続く、深刻な事故
http://wired.jp/2007/07/18/バイオ研究施設で続く、深刻な事故/ エボラ出血熱は封じられる ウイルス研究の第一人者に聞いた危機の正体 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141106/273524/?rt=nocnt
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chayakoban
at 2015-05-04 16:11
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ご意見に賛同しますが、武蔵村山市の人口密集地にある劣化した旧式BSL4施設の強制稼働は極めて危険ですので、人家から離れた安全な場所に免振・制震・耐震性技術を駆使した最新機能を持つBSL4施設を新設し、村山庁舎からの移転を希望する立場です。
バイオテロ・生物兵器対策としてのBSL4施設の稼働・新設は反対ですが、国家安全保障の特定秘密に指定されることを懸念しています。 |