アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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万邦無比の国家(2)読後感と謎の設定
 昨日は初の忘年会だったので今日は基本的にぼーっとして,あったかーい寝床で過ごした。そして,読みかけの小路田泰直著:『「邪馬台国」と日本人』を一気に最後まで読了した。
 読後感は,まさに「拾ってきた石ころにダイヤモンドが混じっていた」である。またまたとても素晴らしい本に出会ったのであった。300円でも買って良かったぁ!



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 その面白さを一気にばらしてしまうのは大変惜しい。パピヨンの性格上,ちびりちびりとじらしながらお伝えしていきますけんネ。

 この本に描かれている分析はこれまでのパピヨンの常識を覆すものであった。さすがに,専門外のパピヨンはこれに反撃する能力を持っていない。今は素直に承っておく。

 パピヨンの読後感を一言でまとめると次のようになる。
 読後の印象の最大のものは白鳥庫吉や内藤湖南,その他の当時の「知性」である。著者:小路田は皇国史観を詳細に分析するが,その過程をみてパピヨンが最も強く感じたことは,「何と深い考察であろう!」ということである(白鳥らの考察が)。
 考えてみれば,如何に皇国史観といえどもその時代の最高の知性が導いたものである。それがチャチな論理構成であるはずがない。「情」も「論理」も併せて正当化する論理が,実に深い考察が,そこにあるのだ。それは日本人の心性にピタリとマッチし,それであって初めて日本人のナショナリズムの骨髄となることができたのだ。
 国民にとって悲劇だったのは,その最高の知性が結果的に国を滅ぼすことになるものに費やされたことである。もっと別のことに使われていたなら,日本は,いや日本国民はもっと幸せな歴史を歩むことができたのではないだろうか,と強く感じた事であった。

 従って,逆にいえば,真の民主主義を実現するには,そういう「皇国史観」を真に乗り越えなければならないということになる。戦後民主主義はそれを避けてきたのであった。「皇国史観」は単に滑稽な戯作物と一蹴するだけだったのである。一蹴するだけで雲散するようなチャチなものではなかったのである。サヨがきわめて簡単に国粋主義者に転向できるのも,このあたりに元凶が潜んでいるのでは,と思えるようになった。
 著者・小路田がこの著作で最も言いたかったことは,実はこのことであったのだと思う(これに関して以下の7番に設定した)。

 このシリーズ記事では下記の謎の解答をお伝えしていこうと思っている。

 1.万邦無比の国家の概念に基づく皇国史観には二つの立場がある。一方の頂点は平泉澄,もう一方は白鳥庫吉。それらはどう異なるのか?また内藤湖南の立場は?

 2.邪馬台国に関して,京大学派の内藤湖南は大和畿内説,対する東大学派の白鳥庫吉は九州説,これはあまりにも有名だが,この両人のどちらがより強い「皇国史観派」であるか?

 3.畿内説と九州説はそれぞれ内藤と白鳥の思想から,ともに必要とされる結論であった。そうれはどういう思想を反映したものであるか?

 4.白鳥庫吉の直弟子で後継者である津田左右吉は,邪馬台国九州説に固執していない。これはなぜか?

 5.白鳥庫吉は日本による「満洲占領」には大反対であった。これはなぜか?

 6.津田左右吉は1940年に筆禍事件を起こしており,軍部からは反戦主義と見られた。小路田によれば,津田左右吉も皇国史観派を免れることはできない。それでも軍部ににらまれたのはなぜか?

 7.戦後の歴史学は津田左右吉を継続したわけだが,これが未だに日本に真の民主主義が育っていない元凶と小路田は見るのである。これは一体どういうことなのか?

 いかがであろうか?読者の皆さんは知的興味にわくわくすることだろう。まあ,あわてないで記事をお待ちください。
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by papillon9999 | 2010-12-04 17:54 | Trackback | Comments(2)
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Commented by papillon9999 at 2010-12-05 20:23
ありゃあー,灰汁選手,えらいすんまへん。
皇国史観を真に乗り越えるとはどういうことかをはっきりしなくてはいけません,ちゅうようなことを覚書しといたとが,ウィキリークスしたごたるです。

次回の記事になるのかな。
Commented by 灰汁狸菟簀 at 2010-12-06 17:38 x
21世紀版「近代の超克」ですね。

期待しております……(^o^)/