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イエスの死因の謎を解く(2)
2009年 10月 13日
前回の続きです。
4.結局,死因は? ということで,その日のうちに息を引き取る死因としてどんなものがあるかを考える。槍でも出血多量でもない。 ぶどう酒はどうか?確かに,酸いぶどう酒とか苦いぶどう酒とかが十字架のそばにあって,人々が飲ませようとしたりする。意味深な小道具である。たとえば毒でも入っていたのではないだろうか? しかし,これも可能性は限りなく低いのだ。というのは,4編の福音書のうち3編ではぶどう酒を飲んでいないからだ。唯一,ヨハネ伝では息を引き取る直前に口にするのであるが,これは直前であって死因とは考えられない。そして飲ませようとするのはイエスに同情的な人々であって,死刑執行人ではない。 それに,『酸いぶどう酒』というのは預言の成就の意味を持ったものだろうと思われるのである。死因とは考えられない。 衰弱死はどうか?これが最も可能性が高い。妻に聞いたら,これに賛意を示した。十字架に架けられたのが十二時前(不確か),亡くなったのは十五時頃である。衰弱死も考えられないことも無い。 しかし,捕らえられるまではイエスは元気だった。そして,ピラトの裁判でもピラトは無罪放免にしようとがんばったのである。ここで拷問などで衰弱することはない。 ただ,ピラトから引き渡された後(当日の午前中,12時に近い方だと思われる),群集によって痛めつけられた可能性はある。そして十字架を背負ってゴルゴタの丘へ登らされた。その時にも衰弱する機会?はある。(でも十字架を運ばされたのはたまたま居たキレネ人・シモンであるが。) それから一緒に磔にされた囚人が二人居るが,十字架上でイエスと元気に言葉を交わしている(罵倒と賞賛)。さらに二人ともイエスが息を引き取る時には生きていた(元気だったかどうかは定かでない)。 このように,衰弱しにしても,時間が短すぎて違う感じがする。 そう,平凡な衰弱死では面白くない。衰弱死のほかには考えられないだろうか?もう少し劇的なものがないだろうか? それを探す手がかりを聖書自身に求めてみよう。 一つは,マタイ伝とマルコ伝にある,イエスの死ぬ間際の不可解な叫びだ。マタイ伝とマルコ伝では,イエスが亡くなる直前に十字架上で次のように大声で叫ぶ。(ルカ伝とヨハネ伝では別のことが書かれている。これが二つ目で後述する。) 『わが神,わが神,なぜ私をお見捨てになったのですか!』 実はこの部分は詩篇22章の冒頭の一節であるが,この最後のシチュエーションでこの言葉を叫ぶのはどういうことだろう。きわめて謎に満ちている。神の子であるイエスが,どうして神に恨み言のようなことを言うのか。神の助けを求めるようなことを言うのか。実際には神は助けに来なかったのだから,この叫びは神が居ないことを暴露するようなものである。単に聖書の詩の一節を口ずさんだだけなのだろうか。 この部分を初めて妻から読まされた時に,真っ先に”神はイエスの頼みを無視したが,元々居ないからであろう”と妻に意地悪を言った箇所でもある。(妻はキッと睨んだ。) ひょっとしたら,神は助けに来られたのではないだろうか?助けといっても,磔からほどいて助け出すというのではない。イエスだって今さら女々しく磔から解いてくださいというような助けを求めるはずはない。 それではどういうことかといえば,神はイエスを召し上げられたのではないか,ということである。一種の安楽死といえばいいか,神はイエスの叫びに反応して,苦難に満ちた務めを早く終わらせてあげた(自然に衰弱死するよりも)のではなかっただろうか。 とすれば,死因は『神による突然死』となる。 状況的には,イエスが息を引き取った瞬間,天幕が裂け,賢人たちが死から甦りエルサレム中にあふれたとある。神が何らかの作用を為した可能性は確実にあるのだ。とすればイエスの死因,そのものにも関わっておられたと考えてもそうおかしなことではないと思う。 二つ目の,ルカ伝とヨハネ伝におけるイエスの最後の描写はどうだろうか?ルカ伝によれば,イエスは 『父よ,わたしの霊を御手にゆだねます』 と言って,息を引き取った。またヨハネ伝では 『「成し遂げられた」と言い,頭を垂れて息を引き取られた』 となっている。 これらの二つは,大役を務め終えた安堵感さえ感じられ,先の二つとは大違いなのであるが,死因がはっきりしない点では同じである。力尽きた,という感じはあるが,衰弱という感じとはちょっと違う感じである。突然キレタという感じである。ちょうど映画のマトリックスで,椅子の電源を切られた時のように。 つまり,こちらの場合も,『神が直接にイエスの命を召された=神による突然死』と考えた方が,より確からしい気がするのである。 以上,聖書自身から,死因でありそうなものを探し,有力と思われる考えに到達した。 ところが,そうすると,さらに不思議なことが出てくるのである。 マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネの4人の著者はその死因に気づいている形跡はない。死因については関心もなさそうである。ただ自然に書いたらそのような結論=『神が直接召命された』が出て来るものを含んでしまったのである。 こういう死因は著者が創作として考え付くことはあまり考えられない。創作であれば明示すると思われる。死因を知らないのに内容自体がそれを示している,人為的ではない,ということは何を意味するだろうか? それは,『神がイエスを直接召された=神による突然死』というのはホントなのではないか,ということである。すると,神はホントにおられることになる・・・・あなたはどう思いますか??? ちなみに,この最後の緑字の推測は妻が喜びそうだから妻に捧ぐ。でも妻には内緒で(^o^)/
by papillon9999
| 2009-10-13 00:30
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Comments(8)
詳細な分析,たいへん参考になりました.ありがとうございます.
