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「侵略は仕方がなかった」の道理学
2008年 12月 27日
『歴史は戦争の繰り返しであった』という趣旨の歴史観をご披露いただいた.拙記事における「お話」の中のコメントとして述べられたものである【注1】.
この歴史観は(残念ながら)ある一面で正しいと思う.この他にも,『戦争は国内問題を外に向けさせるための眼くらましとして必要悪だ』だの,『戦争は余剰生産物を一掃する為の公共事業である』なんて言い方もある. これまた残念ながら,これらも一面の正しさを表わしていることは否定できない.よって,歴史修正主義者たちがこれらの歴史観を示すことによって主張したいことは, 「だから,大日本帝国が侵略したとしてもやむを得なかったのだ」 ということである. 以上のストーリーは,一見,それなりの理屈を持っているように見える.しかしながら,これは「人間の営み」を無視した暴論でしかない.そこには「自然に戦争になる」という歴史観しかなく,「戦争は人間が起こすもの」という視点がないのだ.まるで「戦争は自然現象」【注2】であるかのようだ. では『戦争は一種の自然現象である』としよう.一面ではそのように見えないこともない.人口が増えて国民を自国で賄えなくなったら他の所に目をつけるしかないからだ.しかし原始時代ならいざ知らず,もうずいぶん前から人類はこのような状況を克服しようとしてきたはずなのである.自然現象のように考えることは人類の歴史を無視した虚無の世界の話に陥ってしまう【注2】. 確かに人類社会は本能の趣くままに戦争に明け暮れる時代と,それがもたらした悲惨な状況を反省する時代を繰り返し,少しずつより良い社会制度を作ろうと試行錯誤を重ねてきたではないか.弱肉強食の戦争オンリーの世の中が,曲がりなりにも民主主義の世の中になった,という歴史を忘れてはいけない【注3】. このように考えてくると,これまでの歴史はまた,『戦争への論理』と『非戦への論理』との闘いであったとも言えるのだ. そうであるとするならば,問題は我々(田母神さんらも含めて)はどういう立場に立つのか,ということである.すなわち,戦争の繰り返しであった歴史をこれからも続けていくのか,そうではない歴史を求めて行くのか,ということ,今後の姿勢である. 『歴史は戦争の繰り返しであった』そして『大日本帝国も侵略せざるを得ない状況があったのだ』という理屈で以って,正当化しようとする心性は,『戦争の繰り返しとはならない地球の今後を作って行こう』とする立場にはない. いずれの立場が正しいか,ここでは敢えて正邪の話にはしたくない.いずれの立場に自分は立ちたいか,ということを自分で決める問題としたい. 大日本帝国の行動を侵略と認めることは,『非戦への論理』に立つ第一歩となるのである. 【注1】 『田母神氏は世界史的に欧米列強が侵略国家と呼ばれないで日本のみが侵略国家と呼ばれるのは何か不可しいと言っているのですから』というkyusedaiさんのコメントに対し,『もし欧米列強が植民地主義で侵略国家だった,と呼ばれるならば,田母神さんは日本も侵略国家だったと呼ばれることを甘受するのでしょうか?(そしてそれを紹介されたkyusedaiさんも)』と質問した.すると,kyusedaisさんは,「はい」とお答えになった.これは当然とはいえとても筋が通っている.でも田母神はどう言うでしょうかね? 【注2】 「戦争は自然現象の一種」という観点は,一見,一段高い所から俯瞰しているような見方のようであるが,何のことはない,単細胞の見方に過ぎないのである.つまり 「人間,どうせ死ぬのだから,殺人は罪ではない」 と同じ理屈である.だとしたら, 「大日本帝国を正当化することに何の意味がある?自虐だって別にいいじゃん,いつか人間は滅びるんだから」 【注3】 いつも書いているように,現在の民主主義が最善だという意味ではない.
by papillon9999
| 2008-12-27 23:59
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Comments(17)
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at 2008-12-28 23:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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kyusedai
at 2008-12-29 22:45
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パピロンさん、も一度欧米列強の植民地獲得がどのようなものであったかを是非勉強してみてはいかがでしょうか?
日本人でも数十万人が奴隷として買われていったのですよ。 戦争は自然現象の一種などと言う人は例えば誰ですか?
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papillon9999 at 2008-12-29 23:17
Kyusedaiさん,『戦争は自然現象の一種などと言う人は例えば誰ですか』というご質問,誰もこんなことは言ってはおりませんよ.『大日本帝国の侵略は侵略戦争の時代だったからやむを得なかったのだ』という理屈が,まるで『『戦争は自然現象の一種というに等しい』とたとえて申し上げたわけです.これは私のオリジナルですよ.憶えておいてください.これまでの私のコメントと記事からそう読めないでしょうか?
もし私と有意義な話をしたいお積りならば,まず以下の点について共有する必要があります.どのような事実を指しておられるのか明示してください. 『日本人でも数十万人が奴隷として買われていった』 『天皇制を倒そうと画策しました』 そうでないと私は言いようがないのです.
