アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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震災瓦礫広域処理問題の本質(2)
 震災瓦礫広域処理問題の本質(1)の続編。

 (2)処理能力について

 前報で環境省資料http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_koiki_mat20120202.pdfに基づいていろいろ検討したが,処理能力についても興味深い事実を発見したので追加しておく。



 この資料の3ページ目に処理能力と広域処理量に関する事実を見出すことができる。岩手県内の処理・処分能力の表。例えば,柱・角材の欄では,県内2社の処理能力として60ton/日,広域処理(の計画だろう)650ton/日,合計710ton/日,となっていて,それらによって処理されるべき全体の量が,下の表にある。全体量515,200ton(うち,広域処理量471,100ton)と書かれている。
 これらの数値は,2年間で処理されるはずのものだから,1日当たり処理量×2年間の日数として得られるものだろう。計算してみると,2年間の日数を725日(365×2=730より少なめ)とすればよく合うが,710×725=514,750,60×725=43,500,650×725=471,250となって,この表の数値がこのような計算で得られたものだと確認できる。
 他の瓦礫項目ではこれがやや少なくなる。「可燃物」ではすべて合わせて,1052t/day×725=762,700tonなので,総量805,500tonより少し少ない。「不燃物」でも同様にやや少ない。でもまあ,何らかの誤差の範囲とみなしてよいだろう。

 ここまでは良いのだが全体の総量が合わない。広域処理量は471,100+29,000+73,200=573,300で合うのだが,処理される瓦礫総量は,515,200+805,500+505,700=1,826,400にしかならない。つまり,岩手県の瓦礫総量,476万トンには程遠い。端数誤差のオーダーではない。残りの294万トンはこの表には載せられていないということだ。
 この事実は,この表に示してあるのは広域処理に関係する部分のみであるということ。逆にいえば,広域処理プログラムに乗ってない自治体は自力で処理可能,すなわち,県内にまだ処理能力がまだ多く隠れている(悪意でという意味ではない)ということになる。しかし,表ではそれが明示されていない。(「他市町村」という項目が可燃物の欄にはあるが,それ以外の欄にはない。)
 つまり,こういうことだ。次の資料で岩手県内の各自治体ごとの瓦礫量がわかる。
   東北大震災被災地のがれき量
 先の隠れていたがれき量は,この図表の右から4つ,陸前高田,大船渡,釜石,それに大槌の分に相当していることがわかる。これらの合計は265.9万tonである。がれき量がその後少し増えたかもしれないので,大体このように考えて大きな外れはないだろう。

 つまり,陸前高田,大船渡,釜石,大槌は自力で処理できるということだ。するとどうなる?
 一般的に言って,瓦礫処理能力と瓦礫量がどこもピッタリ釣り合っているということは確率的に非常に低い。能力が不十分か余剰かのどちらかであるのが普通である。しかし,不十分の場合には広域処理だろうから,ありうるのは余剰の方。これはコロンボ式推論の一種である。
 これら4つの自治体の処理能力がわかれば,その計算ができる。広域処理分を少しでもそちらに廻すという発想は,仕組は,なかったのか?それともあったのか?それを知りたいと思う。しかし,あるのなら,上記の表に載せてあってしかるべきだと思うが。
 それとも,岩手県の広域処理予定は圧倒的に「柱材・角材」が多いが,たまたま岩手県は「柱材・角材」の処理能力だけ低かったのであろうか?でもこれ以上考えてもしょうがないね。

 もう一つ,発見した不思議がある。可燃物処理用に仮設焼却炉(能力200t/day)が想定されている(もうすでにできたと思われる)。この種類の広域処理予定は41t/dayであって約五分の一。すると,この焼却炉の4.8カ月分に過ぎない。本当は,もっと焼却炉を作れば良いではないか,と言いたいのをぐっと喉の奥に呑み込んでも,この程度の延長に過ぎないものが果たして復興の成否を掛けたものと言えるのか,とっても大きな疑問に包まれるのだ(もちろん,今の話は可燃物だけのことなんだけど)。

 以上,広域処理でなければならないという必然性に乏しいのではないか,という根拠を書いた。これは果たして,放射能忌避感情の強い住民の意向を無視してまでも強行しないといけないことなのだろうか?

 (3)不自然な処理スキームと処理費用

 この環境省プロジェクトはいくつか不自然なことがある。一つは今まで見て来た必要性,緊急性への疑問,次には処理スキーム自体の不自然さだ。
 まず,このプロジェクトは,瓦礫を被災地内で移動させることは想定されていないという。このことは,上記環境省資料の27ページにある「災害廃棄物の広域処理推進体制図」において,『受入側地方公共団体』というのは被災地以外の自治体である(kirikoさん)ということから推定できるが,下記によって環境省の直接の証言を聞くことができる(残念ながら動画は削除されているが,貴重な書き起こしが残されている。)

 「瓦礫が欲しい 南相馬市 桜井勝延市長 環境省は拒否!?」

 この,「想定されていない」とは何気ない言葉であるが,意外と深い意味が隠されている。広域処理用に想定している2割分の瓦礫自体を移動させてはいけないという意味である。
 これは非常に不思議な,というより実に不誠実な『スキーム』というべきだろう。莫大な予算を独占するのはともかく,受入れ拒否の国民を非国民並みの印象を与えながら,数カ月の先延ばしも許されないほど急ぐ広域処理であるならば,なぜ被災地内でも需要がある処があればすぐに処理に廻さないのか,という批判に堪えられるのか。まるで,広域処理用として,がっちり確保しているように見える。そこには,やはり重大な理由があるのだと思う。どうしても2割は広域処理したいという強い意志,動機が存在していそうである。

