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アルバイシンの丘
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随想や意見,俳句(もどき)

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国民の幸せを奪うもの(小史)
 新自由主義が席捲した狂気の時代は過ぎ去りつつあるのか?いやいや安心するのは未だ早い.まだまだ油断はできない.あの狂気の時代が何であったか,ホントに総括ができていないからだ.中谷巌などいくらかの,少しは良心のあるといって良いのか,そういう人たちの懺悔は聞こえないこともないが,それすらも金儲けの手段ではないかという疑念をパピヨンは完全には払拭できない.



 しかし,あれほど荒れ狂った新自由主義もそのトンデモ性が露わになり,少なくとも今は勢いをなくしているのは確かだ.このように,国民を不幸のどん底に陥れるものは,時代によって変化するものかもしれないとパピヨンは思う.かつてはあの軍国主義の跋扈,ある時は資本主義下の労働搾取【注1】,またある時は失政による生活崩壊の時代.
 そして,常に裏に隠れて気づかれないが,がん細胞のように国民の幸せを蝕んでいるものがある.官僚による税金収奪システムである.
 この官僚システムは無論,国民の公僕である.公僕という言葉は死語となっているが,それでも本来の意味で公僕である.ところがこの公僕は油断をすると自己増殖を始める特質を持っている.ちょうど通常細胞が,がん抑制遺伝子により癌化が防がれていて,タバコなどの促進刺激によってがん化するのと似ている.生命体として見た官僚システムはあくまでも自立したものではなく,時代の支配者に寄生して自らの繁栄を至上価値とする行動原理を持つ.

 この官僚システムはそれでも戦前の軍国主義には踏み荒らされた.小賢しい悪知恵の成果としてあったせこい収奪システムは暴力の論理で粉砕された.しかしこれとても一部では軍と結託しての富の収奪システムがあっただろう(物資の横流しシステム).そしてそもそも軍国主義の跋扈を許したのも,その責任の一端は財界と官界の癒着による不正な収奪システムにあったことは明らかである.その堕落を衝かれた一面もあったはずである.
 戦後,官僚システムはいち早く立ち直り,敗戦国日本の復興の一翼を担った.恐らく戦後初めのころは日本国憲法の下,理想の国造りに理想の炎を燃やしていたはずだ.
 ところがこれはすぐに”現実"に席捲され,本来の自己増殖機能が再び作動し始める.朝鮮動乱特需をきっかけに『経済の時代』がやって来たのである.経済界が再び莫大なお金を産み出すシステムとして再生された.そこで,官僚システムは経済界に寄生し,あらゆる政策を産業界育成のために捧げる道を選択した,
 さらに産業廃棄物という毒物垂れ流しも黙認し(それに公害という責任融解の名前をつけ),巨大な『不作為』を行って経済界に尽くした.これによる犠牲は一部の不幸な役回りの人に及んだが,意味としては国民の生命は動物並と官僚から見なされたことと等価であった.
 その間,官僚システムはちゃっかりといろいろな『税金収奪システム』を作り上げていった.例えば健康保険,業界管理団体,貿易管理,等々,各種の天下り団体を作り上げ,税金をどんどんそちらへ流す仕組みをせっせと作り上げて行ったのである.これらは未だに国民を蝕み続けている.

 国民もその間,経済拡大の恩恵を受け,一部取り残される層はあったものの,多くは中流を自覚できるような状態になって行った・・・・と,評論家が書きそうなまとめ方をすると,いかにもそれらしく聞こえるが,実は違うのである.この時代はまさに労働者対資本家の対立の時代,労働搾取の時代であった.
 国民は陰に隠れた官僚の収奪システムの存在など夢にも思わず,直接の相手である資本家と対峙していた.すなわち,資本家側は労働コストを抑えるために劣悪な労働環境と低賃金を強い,労働者は不況と首切りに脅えていた.数々の炭鉱爆発が起き,多くの労働者が死んで行った.この時代,国民の幸せを奪っていたのはまさに資本の論理だったのである.階級史観は実に正鵠を射ていた.階級対立に際し,官僚システムは推進,あるいは不作為で裏面から資本家階級に尽くした.

 これ以降,バブル時代を経て新自由主義の時代になって行きます.そういう時,官僚システムは何に寄生して肥大化して行ったでしょうか.続きをお楽しみに.

【注1】 近代の時代は常に労働者の不幸をもたらすものは資本家の搾取である,という史観=階級対立史観がある.本記事ではその史観とは別の仮説に立つ.すなわち,ある時代の国民を最も不幸にするものはその時代ごとに違っているというパピヨン史観に基づいて書く.最近はそういう史観が可能でありかつ必要なのではないかということを改めて考えている.というのも,階級闘争に勝利後の新たな世界で何が起きるのか,あまり楽観できないからだ.この辺り,パピヨンの学生時代からの疑問が未だに続いていることになる.

【注2】 司馬遼太郎による官僚論のようなものがあるらしい.パピヨンは司馬遼太郎は読んだことがないからよく知らないが,何かのブログで眼にしたものに,官僚支配は太政官時代から,という司馬史観なるものがあった.パピヨンはそこまで考える必要性はないと思うが,その能力(分析能力)が元々ないので,近いところだけ考えておく.そもそも,江戸時代の評価がよくわからない.つまり,江戸時代は官僚としてはよくできていた時代だったのか,相変わらず(今と変わらず)将軍様と庶民の双方の目を掠めていた時代だったのか?あれだけの文化が花開いた一方で,白土三平の漫画のようなこともあった,一体どう考えたらいいのだろう???
by papillon9999 | 2009-04-23 00:03 | Comments(3)
Commented by たんぽぽ at 2009-04-24 22:35 x
トラックバック、ありがとうございます。

官僚(テクノクラート)が既得権者になったのは、
比較的最近で、おそらく20世紀に入ってからではないかと思います。

議会制民主主義が定着したけれど、民度がふじゅうぶんで、
政策立案能力はないけれど、人気取りだけはじょうずな人物が、
たくさん議員として当選するようになると、
テクノクラートが陰の権力者となるからだけど。


ついでながら、共産主義思想が興ったのは19世紀だけど、
このころの既得権者は、貴族やブルジョアであって、
テクノクラートは、既得権者でなかったのでは?と思います。

共産党の支持者が、官僚支配に危機感がとぼしいのは、
案外こんなところにも、原因の一端があるのかもしれないです。
Commented by papillon9999 at 2009-04-25 01:03
『共産党の支持者が、官僚支配に危機感がとぼしい』

それを確かに感じるのです!
それからさらに共産党指導者は自らがその任に当たろうとしているのではないかという疑念をパピヨンはずっと持っています.
支持者はそれに気がついていない,という・・・まあ,この辺で.
Commented by kyusedai at 2009-04-29 15:03 x
なるほど、そういうことでしたか。司馬遼太郎は読んでおくべきだと思います。