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kyusedai
at 2008-12-30 21:09
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>『日本人でも数十万人が奴隷として買われていった』
『天皇制を倒そうと画策しました』 試しに上に付いて関係するサイトをご紹介したいのですがスパムと自動的に認定されてしまいますので結果として紹介不可ですが、どうぞパピロンさんご自分で検索してみてください。 ・日本人奴隷 ・32年テーゼ で検索できます。 でも、32年テーゼくらいはご存知ではなかったのでしょうか?
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kyusedai
at 2008-12-30 21:13
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>『大日本帝国の侵略は侵略戦争の時代だったからやむを得なかったのだ』という理屈が,まるで『『戦争は自然現象の一種というに等しい』とたとえて申し上げたわけです.
これは何にもたとえにはなっていませんよ。論理的に全く繋がりません。
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papillon9999 at 2008-12-31 00:24
ああ,そうですか.それではお話は通じないようですな.
『も一度欧米列強の植民地獲得がどのようなものであったか』および 『32年テーゼ』 ということと大日本帝国があのような大それた侵略を犯したこととどのような関係があるのですか?最後にそれだけをお聞かせ願いましょうか.
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kyusedai
at 2008-12-31 13:23
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日本の近代史で独裁者が突然気まぐれで隣国へ侵攻するという歴史を私は知りません。
現代でも中国などでは政府転覆を画策しているだけで罪になるのはご存知でしょう? 日本の軍国化には相対的な原因があるのですよ。それはご自分で学習して欲しいです。
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papillon9999 at 2008-12-31 13:35
『大日本帝国の侵略は侵略戦争の時代だったからやむを得なかったのだ』という理屈は,まるで『『戦争は自然現象の一種というに等しい』
これを再度申し上げて,私たちのお話を終えることにしましょう.とにかくたくさんの記事ネタを戴きました. お付き合いありがとうございました.
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at 2008-12-31 17:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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kyusedai
at 2008-12-31 17:49
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はい、私の方こそお忙しい時期にお付き合いいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
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at 2009-01-04 13:00
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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papillon9999 at 2009-01-04 13:15
匿名様 まさに仰るとおりのそのような趣旨の記事を書きかけています.あと,「整理学」.「倫理学」,「病理学」のようなタイトルになるでしょうかな.
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naoko
at 2009-01-05 03:22
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NHKで再放送でしたが、韓国の済州島の悲劇を見ました。
印象的だったのは、当時の韓国軍司令官の運転手だった方の証言です。 新兵に人殺しを実地に勉強させるために、島民を女子ども含めて虐殺させることにした…。 これは、まさに中国での旧日本軍のやり口そのものです。 皇軍兵士としての日本式軍隊教育の禍根が、はっきりうかがえるやりきれない話です。 アフリカでの民族対立・虐殺にも欧米の植民地政策の禍根があります。 すべては教育の所産であり、同時に異文化による現地文化破壊の所産といえましょう。 日本に逃れて50年、ようやく祖国の地を踏んだ済州島出身の女性が、慰霊碑の前で、「これで死んでいった仲間達の恨(ハン)も癒される」とおっしゃっていたのも印象的でした。
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papillon9999 at 2009-01-05 10:33
済州島事件は大韓民族の恥部ですね.崔先生達もこの話は詳しくはしてくれません.ただ,これさえも元はといえば欧米列強と大日本帝国に蹂躙されたことが原因のはずです.冷戦前の熱い戦いの時代の悲劇です.
要するに世界の論理に蹂躙されたわけですね.我が国でこの種の内戦が起きなかったのは幸運というしかありません. ただし,さらにそれを超えて民族同士の憎悪感情にまで行ってしまいました.済州島住民への蔑視感情もあったはずです. naokoさんのように捉えることは大変重要です. 『韓国民同士も殺し合いをしたのだから大日本帝国の蛮行も罪が軽くなる』という捉え方がいけないのです. この種の侵略や蛮行が歴史上繰り返されてきました.これをどう考えるのか,一つ上の匿名様のコメントの趣旨ですが,それこそ私の次の記事「・・・整理学」です.
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at 2009-01-05 17:18
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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naoko
at 2009-01-06 04:44
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たしかにわが国ではこの種の内戦はなかったと言えるのかもしれません。しかし、沖縄でも同種の軍による住民虐殺はあったのです。最近、アメリカ側で、当時の部隊長のノートが発見されました。
わたしも当時の体験者の証言は聞いた事があります。 たとえば、集団自決に関しても、軍の関与がなかったなどというのは、とんでもない話です。 それどころか、崖の上で「次飛び込め!」と軍人が指示していたのです。 そうした証言を、やれ自虐的史観だとか言って、封殺する方がおかしいのです。 それでは沖縄の恨(ハン)もすくわれない…。 あったことはあったこととして誠実に受け止めた上で、誇りある未来を築いていきたいものです。
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papillon9999 at 2009-01-06 12:24
全くおっしゃるとおりです.かつて琉球の征服がありました.アイヌも侵略されたのです.それらは今のチベットと似ていると思います.でももう昔には戻せない,そこには非情な無常感と虚無感が漂っていますね.これらを総合的に考えてみたいのです.
・・・人は塵から生まれ塵に還る・・・ |