1つの可能性として「呼吸困難」があるかもしれません.釘で両手を固定された状態で自分の体重がかかるので,「胸式呼吸」が難しくなります.「腹式呼吸」のほうはできると思いますが. 「腹式呼吸」のできない特異体質,などという人がいるかどうか知りませんが,もしイエスがそういう人だったら,呼吸ができなくて窒息死した可能性はあります. 強引な論理ですね(汗).
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papillon9999 at 2009-10-14 21:56
やあ,いらっしゃいませ。
この記事を書いている時は大変楽しい時間でした。きっかけをありがとうございます。 >強引な論理 わはは,です(^o^)^^^^^^^^^^ 私としては,イエスの例の不可解な叫びについて,新しい解釈をひねり出すことができたのが非常に嬉しいです。
遅くなったけれど、トラックバックありがとうです。
拝読させていただきました。 でも、わたしは、イエスの死因に、 そのような謎があること自体知らなかったので、 「そういう問題もあるのか」というレベルだったりします。 というわけで、「そういう問題があることを 教えていただき、ありがとうございました」です、はい。
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papillon9999 at 2009-10-18 23:16
どうもコメありがとう。
>そのような謎があること自体知らなかった・・ いえ,そのようなことではなくて,世間一般の謎にはなっていないのでして・・・ だから初めて不思議だなと思われたのがLadybirdさん,それを聞いて,ああ,それもそうだ(不思議だ),と思ったのがパピヨンというわけです。 まあ,スターウォーズの筋書きの意味をあれこれ推測するのと同じレベルの話です。 ただ,キリスト教の世界で問題になっていないことも不思議です。
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クリママ
at 2009-10-29 01:51
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始めての書き込みですが、いつも興味深く見てます。
脇腹をやりで刺して水と血が出るのは心タンポナーゼという心臓の外側に水がたまって死亡した状態で、その前に 「兵士たちが来て、イエスといっしょに十字架につけられた第一の者と、もうひとりの者とのすねを折った。 しかし、イエスのところに来ると、イエスがすでに死んでおられるのを認めたので、そのすねを折らなかった。」 とあるのですがこれは、良く昔友達どうしてやって遊んだりしましたが、膝の後ろを押してガクッとさせるのです。弱った体で膝をばねにしてやっと横隔膜を動かして呼吸している状態で十字架に架かっているので、これをされると一気に身体がつり下がって呼吸が止まってしまうのです。それ以上苦しまないように、十字架刑の最後にとどめを刺すためにしたようです。 やっぱり、死因は神様ですよ。当然のようにクリスチャンは思っています。
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papillon9999 at 2009-10-29 21:43
クリママさんへ いらっしゃいませ。うれしいコメありがとうございます。
「心タンポナーゼ」という生理現象(?)があるんですね。そうすると妻が言ったことはあながちでたらめでもないんですね! すねを折られない,というのは何かの預言の成就ですよね。ひざがカクンとなるのはよくわかります。よくいたずらしたものです。 Ladybirdさんの「複式呼吸」の強引理論も,これまた捨てたもんじゃなかったんですね。素晴らしい強引理論だったんですね。 >やっぱり、死因は神様ですよ 我ながらすごいと思いました(^o^)^^^^^^^^^^でも >当然のようにクリスチャンは思っています。 ということで史上初の発見ではなかったんですか・・残念・・・ クリママさんもクリスチャンとお見受けします。HNもクリスチャンママからですね,きっと。
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クリママ
at 2009-10-31 15:51
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クリスチャンママです。HNってなんですか?
papillponさんもそうですか?もしクリスチャンじゃないのにそこもで聖書を読んでいるなら、クリスチャン以上だと感服します。予言も知ってるし! リアル現実の記事がいっぱいあって、それで私は信仰をもつようになりました。結構疑い深いタイプで、なのでこのHPが面白いです。 しつこく、もうひとことですが・・・イエス様は、十字架の前に鞭打ちの刑を受けていて、通常40回ですので、普通そのあたりで死ぬそうですが、逆に十字架までいのちがあったのは、すべて完了するまで神によっていのちをキープされていた・・・とも言えます。
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papillon9999 at 2009-10-31 16:46
パピヨンは残念ながらクリスチャンではありません。『クリママさん「も」』と書いたのでそう思われたのでしょう。原因は,時々記事にも書きますが,エ〇バの証人である妻にあります。一人でやっていれば良いのに,パピヨンや子供達に強制するので,自己防衛のために勉強しました。幸い,自分が取り込まれることも無く,ものみの塔への批判力を身につけ,自分と子供達を守ったという次第です。
聖書自体は読むと大変面白く感じます。(あちこち矛盾している所もあって,推理の宝庫といえます。だから,新興宗教がいかようにも聖書由来の教理を作れるのだと思います。) HNとはハンドルネームの略だと思います。ネットの専門用語で,パピヨンも最初は???でした。 それにしても,鞭打ちの刑で衰弱していたのは確かでしょうね。ただ,一緒に刑を受けた他の二人の罪人もそうですね。 |