 あまり一般には意識されてはいなかったが,瓦礫とは産廃業界やリサイクル業界といった静脈産業にとっては宝の山なのである(そういう面もあるということ)。”良質の”廃棄物は全国のその筋にとっては,喉から手が出るように欲しいものなのである。しかも,今回は潮水などもすべて国が洗浄してくれるし,はるかに高いコストでやらせてもらえるのである。

 この環境省プロジェクトのこのような性格はやはりしっかりと認識しておくべきだろう。これを利権というかどうか人に依るかもしれない,また利権であったとしてそれがどうした?という人もいるに違いない。ならばそれでもよいが,受入れが当然という押し付けだけは口にしてはいけない。利権があっても我慢して受け入れるべきだ,はよほどのことにしようではないか。

 このプロジェクトを予算の面から見てみよう。阪神大震災の時にはがれき処理費用に3,246億円(トン当たり2万2千円)だったらしい(産経記事)。
 今回の処理費用は,トン当たりの単価が3倍ほど。潮水の洗浄など,前処理にコストがかかって,阪神の時よりもコストが跳ね上がるのだという。これの当否は判断できないが,決算でしっかり確認しないといかんだろう。私の税金が異常な宣伝広告費として電通に渡ってなければよいが。
 現在すでに1兆円を優に超えた。このプロジェクトの所為でどれだけ不要な税金が上積みされたのか,残念ながら検証すべくもない。瓦礫除染のためのお金として膨らんだのであったら,むしろ喜ぶべき使途,必要経費なのだが。

 環境省は今,史上初の空前のチャンスを目の前にしている。次の資料を発見した。
 平成24 年度環境省予算のポイント
 1ページ目に次のような記述がある(時間の都合上,全部を読むのは断念した)

  ・新設される東日本大震災復興特別会計(仮称)(以下「復興特会」という。)に8,258 億円を、・・・
  ・環境省としては初めて1兆円を超える予算となった・・・

  
 いよいよ環境省も大省庁の仲間入りできるらしい。『復興特別会計』もできるし,ご同慶の至りである。だが,また『特別会計』か・・・ホントに・・・

 利権があろうとなかろうと,やらなければならないことはやらなければ仕方がない,しかし,これまで見たように,必然性については大いに疑問が残った。そのようなものを,放射能問題を解決しないまま強行している。放射能問題が許容できるようであれば,利権があってもしゃーないか,となるが,ならば次は放射能問題がどうなのか,しっかり見極める時だ。次にまわす。
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by papillon9999 | 2012-05-06 10:21 | Trackback(1) | Comments(5)
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Tracked from アルバイシンの丘 at 2012-05-11 20:08
タイトル : 震災瓦礫広域処理問題の本質(3)
震災瓦礫広域処理問題の本質(2) 2012年 05月 06日の続編。  (4)処理すべきがれき総量の疑問:岩手県の11年分か?  放射能問題を考察する前に,前報では気がつかなかった疑問点が生じたので,それを書いておく。環境省の処理プログラムの資料http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_koiki_mat20120202.pdfの3ページには岩手県のがれき処理計画が書いてある。前報で気がついた疑問は,計画されている処理すべきがれき総量が,2ページにあ...... more
Commented by 磐梯朝日国立公園 at 2012-05-06 19:47 x
お疲れさまです!
処理コストが高い理由で、放射線測定
があるのは納得できません。
除染なら高くつくでしょうが、あんな測定で
コストになるもんか!と。
陸前高田の松の送り火では判断が
つきませんでした。
やはりだめなんですね。
それから女川町は石巻ブロックですよ。
石巻はがれきが大量にあるんですが
埋め立て利用も多いんだそうです。
女川町はがれきは少ない。
そんなに邪魔になってるか信じがたいです。
がれき置き場も自治体ごとでなくても
いいだろうと。
置かせる方は国からお金をもらえばいいし。
Commented by papillon9999 at 2012-05-06 23:04
おお,貴重なコメ,どうもありがとうございます。女川町長は「早く何とかしてくれえ!」と叫んでいる,例のあの人ですよね(^o^)/

がれき置き場の問題もそういうアイデアがありましたねえ。それ戴きます(^o^)/
Commented by 磐梯朝日国立公園 at 2012-05-07 22:51 x
パピヨンさま、仮設焼却炉の処理で、
広域処理分が2.8月分となっているのは
4.8月分の間違いでは?
2か月余分でもぜんぜん変わりないですが。
環境省はできたすぐの環境庁の頃は
弱者の味方だったですよね。
Commented by papillon9999 at 2012-05-07 23:56
ありゃりゃ,そうです。おっしゃる通り,4.8カ月分が正しいです。訂正します。ただ,結論には影響ないと思います。ありがとう。

ところで,環境庁,なつかしいですねぇ・・・初代長官は大石武一。自民党だったけど良識派と言われてましたな。
なんでしたかね,何か良い救済をやったんでしたね。
環境と共生時代のホープのはずだったんだが,所詮は霞が関ということか。どげんしようもなか。
Commented by papillon9999 at 2012-05-11 00:20
続編の記事がアップ寸前で泡のごとく一瞬のうちに消えてしまいました。小沢裁判の控訴と重なって,書き直しの気力が失せました。ようやく少し回復して来ましたが,続編を楽しみにしておられる皆様,申し訳ないです。もうちょっとお待ちください。
それにしても,がれき量と処理能力に関して,別の問題に気が付きました。果たして,岩手県11年分のがれき量というのは,すべて処理すべき瓦礫なのでしょうかね???
その疑問提起も書いていたのに消えたのです。また頑張ります・・・